切なさの濁流

 僕の開催している自主企画では、時間短縮や公平性のために1万字を超える作品は、それ以下でキリの良いところまでで打ち止めにし、レビューを書かせていただいています。
 しかし、よくないことでしょうがこの作品は最後まで読んでしまいました。
 ゾンビ病に侵され、隕石の衝突による滅亡が迫る地球が舞台となった連作。
 概要にも書かれている通り、全体を通しての印象は「切なさ」で、名前もわからぬ登場人物同士の切ないエピソードが、飾らない透明感のある文章で綴られています。
 また、作中におけるゾンビの設定もよくあるゾンビとは少し違い、その違いがまた切なさを加速させます。
 全9話必読。
 執筆お疲れ様でした。