殺人犯の息子の僕とマスクを外せない君 

くじら

《プロローグ》


静かな静かな美術準備室。キャンパスを筆で撫でる音だけが聞こえる。

そこには僕ともう1人。泉永遠(いずみとわ)の2人だけ。いつもマスクをしていて今どんな顔で絵を描いているのか分からない。でも、ただひたすらに絵の具を塗っていく。無心でただ、ひたすらに。

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