時代劇、ラブコメ、ミステリ。全ての要素が奇跡的にふわっとしている。

時代劇要素は絵面のイメージを補助し、
ラブコメ要素は人物の印象を強化し、
ミステリ要素は物語の縦糸を補強する。
だからこそ、各要素がふわっとしていながらも、スルスル読めてしまう。

加えて「家老」という言葉の持つ迫力。
「家老を斬ろう」
「家老は帰ろう」
「家老を慰労」
本文中に存在する言葉も、存在しなかったはずの言葉も、同じ深さで脳に刻み込まれる。

そして残るのが、奇跡のような読後感だ。

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