ぬいぐるみ

第6話

ぬいぐるみ①


幼い頃、まだ妹が生れる前に父から誕生日プレゼントに兄弟二人でくまのぬいぐるみをもらった。

それ以降の誕生日にはディズニーのアニメのフルカラー絵本になるのだが。私は2枚だけフルカラーの模写をしてみた。難しかったので宝物の一つにしている。

そしてぬいぐるみの話だが、顔のパーツが左右対称な黄色の熊を「きいろい」顔のパーツが歪んでおり、後に無くした目玉の代わりにボタンを母につけてもらった桜~桃色の熊を「ももいろ」と私が名付け「きいろい」は姉のモノ。「ももいろ」は私のモノって決めた。今では真逆なのだが、当時の私はその色が大好きだった。(今は姉がその色とブルーを好いているのだが(笑))二つはどちらも男の子という兄弟という設定にした。人間に化けることが出来て、その名前は「ゆきひろ」と「ゆきひこ」だった。「ゆきひろ」はお料理上手で三ツ星レストラン顔負けの繊細な洋食屋さんが開ける程の腕前だった。「ゆきひこ」は絵が上手でモデルを見ながら、写真さなかに描く事を得意とした。彼らは普段の熊の姿(「きいろい」と「ももいろ」の姿)の時は他のぬいぐるみの世界に熊として幸せな生活をしているのだが、人間の姿(「ゆきひろ」と「ゆきひこ」)に変わった時は、選ばれしアイドル達と月面基地で優雅に住ごしている。

「ももいろ」は「きいろい」を一番大切に思っている。「きいろい」は大人びていて本音をさとらせないから「ももいろ」はポジティブに考えていた。オーラバ(c)若木未生著のきーさんに似てる「ももいろ」ろーさんに似てる「きいろい」

どうか二人の様に、問題が起きません様に。


そして、彼らには他にも姉妹のぬいぐるみがいた。「みずいろ」と「あおいろ」と「こんいろ」の3匹だ。普通サイズで飾り気の無い「ももいろ」と「きいろい」は同じ型紙で、小ぶりでお揃いのポシェットをかけてるポッチャリだけどお洒落な「みずいろ」「あおいろ」「こんいろ」が同じ色で型紙だから、姿は随分と違う。彼女達は、まだ人間に成れず、熊のぬいぐるみのままだが、人間になった時の名前はもう授かっていた。順に「みい」と「みゆ」と「みや」だった。「み」の意味はみんな「美」をかけている。本来は「美夜」「美夕」「美井」と表記しそうだがJS~JCをまたぐ私「まき」達は、テープもまわさずに飯事してるだけだから、漢字の意識が薄れた。そんな遊戯に二人で耽っていた。

妹が熟睡中も。

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