第16話 松江②

 俺は馬男3人に絡まれたが、この程度どうにでもなるけど、殺すのは駄目なのかな? 一応元は人だしと思った。


「里香、女の子達を守っててくれな? 別のが出てきたりしても面倒臭いし」

「うん解った」


「愛美さん。こいつらも愛美さんの友達襲ったのか?」

「うん……」


 そうか、じゃぁお前らの罰は決まりだ。

 俺は、馬男に素早く接近すると、ズボンを一気に引き裂いた。


「でけぇ……」

「大きいデシュ」


「里香、何ガン見して噛んでんだ」

「だって勇気の皮被ったのしか見た事無かったから。びっくりして……」


「あの勇気君のって、剥けて無いんですか?」

「愛美さんも興味あるんだ」


「そんなのどうでもいいだろう。俺のメンタルが削られるから止めろ」


 ホースマンへの変異はどうやら股間の成長もある様だった。

 俺は、引き裂いたズボンの中に手を入れると一気に3人の馬男の股間の物を引きちぎった。


「ぎやあああぁあ」


 凄い絶叫と共に3人の馬男は転がりまくってる。

 股間から激しく出血している。


 俺はインベントリからポーションを一本取り出し3人の股間に掛けると、傷口だけは塞がった。

 排泄する時はどうするのかな? とちょっと思ったが、じっくり見る気にはならなかったので解らないけどきっと大丈夫だろ?


「おい、まだやるのか? 次は首を引っこ抜くぞ?」


 そう声をかけると、首をぶるぶる横に振り、這うようにして逃げ出して行った。

 勿論ズボンは破れたままだから、馬の様な尻尾が生えた尻を丸出しにしてだが……


「愛美さんあいつらが戻って仲間引き連れて戻って来たら面倒だから、さっさと出よう」

「解ったよ。みんな行くよ」


 そのまま、20名ほどのうさ耳ガールズと里香とミコを連れて破れたフェンスから外に出た。


「どっちに行くのが良い?」


 と愛美さんに聞いた。

「状況が全然伝わって無いから、解らないんです」


「そうか、他所の街では学校か役所関係の建物にみんな避難してたようだぞ?」

「それなら、街の中心部の方に集中してるけど、ダンジョンの入り口もそっち方向だから……」


「ああ、ダンジョンの発生地域だとそうなっちゃうのか、それなら反対側に取り敢えず下りて行って、安全が確保できそうな場所を見つけよう」

「うん」


 俺が方針を決めて里香の方に近づくと、何故か里香が俺を避ける。

「里香、どうした?」

「だって勇気、汚いの握って引き抜いたでしょ? 手、洗うまで近づかないでね。エンガチョだから」


「エンガチョとか今時使う奴いないだろ? それにちゃんとズボンでカバーして掴んだから大丈夫だ」

「でも、なんかヤダから」


 しかし、でかかったな。3人とも30㎝近かったぞ。


 あんなので襲われたら、人間の女子だと普通に無理じゃないか?

 まさか…… 女の子達を犯して殺して無いだろうなあいつら……


 でも…… そうだとしたら、何も遠慮する必要は無いな。


 俺は、山を下りながら近づいて来たモンスターを、ほぼワンパンで倒しながら進んで行った。


「あの? 勇気君って変異してないのに何でそんなに強いんですか? もしかしてワンパンマンとかの能力があるとか?」

「何だそのワンパンマンって? どこかのヒーローのパクリみたいだから止めてくれ」


 30分程を掛けて、山を下り切るととか言って言う程ではないけど、そこそこの頑丈そうな建物はあった。


 だが、広島だと死体はウルフが平らげてくれてたので、余り残って無かったが、ここでは血だけをモンスターが求めるので、死体があちこちに残ってるだけに余計にたちが悪い。


 今のこの時期では、既に悪臭もしている。

 その状況を見た、うさ耳少女達の顔色も悪い。


 この辺りじゃ避難生活してても精神的にちょっと無理だな。

 逆に、ダンジョンの中の隠し部屋とかで待たせておいた方が良いのかもな?


「里香、このままダンジョン行った方が良くないか?」

「うさ耳先輩たちはどうするんですか?」


「連れてって、ダンジョン潰すまで隠し部屋とかに居て貰った方がいいんじゃね?」

「うーん、確かにその方がいいかもね、もう水道や電気も全部止まってるみたいだし、ミイラ状態の死体だらけの街に居ると、気が滅入っちゃうよね」


「愛美先輩達は、どうしたいとかありますか?」

「家族の事とか色々知りたいけど、この状態を見てしまうと知るのが怖いから、勇気君の指示に従うのが一番正しいと思うの」


 愛美さんがそう言うと、他のうさ耳先輩達も頷いていたので、それじゃぁダンジョンに向かいます。

「え? ダンジョンって一番危険じゃないの?」

「そうなんですけど、中には隠し部屋とかあって、その中は逆にどこよりも安全だったりするから」


「何でそんな事知ってるの勇気君?」

「ああ、俺、里香と二人で広島ダンジョン潰しましたから」


「え? えええぇえ、普通の人で出来る物なのそんな事?」

「うーん、まぁ普通じゃないんで、驚かないで下さいね」


 そう言って俺はトランスフォームした。

 流石にドラゴンだと、腰抜かすといけないと思ってフェンリルにした。


 それに合わせて、ミコも九尾の狐形態に戻った。

 ちゃんと服は脱いで畳んでいた……

「俺達こんな事出来るから、結構強いんで」

「ヒャッ…… 凄いね」


「先輩達にも早く着替えて欲しいけど、もう少し落ち着ける場所に行くまで我慢してくださいね」

「うん…… 解ったよ」


 

 そこから山の麓をぐるっと回り込むような感じで、ダンジョン方面に進んでいると、兎が☆2に馬が☆3に進化した。


 それと牛型のモンスターも出現した。


一角うさぎ ☆☆ 

 ラビットキック

 ジャイロブレード

 ハイジャンプ

 ドリル頭突き



ユニコーン ☆☆☆

 踏み潰し

 絶倫

 浄化


バーサクブル ☆☆☆

 突撃

 身体強化


 お、ユニコーンの浄化スキルって使えそうな感じするな。

 うさぎ系統って☆の数の割にスキルが多いのは何か使えそうな気がするな。


 浄化を鑑定してみると、汚れを綺麗にすると書いてある。

 これって、もしかしたらラノベでありがちなクリーンの効果じゃないか?


「里香、浄化って選択肢に出たか?」

「あ、あるね」


「便利そうだから何かと入れ替えてみてくれ」

「うん、私は統率が必要なさそうだから、これ入れ替えるね」


「俺から離れた時に困るぞ?」

「ん? もう一生寄生するに決まってるでしょ?」


「決定なのか?」

「うん。嫌?」


「まぁ別に嫌じゃない」

「あ、ちょっとデレてる?」


「ほら、早くしろ。覚えたらちょっとうさ耳お姉さん達に、浄化かけてやってくれ」

「うん」


 里香が浄化を掛けると、汚れていた制服や、汗臭い身体がすべて綺麗になった。

「わぁ、凄いよ里香ちゃんありがとう」


 お姉さん達に感謝されてたが、破れてる制服の修理は出来ない様だ。

 このスキルは十分有用だったな。


 これで、里香の制服や下着も俺が収納しなくても大丈夫そうだ。

 あれ? ちょっと残念な気がしたが気のせいか?

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