第23話

妹に笑われ②


そんな大切な自分の手のり桜雄文鳥を奪われた妹は部屋にポスターをはるくらいあるアイドルユニットとあるアイドルユニットに夢中になる。当時、ほぼ夢を見ることなく熟睡派の私は大音量でユニットの音楽を楽しむ彼女に何度も何度もボリュームを下げる様にお願いしたのだが、その願いは叶うことはなく、寝つくまで毎日イライラする私だった。きっと姉と母にべったりな私を見下して居るんだとその時は必死で耐えた。私達は彼女が幼い頃から飯事に夢中だったから。でも私はさびしんぼうだから、そんな妹と漫画を合作しようと計画をたてた。キャラクターデザインまでは何とか出来た。

それを絵コンテも無しに姉が部活でミステリーのリレー小説を書いていた様に、その事に嫉妬していた私は、ぶっつけ本番で自由帳にキャラクターを書いて速攻終了した。どちらも文鳥が好きなのに、文鳥の話題で盛り上がる事は無かった。だから私はまた母の精神的介護に励むのであった。妹はアイドル(ボーカル)からボランティア漫才に興味を抱く様になった。ネタを作って友達と合わせたらしい。下ネタしかないけどと笑っていた彼女はお笑い番組を真剣に見る様になった。批評家の様だった。私も人の事が言えず、少女漫画や少女小説に姉相手に毒舌をふるっていた。重箱の隅をつついて「何で、こんな事に気づかないの」と言わんばかりに偉そうな態度をとっていた。付き合わされた姉は私が咀嚼した「帝都物語©荒俣宏」をお薦めされるのであった。私は加藤も正義の味方達もどちらも応援して居たので、かなりコミカルなイメージを与えたと思われる。阿呆の私はいい気になっていた。そんな二次元を楽しむ私達姉妹を呆れているのが、妹だった。妹は色素の薄いアトピー体質だった為、思春期に顔、身体中にアトピーをはべらせ、痛々しい姿でいた。学校では赤毛が「染めた」だろうと、酷い誤解を受けていた。私がつけた「ちゃろみ」や「けみ」というあだ名を嫌った。母が私ら年子の姉妹には厳しい躾をやり過ぎたと反動で放任主義で居るから、大阪府警少年課勤務の父は非行少女にしない為に、おこづかいを沢山妹だけに与えていた。反対におこづかいが月ワンコインな私ら年子姉妹は、買いたいものを我慢していると、自分らの事を誇る様になった。車の免許も私は自腹で取得した。姉と妹は父が負担したのだが、今、私は病の為に、免許失効で通院する身に落ちぶれたから、妹の車に乗せてもらえる幸運に身をおく「新型コロナ旋風」だった。

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