25話:『和平』


スー:「怒られちゃった」





ちょっと照れながら、少し嬉しそうに言った。

スーの毒気は消えたみたいだ。もう勇者なんて眼中にない。

そのまましゃがみ込んでしまった。




勇者:「提案がある」




緑子を見て言う。



勇者:「人間とゴブリンの和睦に協力してくれないか?」

  :「私達人間がしてきたことは謝る。終わったら殺されてもいい。この通りだ」



似つかわしくない土下座を披露。



緑子:「和睦、、、」



緑子は感情を押し殺して、現在の状況を考えた。

争いが続けばゴブリンが滅びるのは必死。

だとしたら、勇者と手を組み、和平協定を結べたのなら、、、。




勇者:「私の王様がこの事実を知ったら、きっとゴブリン同等の存在だと認めると思う」

  :「少し野心家ではあるが、所詮見栄っ張りだ。人類で初の、ゴブリンとの和睦に成功した優しい偉大な王になれると説得すれば、、、。あるいは、私の名前を使ってでも。こう見えても王国で知名度が高い。事実を公表し、ゆっくりと和睦賛成派を集めればなんとかなるかもしれない。あるいは、、、、」



勇者を殺したところで、

今の状況は変わらないだろう。

両刀の狂戦士様ももう、、、。戦いたくはないだろう。

魔女様も、、、。

そうとなったら答えは一つ。


こういう結果も悪くはないのかもしれないな。




緑子:「分かった。協力しよう」

  :「3賢者様もきっと説得してみる」

  :「さぁ」



緑子は勇者に手を差し伸べた。



勇者は土下座から立ち上がり、

しっかりと手を握った。



ピーチ:(なんか、こういうのって良いな)



1つの時代が終わり、新しい時代に変わる音がした。








・・・


・・・・・





緑子と勇者の行動は速かった。



緑子は直ぐに3賢者の説得にかかる。


3賢者A:「今の状況からみたら、仕方ないかもしれない」

3賢者B:「人間との和睦か、、、。まぁ悪くない」

3賢者C:「両刀の狂戦士様と魔女は、やはり希望の光であった」


3賢者は承諾した。




ドラゴン様には、洞窟から出た後にこういう結果になったと伝えた。



ドラゴン:「勇者。貴様は変な奴じゃからのー」

    :「変な奴だからこそ、和睦という考えが生まれるのかもしれないな」

    :「わしは長生きしすぎている。今更何言う権利もない」

    :「今の世のことは、貴様らが好きにすれば良い」

    :(長く人間を恨んだこのわしじゃったが、和睦も良いかもしれない。なんて思うとは、、、。それくらい果てしない時間を生きてきたからのう。ゴブリンと人間の新しい時代を見守るのも、悪くはないのかもしれん)



こんな感じだった。





・・・





勇者は考えていた。

どうすれば、王様を説得できるのかを。

スパ子に直接会えば1番効果的だと思うのだが、、、、。



ピーチ:「どうしたの?」

勇者:「いや、なんだ。王国から一瞬でスパ子の元へ行ければ良いのになと思って」




















ピーチ:「出来るよ」

勇者:「え?」

スー:(なんでこの女は最初から言わないのだろうか、、、)






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