21話 またしても、やってしまった
私の手にした武器はこの前ドラゴンの首をぶっとばした
銃口を足元の石の台に向け引き金を引く。足元の石は砕け散り、私が浮遊したときに肩に衝撃を受けた。浮遊して体の位置がずれなければ、首が飛んでいただろうという攻撃魔術だった。
魔力が自由に使えるのであれば問題はない。浮遊してある『治癒の腕輪』『身体能力向上の腕輪』『魔術耐性の盾』を装備する。
『異分子の逃亡を阻止し仕留めよ』
青い髪の女性の声が辺り一帯に響きわたる。
どこに潜んでいたのかというぐらいのエルフが出てきた。え?ここまでするの?魔術を一斉に放ってくる。
流石のユーフィアさんもここまでの魔術師から攻撃を受ける想定はしていませんでしたよ。盾はもつでしょうか。
攻撃を受けてどれぐらい経ったでしょうか。魔術耐性の盾もそろそろ限界がきそうです。ミシミシと嫌な音が響いています。
盾の両側にガトリングガンを設置して自動照射していますが、物理防御もされているのでしょうね。
これはもうやっちゃっていいですかね。ここまでされたらいいですよね。全部で100個すべてを使用しましょう。専用の筒に入れ50個ずつ発射。そして、私は地面に伏して数枚の耐熱、耐物、の盾で自分の周囲を囲み衝撃に備えます。
「すべて撃ち落とせ」
と声が聞こえますが、こっちは内心ドキドキが止まらない。やっぱり100個はやり過ぎたかな?
発射した魔道具に次々と攻撃魔術が当てられているようで、爆音が響いています。最後の方は連鎖爆発起きていませんか。爆音と悲鳴が響き、盾の隙間から熱風と衝撃が伝わってきた。
ヤバイヤバイ。やっぱりやり過ぎた。耐熱の盾を通り越してこんなに熱いなんて想定外。
音が止み、盾から這い出てみれば、ああ、夕日が目にしみます。目の前の惨状に私は現実逃避をしてしまいたいです。やはり、100個は多すぎました。ニトログリセリンの科学式を魔石に書き込んだ物を100個投げてみましたが、建物は壊れ、エルフがその下に埋もれてしまったようですが、生きていますでしょうか・・・。
「ユーフィア!」
現実逃避しすぎてクストさんの声まで幻聴で聞こえるようになりました。
「ユーフィア。無事か」
あれ?目の前にクストさんがいます。
「クストさん?本物?」
「ユーフィア。よかった無事でよかった。」
クストさんに抱きつかれました。
「どうやってここへ。」
「このシャーレン精霊王国に確実にこれて転移をできる人物に頼み込んだのだ。あの、クソ勇者がゴネテ説得するのにこんなに時間がかかってしまってすまない。怖かっただろう?」
「勇者?」
「聖女様に頼み込んだのだ。」
「聖女様が来ているのどこに!」
「え。あっちに・・・」
「聖女様お願いが!」
「俺より聖女の方がよかったのか?」
あ、またすねそう。
「クストさんが迎えに来てくれてとても嬉しいです。この私のやらかしてしまった惨状を聖女さまに助けて欲しいのです。」
「え。これをユーフィアが・・・いったい何をしたのか聞いていいか?」
「爆発する魔道具を100個程投げてみました。」
「まじで、俺役立たず。」
「クストさん。」
落ち込むクストさんの手を取り
「クストさんは私を幸せにしてくれるのですよね。それが出来るのは、クストさんだけですよ。」
「ユーフィ「クストーめっちゃすっげー惨状やな。」クソ勇者。今いいところだから邪魔すんじゃね!」
瓦礫を乗り越えてやって来たのは桜色の髪に桜色の目をしたとても美しい女性とどこか懐かしい感じを思わせる黒髪黒目の青年でした。
「あとは任せとき、こっちでなんとかしとくわ。結婚式に水を差すなんて、相変わらずエルフちゅうのは好かんな。」
なぜ、関西弁・・・。
「マルスの魔武器作ったねーちゃん、あれには助けられたからな。これで貸し借りなしや。そんじゃ、幸せにな。」
勇者は言いたいことだけ言って背を向け聖女と共に瓦礫の山となったところへ足を向けた。
「ユーフィア戻ろう。」
「わかりました。『転移』」
景色は一変し懐かしいナヴァル公爵家の玄関に転移してきました。一日も経っていないけどやっと帰ってきた来たという安堵感で一杯になりました。
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