お菓子作ってみませんか?
鬼無里 涼
第1話 クッキー
手作りお菓子の定番、クッキー。
ご家庭によって味も違ってきますよね。市販されているものもまた然り。
たまにはちょっと、お菓子でも作ってみませんか?
私が小学生の頃から作り続けているアイスボックスクッキーを紹介しますね。
どこに持って行っても最後には奪い合いになる美味しさ。騙されたと思って挑戦してみてくださいな。
ではまず基本のバニラ生地から。
【材料】
薄力粉 540g
バター 350g
粉糖 110g
バニラエッセンス 少々
まずは粉類をふるいにかけます。薄力粉は3回、粉糖1回。ふるう回数が多くなると、それだけ口当たりが良くなります。
バターをボウルに入れ、泡立て器を使ってちょっと白っぽいクリーム状になるまで混ぜます。バターは有塩・無塩どちらでも大丈夫。個人的には有塩のほうが美味しいと思ってます。
バターは完全に溶かしてしまうとフレッシュな風味が死んでしまうので、湯煎はおすすめしません。常温で柔らかくしておくのがベスト。もしくは固いまま、頑張ってクリーム状にまで持っていってください。しっかり白っぽくなるまで空気を混ぜ込んであげると、口の中でとろける幸せを味わえます。
クリーム状になったバターに、粉糖を2~3回に分けて加え、混ぜていきます。一気に入れるとボウルの外に粉糖が飛ぶ飛ぶ……。
粉糖が混ざったらバニラエッセンスを適当に数滴混ぜてあげてください。
最後に、これまた数回に分けて薄力粉を混ぜていきます。ベチャベチャだった生地が、だんだんしっかりまとまっていくのは快感。ひとまとまりになったら、ラップに包んで冷蔵庫で1時間以上休ませてあげてくださいな。
これで基本のバニラ生地が出来上がりました。
さて、それでは今度は味つけしていきましょうか。割合は以下の通りですが、何せバニラ生地は1kgありますのでね。お好みで何倍かに増やして作ってみてくださいね。
【ココア】
バニラ生地 70g
純ココア 5g
グラニュー糖 5g
水 少々
ココアは散りやすいので、ココアとグラニュー糖を計量したらそこにほんの少し、それこそ小さじ半分以下でいいので水を加えて練ります。それをバニラ生地にムラなく練り込んでいきます。
苦くなりすぎない、程よいココアが美味。
あ、水を含むとグルテン発生で、混ぜていると生地がベタベタ柔らかくなります。
【抹茶】
バニラ生地 70g
抹茶 4g
グラニュー糖 5g
抹茶は粉のままグラニュー糖と混ぜ、それをバニラ生地に練り込んでいきます。こちら油断すると粉吸って
こちらも苦くなりすぎず、けれどもしっかり抹茶の味わい。抹茶香料とは別物の味です。水を加えない分、生地もベタつかず、ザクッとしたグラニュー糖の食感も残って美味。
抹茶もココアも直径3~5cmくらいの棒状に伸ばして、同じように伸ばしたバニラ生地を準備。ラップに包んで15分くらいの寝かせたらそれらを縦割りし、断面に溶き卵を塗って接着。それを4~5mm厚に輪切りして焼いていきます。
それぞれの生地を組み合わせて、自由にいろんな形のものを作っても面白いと思いますよ。
残りのバニラ生地はどうするかと言いますと……。
【ラム】
ラムホワイト 大さじ1
粉糖 20g
これをよく混ぜてシロップを作り、焼きあがった直後の熱々のバニラ生地にハケで塗ります。ラムがなければ、ブランデーも可。
バニラ生地の形は適当で大丈夫です。私は他と同様棒状に伸ばして輪切りにします。
味はちょいと甘めで、ほんのり香るラムがまたいいのですよ。とにかく、これが一番人気!
さてさて、最後は大事な焼きの工程。
オーブンを170度に余熱し、18~25分くらい焼きます。味つき生地にもバニラ生地を半分つけているのは、焼き色を見るため。バニラ生地がきつね色になったらOKです。
いけない。焼くと生地が少し膨らむので、びっしり敷き詰めないほうがいいです。
オーブンがなければ、フライパンでもいけますよ。
フライパンにクッキングシートを乗せ、そこに焼きたい生地を並べます。弱火で片面を20~25分、焼き色がついたらひっくり返して25~35分、蓋をして焼いていきます。
菜箸で軽くつついてみて、危ういほどの柔らかさを感じなくなったらOKです。
そうそう、先日これを100%米粉に置き換えて作れないかと相談されましてね。実験してみました。
――結論。グルテン大事。
もー全然まとまらないの米粉ってば!
バター2割増でようやく塊になってくれましたが、口に入れると噛まずにサクホロ、溶けていきます。
介護用おやつにはいいかもしれませんが……小麦粉にはないザクッとした粉感が口の中に残ります。ちょっと惜しい。
もし米粉を使うなら、グルテン追加か卵をつなぎに使うかすることをおすすめしますよー。タンパク質は偉大です。
ではまた次の機会に。って、次あるのかなぁ……。
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