時間経過でスキルポイントが上昇するチート冒険者~スキルコンプリートを目指せ~
MIZAWA
第1話 時間経過
アーバン村にいた1人の少年が近くにあるとされるモゼス町にやって着ていた。
彼は15歳になったばかりであり、モゼス町の事など何も知らないのであった。
1人の少年の名前はジェイク。
ふさふさの黒い髪の毛をしており、衣服はボロボロなのであった。
アーバン村は果物の生産率が一番高く一番稼いでいるイメージがあるが。
果樹園を作るのに沢山の借金を抱えている為、その返済で貧乏状態が続く。
ジェイクは村長と一緒に暮らしていた。
父親と母親は戦争に巻き込まれて殺されたらしい。
村長が冒険者のなんたるかを色々と伝授してくれた。
なぜか村長はあらゆる武器に秀でており、ジェイクに全ての武術を注ぎ込んでくれた。
かくしてジェイクはモゼス町にやって着て最初に向かったのは冒険者ギルドであった。
ジェイクの夢は冒険者になる事であった。
父親も母親も元々は冒険者であったらしい。
村長が熱い眼差しで話をしてくれた時はとてもワクワクした。
その大きな両開きの扉を開くと。
そこには沢山の冒険者ががやがやとしていた。
ある人は獲物の話をしたり、食事は何にするとか、パーティーメンバーをどうするかとか、色々な楽しそうな会話が耳に届いてくる。
不思議と緊張する事もなくジェイクは冒険者ギルドの受付嬢の元へとやって着た。
受付嬢の女性はとても可愛らしくて、まるで子猫みたいであった。
人間の種族である事は分かった。
彼女はこちらをくりっくりとした瞳で見つめてくる。
「あのう、僕、冒険者になる為に来ました」
「そうですか、それではこの書類に手形を押してください」
「はい」
「最初はF級冒険者です。冒険者には全員アイテムボックスを支給します。ある程度の物はアイテムボックスにしまう事が可能とされています。冒険者ランクを上げるには沢山のクエストを成功させる事がカギとなります。認められたら次の冒険者ランクとなれるのでよろしくお願いします。この町には初めてきたのですか?」
受付嬢が長いセリフを話してくれている間。
ジェイクは手形を書類につけていた。
真っ赤な手の形をしたインクを張り付けた。
「はい、この町には初めて来ました」
「ではトドロキの宿屋がお勧めでございます」
「了解しました。最初に受けた方がいいクエストとかあります?」
「それなら、これなんかどうでしょうか」
受付嬢が提示した書類には【小さな木人×2体討伐】というものが表示されている。
「クエストを受けますとそのモンスターの居場所がマップに出現します。アイテムボックスとここら辺の地図を渡しておきます」
アイテムボックスはまるでバックのような代物であった。
「アイテムボックスは手形に反応している為に無くしても持ち主の元に戻ってきます。それは地図も同じです」
「凄いですね、まるで魔法みたいです」
「はい、そのインクは魔法のインクなのです。ではご健闘を祈ります」
とても美しい受付嬢から去る事にしたジェイクは地図にのっとって。森の地区に向かっていた。
モゼス町から出る時に沢山の冒険者とすれ違った。
彼等といつか対等になってライバルとしてがんばりたい、そんな夢をジェイクは抱き始めていた。
森に到達すると、そこには無数の木人が歩いていた。
小さな木の人形みたいなもので、ごつごつとした丸太のような体を支えながら歩いている。
僕は取り合えず村長から教えてもらった剣術で止めを刺そうとした。
1本の剣はノーマルな鉄の剣であり、1個の盾は木製で出来た盾である。
衣服は相変わらずボロボロの衣服で、木人クラスなら大丈夫とこの時のジェイクは侮っていた。
1体の木人に鉄の剣が突き刺さる。
だが鉄の剣はびくともしない、そいつはブンと蔓のようなものを振り上げた。
顔面に蔓の攻撃を食らった僕は後ろに吹き飛ばされる。
今のジェイクのヒットポイントは200くらいとされる。
中堅の冒険者だと1500は当然であり、高位の冒険者だと10000くらいは当たり前。
今のジェイクは雑魚の中の雑魚なのだ。
その200のヒットポイントがあっという間に減る。50のダメージを食らったジェイクは後3発食らったら永遠にこの世界とお別れになる事にようやく気付く。
もう一度剣で叩き落すと、木人に突き刺さる。
どのくらいダメージが食らったからも分からないし、全然びくともしないそいつを見てジェイクは恐怖を抱く。またツルのようなもので攻撃を食らうと、HPが100になった。
後2発食らったら死亡する。
ジェイクの脳裏は冒険者としてのワクワクから、絶望へと変わっていく。
そしてジェイクは後ろを向けて逃走を始めたのであった。
「うわあああああああ」
ジェイクの生まれて初めてのモンスター討伐は最悪な形で幕を閉じた。
そして現在のジェイクは冒険者ギルドに併設されている冒険者酒場にてミルクをちびちび飲んで全てが撃沈されていた。
(どうやったらモンスターを倒せるのだろうか? 村長から教えてもらった武術は確かにあるはずなんだ。何か大きな事を忘れている気がする。それが何なのかが分からない)
ジェイクは1人でもんもんと考えていた。
すると冒険者達の話声が聞こえてくる。
どうやら中堅の冒険者達で、そこそこやり手の冒険者らしい。
「そう言えば、お前スキルポイントは何に付与してる? どのくらい貰った?」
「ああ今1000くらいまで溜まったから次の剣術のスキルレベルを上げようと思ってる」
「そっか、俺は生産スキルを上げて凄い武器をスキルポイントで生産するぜ」
「その為には鍛冶場召喚スキルが必要だぜ」
「それは先程習得したよ」
「たまにさ新人が鑑定を覚えるのを忘れて冒険する奴がいるんだが、そういうの助けたほうがいいのか?」
「そんなの放っておきなよライバルは少ない方がいいでしょ」
「それもそうだな、まったく、1万ポイントはまでスキルポイントを溜めた奴がいたらすごいな」
「それは言えている」
ジェイクはその会話を盗み聞いていた。
頭の中のスイッチと歯車が合わさった。
いくら剣術が凄くてもスキルポイントを付与していなければ、宝の持ち腐れであった。
何よりジェイクは忘れていた。ある日アーバン村にやって着た冒険者がジェイクの事を鑑定した。
すると変なスキルがあるとされた。
それが【時間経過ポイント上昇】というスキルであった。
自分がどのくらいのスキルポイントを持っているかを調べるにはステータス表を出現させる必要がある。
しかしアーバン村ではそれすら禁止された。
それを行ったものがいれば即座に罰せられた。
なぜそこまで厳重にするのかと聞いたら。それで浮ついた感情を抱く馬鹿がいるからと言われた。
今ジェイクは15歳を過ぎた。1人の冒険者として新しい人生を始めたのさ。
いつまでも掟に縛られている訳にはいかない。
人生で初めてジェイクはステータス表を開いた。
HPとMPはステータス表を開かなくても見える為大丈夫だった。
まずはスキル習得一覧を見る事にする。
そこに表示されたありえない数字に思わず口から声が漏れる程だった。
「ま、まじか」
そこには10万ポイントと表示されたスキルポイントがあったのだから。
この時全ての歯車が一致したのではなく崩壊した。
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