第25話 秋大制覇!そして凍夜から初めての告白

保健室に運ばれた凍夜。ケガは大したことはないが、周りが騒いでるので

凍夜が落ち着かせたのだが、どこから聞いたのか野球部員達とめぐみが

やってきてさらに保健室はさわがしくなった。


「ちょっと凍夜」

「心配するな。何も問題ない」

「でも」

「こんなの明日には治る」

「お前がケガしたら俺ら勝てなくなるんだぞ」

「おい、今のお前らがそこまで弱いのか?俺がいなくてもそこら辺の

奴らになら勝てるだろう」

「そうだが、甲子園ではまだまだだぜ俺達」

「だったら、そこで勝てる様にまた訓練が必要だな」

「お、お前の訓練か」

「の、望むところだぜ」


と言っているが部員達はできればしたくないという顔をしていた。

そうしてちょっとした騒ぎはとりあえずひいてたが、めぐみは

凍夜を病院に連れて行った。


「ま、これぐらいなら大丈夫よ」

「本当ですかお母さん」

「ええ。それにこの子ならある程度の事じゃ影響はないでしょうからね」

「それならいいんですけど。それにしても、凍夜らしくないわね。状況は

聞いたけどそれであなたがケガするなんて」

「ああ。俺にとったらケガよりそっちの方が問題だ。その時はあいつが

危ないと思ってとっさに動いちまったからな。攻撃をはじき返せなかった」

「それはあなたが優しくなったからよ」

「俺が優しく?」

「でなきゃあなたが女の子をかばうなんて事、部活に入る前のあなたじゃ

しなかったと思うわ」

「確かにそうだな。なんか最近は他の事を考える様になってるからな。今までは

俺を含めて全てを否定してきたからな。どうなったんだ俺は?」

「あなたはそれでいいのよ。それと、今は自分だけの体じゃないんだからね!

めぐちゃんの旦那なんだから」

「お母さん」

「まぁそうだな」

「じゃぁ痛まないように子作りしましょ」

「結局それが目当てか」

「私も孫の顔が見たいわ凍夜」


早苗に押され凍夜は子作り活動をした。それから翌日、凍夜は教室で

ケガをした原因の男子から何度も謝られてそれを許した。

監督の洋子にも報告はし、大丈夫だという事は伝えた。


学園祭最終日の二日目も凍夜のクラスは大盛況で、凍夜はメインを執事の方に

し、そのせいで普通は男子の客が多くなるメイドだが、9割が凍夜目当ての

女子達で埋まっていた。


今日は何事もなく済み、夜に行われるキャンプファイヤーで凍夜は

クラスの女子達と、最後にめぐみと一緒に踊った。凍夜が何かするだけで

全ての人が注目をした。

そうして凍夜の初めての学園祭は終了した。


それから普通の日常に戻り、野球部は秋大会に向けて練習を再開し

凍夜の地獄の訓練が部員達に待っていた。


そのおかげもあってか、部員達はたくましくなっていき、練習試合でも

凍夜なしで勝つ事ができるようになった。

そうして時間は過ぎ、いよいよ秋大の時がやってきた。


ここで勝ってセンバツに入り、夏に向けて行こうと碧陽野球部は考えていたのだが

この秋大では凍夜を温存すると監督が言った。部員達も凍夜に負担はかけられ

ないと思っているので自分達だけで勝つぞと意気込んでいた。

試合が始まる前、秋大は普通そこまで盛り上がる大会ではないがマスコミ等は

当然凍夜目当てに集まり、スタンドも客はほぼ満席になる。


しかし、スタメンに凍夜の名前はなく、球場にため息がもれるが、ベンチには

いるので出てくるだろうと思い、試合を見る。


でも、試合が8回になっても凍夜が出ず、客達が帰ろうとした時、最終回の

守りで凍夜が守護神として出てきて球場は盛り上がった。本当は出したくなかった

が、思った以上に客がいたので洋子はしかたなく最後に凍夜を出した。

その最後の三人だけで凍夜は客を盛り上げられていた。

当然、全て三振にしてゲームセットになり、凍夜が参加しなくても5点を

取り、碧陽は快勝した。


その後も凍夜はラストに登場する形になり、それが話題にもなった。


そうして何事もなく碧陽は勝ち続けて秋大を制覇した。

ここからは来年に向けてになるので、部活もほどほどな感じになるので

凍夜は参加せず病院で過ごす事にした。


「どうしためぐみ」

「なんか凍夜がどんどんすごい人になってく感じでさ。私なんかでいいのかなって」

「変な事考えるな。お前じゃなかったら今の俺はない。俺は、どんな事があっても

お前を離さないぞ」

「凍夜」

「俺の生きた証を残す。お前の中にな」

「うん。絶対残してあげる」


始めて凍夜からめぐみに告白をした。

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