氷の世界

午後から降り始め 先程迄続いた雨が

気が付くと雪へと変わっている


透明な液体が 真白な固体へ


冷たい雨が

更に凍てつく雪へと変わり


肉体が 体温を失い

ただの肉塊へと変じ

白い白い雪に 埋もれてゆく


真白な固体が 透明な固体へ


流れ落ちた涙が 氷塊と化し


其処だけ 時が止まる


ここは氷の世界


その中でも

抱えたこの想いは 生命の灯火となって 赤々と燃えたぎり


いつかいつかきっと訪れる 氷解を待ち望む


雪の下で耐えている 蕗の薹の様に…

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