第5話 貴族の姫に・・そして危険

「え!」人買い商人や店の者達が 王の言葉に戸惑う


「黒の王が この奴隷の下働きの娘を・・」 「まさか、そんな」

小さな呟きが漏れる


「い、いけません王様

罪人で奴隷の娘を王宮に入れる気ですか?」


付き従っている部下の一人が慌てて止めに入る


「私に逆らわない方が良いと思うがな…


気質は誰より激しい火焔の世代

この冷酷な火竜王、火焔の王アジェンダに…」


赤い瞳が燃え上がるように輝き 恐ろしい形相で睨みつける


「は、はい 我が主」

勢いに飲まれて 小さな声で答える部下


「あ・・はい、わかりました」

店の者達も慌てて言葉を口にする


「そなた、名前は?」

優しい表情で問い掛ける アジェンダ王


「あの、アリシアです」


「そうか、良い名前だ」


「今、王命を下す…彼女は奴隷の身分から解放して

黒の貴族の姫の称号を与える」


「私は急ぎの要件がある

お前達…それに私の部下の一人タルスよ」


「この愛らしい姫を王宮に連れてゆけ

部屋に衣装など必要な物を用意せよ」



「ああ、アリシア姫付きの女官達も・・」


「では、また後でなアリシア姫よ」



「は、はい…」


突然の出来事


美しい火焔色の瞳の素敵な青年の王が私を美しいと…


ああ、信じられない


街道を高級娼婦館から王宮に到着先を変更して進みゆく


だが、そこに思わぬ危険が待ち受けていた

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