第3話 家老、イチャつく

久利呉藩くりごはんは東北地方に位置する小藩である。

お上からの命令により、江戸に藩邸宅を作らなければならない。

武田弥七かろうは若くして江戸の藩邸の代表者であった。


「ねえ、弥七クン、カラオケ行かない?あゆゆの新曲歌いたいんだよね。」

「いいよ、行っちゃおう~。」

二人の空間を展開されて藩邸の者たちはたまったものではない。

代表者はむしろいないほうが仕事がはかどるので大半は「はぁ~。ご家老さまにも春がきたんだね~。」と歓迎気味であった。



「普段は真面目に仕事してたんじゃよ?」

ええ、ええ、そうでしょうとも。




「るりっぺはいいのかい?私とは二回り近く年が離れているのに、一緒にいて。」

「歳なんて関係ないよ。弥七クンは弥七クンでしょ。」


るんたったと二人で繁華街へ消えてゆく。


「くう~。アツアツでござるな!」

「ここまでうまくいくとは思ってなかったでやんす!」

「いいことじゃないですか。仕事は進んでますし。問題なしです。」

「拙者も彼女が欲しいでござるぅぅぅ」

「僕もでやんすぅぅぅ」

「いや、いや、そこですか。」

「勘九郎はいいでござるな!許嫁が国元で待ってるでござるもんな!」

「羨ましいでやんす!」

「やめてください…。小物臭が凄いですよ…。」


二人の矛先は勘九郎に向かう。カワイイ許嫁が待ってるとか、羨ましくて仕方ない。

そのうえ、仲のいい幼馴染までいるそうである。勘九郎は仕事が終わったらどっちと結婚するのでしょうね。このラブコメ主人公め!末永く爆発しろでやんす!



伝令!伝令~!!


藩邸の3人に急報が届く。


久利呉藩、筆頭家老、宇佐美憂憂うさうさ謀反。

藩主である佐竹松竹まつたけを監禁。人質として城に立て籠っている。

幕府からの指示は【待機】。状況がわかるまで江戸にいること。


3人は大慌てで弥七のところへ向かっていった

続く

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