第10話 楽しい食事に 贈り物

風呂で湯浴をしてから 今度は薬師の診察


その後 部屋が決められて 臨時の荷物が選ばれて 運びこまれる


豪華な宝飾品に 美しい絹の服


髪飾りをして 服をまとい 案内されて


アジェンダと食事をするアリシア


「味はどうかな?」

「とても見た目が華やかでとても 美味しいです 本当にありがとうございます」


にっこりと笑うアジェンダ


会話を楽しみながら アジェンダは酒豪らしく かなりの量の酒を口にする


「では また 小競り合いがあって そちらに行かねばならない

明後日には戻る」


「はい」 


「ではお休み 寝付けないなら 薬師に軽い薬を用意させる

それか 妹のシルフィニアは温かいミルクが好みだったか」


「御任せします」「わかった」


アリシアにそっとキスをするアジェンダ


「あ・・」赤くなるアリシア


彼女が部屋から出てゆくと 薬師とクインの報告を聞く


「アリシア姫は 長年 下働きの奴隷として

暴力と過労 それに必要な栄養を取れずに

いましたので 

食事療法と薬が必要です 

まだ婚姻しての初夜を迎えるのは 身体の負担がとても重いです」

薬師の答え


「・・・まだ少女だ それにあの身体だから 予想はしていた」


「王 東の小競り合いですが 村の2つが犠牲になりました

住民の多くは救い出しました」クイン


「重傷者や孤児 老人などは 母と私が創設した癒しの神殿に

預けるがいい それと医術などに秀でた者達を東へ」


「ああ、姫の家庭教師も必要だ」


「はい 王」


「王様 テイエスの花のお茶をお持ちしました

それとお薬も・・」今度は女官の一人


「ああ、有難う」


「発情期の発作を抑える薬ですか

必要なら 一流の高級娼婦なども呼び寄せますが」


「祖父になる先々代の黄金の黒の王の御趣味は・・」


「理解はする だが・・」「それなら子供が生まれる事もない」

半開きの瞳で宙を漂い見ながら答えるアジェンダ


「確かに 発情期になった者達の騒動や事件は多い 正気を失う事も

その事で怯える妻などもいる」


「長年 薬や茶に頼りがちだな」ため息


「・・・私が愛した白の姫 妖精のような儚げなリーヴニア姫は

彼女の婚約者だった私の従弟のアラムと共に 自害した


私が母 エルテア女王を毒殺され、妹を白の宗主に惨殺されて 

敵国の人質だった彼女と弟のようなアラムを追い詰めてしまった」


「この世界にいた もう一人の片眼の火焔の瞳 私のアラム

それに美しいリーヴニア姫」


「・・・必要ない アリシア姫といずれ婚姻する」


「アリシア姫を側室に?」


「彼女は王族の血を引いてる 日陰の立場にはしない」


「しかし それは 

やはり問題になると思います 周りの大貴族が・・

それに発情期の発作は・・」


「・・・敵を数百人程 殺せば おさまる」


「王・・・」 「もう休む 後は頼んだぞクイン」



そして次の日の朝


アリシアの方は


早速、次々と訪れた王室御用達の商人達が

持参した数々の高価な品物の山に


ただただ、驚いて…どうしていいか、分からずに戸惑っていた


今回は女官達が気を利かせ

それぞれ品物を見定め選んでゆく


絵を描くのが好きなアリシア 

父の罪に巻き込まれ 奴隷になる前は母に手習いしてもらっていた


絵の道具や紙などは、扱える画材をアリシアから

女官が聞いて、商人と相談して決めた



本の山にも…同じく

アリシアは混乱気味


やはり女官達が選んでゆく

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