18話 教会とエルフ
今日は結婚式当日です。日が昇る前から叩き起こされ、体を磨かれ・・・そこまでギュウギュウしなくても良いのではないですか。必要なのですか、はあ。
その後、ガウンを着せられ、軽く食事を進められました。何でもここに帰って来るまで何も食べることが出来ないそうです。
そう言われると、たくさん食べたくなりますが、たくさん食べると吐きますよ、とマリアに言われました。そんなにギュウギュウに締めるつもりなのですか。
式は
じゃ、亜空間の魔道具で持って行っていいですか?神聖なところである教会で物を食べちゃダメ?
じゃあ、そこにいる神父さんとかはどうしているのですか!エルフだからいい?意味が分からないです。
マルス帝国ですか?エルフの神父なんて見たことないですよ。?。世界中の多くの教会はエルフが牛耳っているのですか!
エルフ主義ですか。マルス帝国の人族主義も大概だと思っていましたが、最初の聖女が生まれた国って言って、偉そうですよね。仲良くなれそうにありません。
そうして、お化粧を施され、髪を結われ、ドレスを着せられ ・・・マリア、セーラ二人係でそこまでギュウギュウに締めなくてもいいのでは?え。ちょっと苦しすぎ。全然大丈夫じゃない肋骨がミシミシいってる。はぁー。
無事に着ることができました。一瞬、殺されるかと思いました。
マリアから入室の許可が出されたクストさんが入ってくるなり
「ユーフィア、綺麗だ。」
「旦那様落ち着いてください。」
「駄犬。待てです。待て。」
両手を広げ、抱きつかれそうになったところをマリアが後ろから羽交い締めし、セーラが犯人を取り押さえる用のさすまたでクストさんを押さえいました。
青色の礼服に、いつも下ろしている前髪を後ろに流しているので、何時もより目付きの悪さが目立っています。思わず口からポロリと・・・
「侵入者の確保?」
「「ブッ。」」
「え?」
マリアとセーラがぷるぷるしながら、笑うのを我慢してるようですが、もう吹き出していましたよね。
クストさんは呆然と立っています。私の呟きは聞こえなかったと思いたいです。
結局、聞こえていたクストさんを慰めながら、馬車に乗り込み、教会へ向かいました。中央地区にある教会へ向かいます。王都メイルーンには各地区ごとに教会があるそうで、第一層にあるの中央教会は主に貴族が祈るために使われるそうです。
馬車からの風景を眺めながら、私はここに来てから逃亡劇を行ったあの日以外、アパートメントからもナヴァル公爵家のお屋敷からも王都の街の中に外出ていないことに気がつきました。
唯一、外出したのがドラゴン狩りというのは、自分でも引きこもり過ぎたと思いますが、何不自由なく暮らせていたということですね。ナヴァル公爵家の皆様にはよくしていただいております。
本当にウォルス侯爵家のときとは大違いです。領地の行き来はもちろんのこと、コルバート領で作っていた魔道具の打ち合わせ、やはりサウザール公爵様のお呼び出しが一番多かったですね。あのときほど転移を使えてよかったと思うときはありませんでした。
教会の姿が見えてきましたが、マルス帝国の聖堂教会と少し雰囲気が違います。マルス帝国の聖堂教会はギラギラとした感じをうけましたが、こちらの中央教会は重厚感といいますか、威厳というものでしょうか。そういう感じをヒシヒシと感じます。
そして、教会が近か付いてくるほど隣のクストさんが緊張していくのをヒシヒシ感じています。そんなクストさんを一緒に乗っているマリアが見て、段々顔が怪訝な感じに歪んでいっています。何かしでかさないか心配なのでしょうか?
馬車が止まり、扉が外から開けられました。先にクストさんが降り、続いて私がクストさんの手を借りて降ります。
目の前にはエルフの女性と男性が一人づついらっしゃいます。生エルフです。はじめて見ました。色素が薄い感じで儚げな美しさですね。
エルフと言えば金髪碧眼のイメージでしたけど、女性の方は薄い水色の髪と目でほっそりとした体型で、守ってあげたくなる系ですね。
男性の方は薄い紫にの髪に青い目・・・まつげ長!体格で男性とわかりますが、女装いけますよね。
そんな二人に案内され教会の隣の建物に案内されました。二人別々の部屋に通され、時間までここで待機するらしいです。
マリアが先程の女性に呼ばれ出ていきました。はぁ。一人にされてしまって、なんだか緊張してきました。喉も乾いてきたと思っていたところにドアからノック音が聞こえます。返事をしますと、先程のマリアを呼び出したエルフの女性が茶の用意をして戻ってきました。
丁度喉が乾いていたのです。一口飲み・・・?あれ、教会は飲食禁止ではありませんでした?
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