登校2

俺たちは自分達と同じ制服を着た人たちがいる駅についた。

流鉄はうちの学校しか使わないのでうちの生徒があまり使わない時間に乗れば普通に座れるのだ。

満員電車で押しつぶれている同級生よどんまい。


俺たちは混む前のいっこ前の時間に来ているため生徒はまばらだ。


「ここで別れようか、お邪魔でしょ。私バカップルぷりをみたくないし」


マナは鞄から携帯をだしてポチポチといじりながら言った。

 

「邪魔ではないが、まぁ二人っきりで登校はしてみたいな」


俺の夢のひとつに彼女と制服で登校して帰るというものがある。帰るのは昨日達成したのであとは登校だけだ。


「じゃー学校で」


マナはそのまますたすたと奥に進んでいった。


一人になった俺は所在なさげにキョロキョロと周りを見た。


瑠璃は送れてくるのか?まぁ女子は化粧とか色々あるからな。

俺は携帯をだしてゲームをやろうとした時、希堂くーんとアニメ声でいて甘い声が聞こえた。

俺の待ち望んでいた声だった。

俺後ろを向くと瑠璃が手を降りながら早歩きで近付いてきた。

俺も笑顔でてを振りながら瑠璃に近付く。


「ごめん待った?」

申し訳けなさそうな顔で瑠璃は言った

「いや全然待ってないぞ」


俺は言ってみたかった言葉を言った。

全然待ってないよとかめちゃくちゃカップルぽいよな。にやけちゃいそうだ。


「にしてもそんな急がなくても大丈夫だぞ」


「なんか先に待ち合わせしてる人がいると落ちつかないんだよねー」


あーそれはあるな。待たせているんじゃないかと焦る。まぁ待っている側はい作るのか楽しみながらもドキドキするんだけど。

あれでも焦らせるって俺のせいだよな。

次はギリギリに行くようにしよう。


そう決意して数分たつと流鉄が古めかしいおとをだしながら駅に止まった。


ここの駅は始発なので席はがらがらだ。

幸谷駅はなぜかこの時間帯でも人が多い。

そんなに武蔵野線を使うやつが多いのか?いや新松戸が最寄りの人が多いだけか。

ちなみに俺は一度幸谷駅からこの時間帯よりといっこ遅く試しに乗ったことがあるが満車に近く同じ高校の人たちに痴漢に間違われないかひやひやしたわ。

サラリーマンの気持ちがわかった気がする。

お疲れなのに痴漢に間違われないように気を付けないといけないなんて、やっぱり専業主夫が最高の仕事だな。


「やっぱり始発はいいね。」


俺の目を見つめながら微笑んで言った。

瑠璃の目を細めた微笑みは慈愛を感じて好きだ。


しばらくたつと幸谷駅に到着して生とがそこそこ入ってきた。周りの席はだんだん埋まっていた。


「うわー混んできたねー」


始発が最寄りの家を借りさせてくれたマナのお父さんに感謝だな。


ひとが多くなってきた生か数奇な視線を多く感じるようになった。

やっぱり俺と瑠璃が一緒にいるのが珍しいどう部てを発見したかのようにみる人が多い。

瑠璃は高校の有名人、俺は学校でも目立たない一般人。

だけど俺は瑠璃の彼氏のポディションを勝ち取った。いわば勝者だ。

瑠璃は俺の彼女だと自慢したくなる。


だけどなかには俺達のことを釣り合わないと思っている男どももいる。そいつらはチラチラと俺のことをみながらなにか話している。

たぶんなにか弱みを握ったとかありもしない話をしてるんだろう。

そんなどうでも良いことをきにしても仕方がないので俺は瑠璃との登校を楽しむ。


だけど甘いオーラをだしすぎると保健室が大変なことになっちゃうから少し自重する。


そんなことを考えていると瑠璃の着いたよーという声で俺は外を見た。どうやら平和台に着いたようだ。


これから嫉妬の視線が増えることになるだろうから慣れないとな。


俺はいつか瑠璃の隣にふさわしい男になると誓って学校に向かった。



  



「あ、そうだ」


学校に向かっている途中に瑠璃がなにかを思い出したような声をだして俺のほうを向いた。


「今日は数学があるから寝ないでね」


寝たら勉強教えないからねーと一言付け加えて真面目な表情をして言った。


まじか、あの魔術師の授業を真面目に聞かなきゃいけないなんて地獄だ。だけど瑠璃に教えてもらえないのはもっと嫌だ。僕は嫌だ。

おっと流山娘の歌のフレーズがでてきてしまった。

とりあえず授業はちゃんと聞くか。

俺は難解な迷路を攻略して暖かい家に帰ることを誓った人のような決意をした。


「わかった授業は受けるわ」


俺は苦虫を噛み潰したような顔で瑠璃に言った。


「どんだけ数学嫌なの」


瑠璃はあきれた表情で言った。

そんな表情も良いね。どんな表情も瑠璃は絵になる。

俺はドMじゃないよ。瑠璃の顔が素晴らしいだけだ。


「いやだって魔獣だったり妖怪を倒すわけでもないのに魔術もどきを教わらないなきゃいけないんだよ」


「数学は魔術よりはるかに簡単だよ。一回魔術書を見たこといるけど、意味がわかんなかったし」


なんで魔術書を読んだことがあるんだよ。瑠璃の家は古い名家だしなんでも揃っているのか?

普通魔術の書なんて見ないし瑠璃の知的好奇心は相当高いんだろうな。


「だから数学は魔術じゃないから努力すればできるよ」


頑張れと最後に笑顔で付け加えた。

そんなこと言われたら頑張るしかないじゃないか。俺は胸のうちに秘めていたなんでもできるという気持ちが溢れだした。


「なんとか頑張ってみるわ、わからないところ教えてな」


「ガンガン教えるよ」


嬉しそうな表情をしながら言った。そんなに教えるのが楽しいのだろうか?

教えたことないからわからないな。そもそも教えるような友だちがいないし。あ、マナは親戚扱いな。マナに念をおされた。あれ、てことは友達いないボッチか?

でも彼女はいるし勝ち組ボッチか。


色々な会話をしているとあっという間に学校に着いた。


楽しいとすぐに時間がたっているように感じるって本当だったのか。


学校に着くとやはり嫉妬の視線をたくさん受けた。

はは羨ましいだろ。気分が上がった。


すると下駄箱でにやにやしながら一人の女子生徒が瑠璃に話しかけた。


「二人って付き合っているの」


そしたら瑠璃はなぜか苦笑しながらそうだよと言った。 


「おめでとー」


棒読みだった。おめでたいなんで絶対に思ってないだろ。

友達ならもう少しおめでとうと感情をこめろよ。 

あ、もしかしてこんなやつと付き合うなんてあんたみる目ないねと暗に思っているのか。

確かにそうかもしれないが、今はだ。すぐにふさわしい男に変身してやる。


俺はボーとそんなことを考えていたので江和場きをはきかえるのが遅くなったの女子生徒とわかれたあとも俺のことを待ってくれた。

何て優しいんだ。

俺はすぐに上履きにはきかえた。











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