第2話 自分の集落へ

  廃村を出て、森と草原の境界線みたいな所を進んでいる。なんとなくこっちに進まないといけない気がする謎の感で自分が住んでいる所へ何となくこっちの方向かなーという方向へ進む。

 そんなんで行けるのかって若い時にあるやん、あれ意外とできるんじゃねっていうそういう感じだ。まあ、違ったら戻ればいいから…



 ワォォォ――――――――ン!!!!


「いっつ…」ガシッ


森の中から犬か何かが雄たけびを上げてる?気になり森の方を見るが分からないし。 しかし急に頭に違和感が、ついガシッと髪を掴んだ。違和感は消えたのでしょうがない。


 気になるし、森林へ入ろうとする時だった。

 

 「あれ…何か世界がグルグル回ってる?…これ、やばい酔う。」


 やばい、世界がグルングルンしてる。バットでグルグル回ってる時みたいな感じだ。意識がもた…な……い…。


 ・・・何で俺があの草原でいたのか、アルーとしての記憶を思い出す。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 朝ごろ


 何してたんだっけ?この時…木の桶、そうだ水汲みだ。


手には木の桶、握っている…。動かすつもりもない足が勝手に動く…止めようとはできなかった、自分の体なのに逆らう事ができない、もういいや…流れに身を任せよう。


 『アルにぃ、アルにぃ、きいてよーさっきすごいきれいな蝶がいたんだよ~。』


 見つけたことをうれしそうに自慢する。青み掛かった緑色で妹のリーズ・ウェストランド・スーだ。1か2ぐらいしか年齢は変わらない。


 さて、話題を深くしようかな。簡単な質問をするか…とにかく見て分かる物だ。


「へぇ~どんな色してたんだ?」

 『んーとね 黄色と黒い模様のちょうだったよ~。本当とっても綺麗なの。』

「そうか、見てみたかったな~。俺も前すごい大きい蝶みたけどびっくりしたなぁ。」

 『そんなに大きぃのがいたの~?見たかったな。』ソワソワ

「俺も驚いたぐらいだったしな。よーし、着いたな。」


 目的の場所についたようだった。井戸の水を汲んで来いっていう簡単ないつもの俺がやっているお使いだ。ちなみにリーズは今回初の挑戦だ。お父さんと初めてやった時と教えて貰った時の、真似てやってみる。


 「よーし、これから井戸汲みをするぞ~!」

『するよぉ~!!』ピョンピョン

 「まずはお手本だ。」

『だぁ~。』


 朝弱いリーズも、少し経つ頃になるとリーズもそれなりに活発に徐々になる為、ノリが良くなってくるんだよな。

 ロープの付いたバケツを横のにした状態で井戸の底の落とし、ちょっと待ってから上げる、持ち帰る用の木製の桶に水を移し。


「これで終了っと…」

 『おぉ、意外と簡単?難しい?』

「リーズには、まだ難しいかもな。力ないし。」

 『むぅ~!いいもん、私一人でやるもん。頑張るもん。』


 つい意地悪な言い方をすると、俺が見せたお手本どうりにやっている。なんやかんや、真似しようとするのだ…できた時褒めるのがコツってお父さんが言ってたし。お父さんにやられると達成感が嬉しんだ。

 ちなみにだが、落としてる時間が長ければ長いほど入る水の量が多くなり重くなる。


 『んぅ~…重いぃ』半分くらい上がってる。

「よいしょっと……意外と水入っているな。んじゃ、せ~ので一気に上げよう」

 『「せーの!!」やった~。』

『ありがと、アルにぃ…後は私だけでやるもん。』

 

 チョロ チョロ ジョロロロ


『あわわ、あふれちゃう。あっ』ツルッ

 「あっ…」


 水の移す量が思った以上に多かったのか体を仰け反って止めようとしたら、仰け反った勢いで後ろに下がってしまい。さらに運が悪い事に、滑った。


 バシャン カラカラコロン


 「リーズ、大丈夫?」

『うん、失敗しちゃっ…たぁ~。うぅ…』

 「お父さんなんて言ってたこういう時?」

『泣かない。大丈夫だもん。』ナデナデ

 「うん。後は俺に任せとけ。」ナデナデ

 

 ハプニングに見舞われたが泣くのを我慢して、えらいと言いながら撫でて、もう一回同じこと繰り返し、俺とリーズが持つ分を確保した。





 帰っている途中、ムッキムキな木こりジョン・ジョーン兄弟に合った。この付近の住人は親戚がほとんどだ、非常に交友関係はお人好しの集まりだ。ちなみに、お父さんと親友らしいので酒飲みで潰れたりするほどの仲だ。

 

 『近くの村が最近襲われたらしい。近くにダンジョンができたかもしれないとかっていう噂があるらしいぞ。まっ噂、程度だけどな。俺も詳しくは知らん。』 

『まあ、ダンジョンの魔物なんて、我々木こりの斧で真っ二つだぜ。だが、本当に数が段々増えてるって情報もあながち間違ってなさそうだぜ。冒険者ギルドも少し疑っているが、出来て日が浅すぎて、見つけづらいのかもしれないぜ。』

 『おっ、リーズにアルじゃねえか。筋トレしてるか』

「そりゃあ、モチのロンよ。毎日20回だ。」

 『はっはっはっ、これでもかなりやってる方だぜ。子供の時なんて、遊んでばっかいたんだぜ。』

『さっき、何の話してたのぉ?』

 『おう、それはな。この集落に悪い魔物が来てるかもしれないぞ。』

『わぁ~怖いね。』

 『だが、我々ムキムキ道に敵なしだ。』ジャキンー

『まっ、大丈夫よっ、お前んちのお父さんクッソ強いしな。そうだな~もし不安だ…』

 『「あっ、また今度、じゃあね」』


 あの手の話題になると、俺はリーズを連れて速攻で離れ、帰路につく。

 下手すると話付き合ってて、昼飯にも使うので飯が無いなんて嫌だし。リーズも駄々っ子でお菓子作りで機嫌直ししないといけなくなってしまう。

 しかも、お父さんに剣や盾の鍛錬の時間が少なくなるんだ、逃げる理由になってしまう。


家に着いた。

 外見は小さく見えたが意外広い。

2階建ての家だが屋根裏もある、広さ的には海外の家と同じぐらいだ。増築でお父さんの仕事柄上…家の中から納屋と繋がってるため、その間を水置き場など倉庫の役割もしてる。

 もっとも冬場では手作りのため、隙間風が入る為封鎖するのが傷だが…


『「ただいま~」』

 『あら、おかえりなさい。お使いはできたかしら?』

『おっ、ようやく帰ってきたか。』


 どうやら、二人とも1階のリビングでくつろいでいたようだ。


 お母さん、セーラ・ウェストランド・リーとお父さん、ギルバード・ウェストランド・リーだ。

 お父さんはガタイの良い筋肉モリモリってわけではないが、さっきの兄弟がボディービルダーぽい感じだが、こっちはスポーツマンのような感じに近いな。

 お母さんは、美人だよ。ペッタンペッタンだけど、それなりに鍛えているような感じだけど、スレンダーなモデルさんみたいな感じだ。


『アル、頼みがあるんだがいいか。』

 「え~、水汲み行って来たのに?またぁ~」

『しょうがねぇな、冒険者になりてぇって言ってたろ。前に……いわゆる調査依頼ってやつだ。まっ、予行演習みたいなもんだ。できたらおこずかいやるから。』 

 「んー、じゃあ仕方ない、それなら行ってくるよ。ただ見に行くだけでいいの?何かあるの?」

『アル、それなんだけどね。これに森で取れる物が欲しいのよ。例えばこういうのとか…』


 見分けやすい、いくつかの特徴の分かりやすい薬草や山菜などだ。俺も何度か食べた事もあるような山菜もあった。


 『後はこれね。私が愛用してる鞄代わりよ、山で取れる物なら大量に入るようになってる、マジックバックよ。おまけに小さいからポケットに入れておいてね。帰る時に入れて貰えばそれでいいわ。』 

「うん、分かった。」

 『今は、野生動物やゴブリンを見ても戦うなよ。相手が、どんなやつかってのを分かってもらうためでもある。見つけたら、逃げるんだいいな。』

 「分かった。」


 その後、服を着替えて出発する前にお母さんに会った。


『アル、これも一応ね。』


 ポーションだ。効き目の良さそうな、明るい色をしている。これもポケットに入れとこう。


 出発し、森へ入った。

その後、薬草採取をしていたらとてつもない音が…


 ガォーーー

 

 その後、パニックになり…どうしたんだ…頭が…?あ?寒い


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


スゥー

 「クシュン…寒っ!」


 少し曇って太陽が見えなくなっている。森はそこそこ暗くなっていた。


「あ~ちょっと頭が痛いが動けるが、あっマジックバックってどこ…へ……ん?」


ガサッガサガサっガサッ 


 GYA?


 草をかき分けるような音が聞こえた。何かがこっちを見たように見えたが気付かなかった?地面に近いほど暗いからか?


 生き物、ゴブリンかと疑い、ゆっくり起きながら近くの木に移動し、身を隠す。

ついでに、槍は地面に置いたままにし、短剣を装備し、音を聞く。


「グギャ…ググギャ……グギャア」


 ズサッ    ズサァーー


 話してる時の声は少し低くなるようだ、でも聞いてる単語は分からん。バレてないならやり過ごすのがいいかな。


三匹の自分より小さい子ゴブリンだったので、略して子ブンだ。

 まだバレていないみたいで、隠れてやり過ごそうと思う。倒す理由もないし、怪我したくないし。どうやら、豚の逆さ吊りのように何かの動物を運んでいるように見えるが、地味に死角で見えない。


『クゥーン』


 犬?!犬だ!これは犬に違いない。異世界の犬だし見てみたい、しかも逆さ吊り状態…

つまり、撫で放題、お腹触り放題………フフッ

 ただ、それでも動く…もとい戦うには理由が弱いのだったのだけれども、様子を見る事で戦う理由が増えるのである。


 パカッ ガサゴソガサゴソ


 親から貰ったマジックバックを漁り、薬草を使った姿を見たら取り返したい気持ちが湧き出ていた。

 なお、気絶する前の聞いた声の事をすっかり忘れてしまってるアルである。


 よし、助け出そう。決めた。


 ボロボロの異世界のを運んでいたので、2匹は運んでいて汗が垂れてる所を見ると反応自体は遅そうだ。残りの1匹は警戒しているので待ち伏せをし、チャンスを覗う。どちらかと言うと、そこまで近くないから槍の方強いので装備を変える。


 襲撃するタイミングは直ぐに訪れる。警戒をしている子ブンが油断をしていたわけではないが全方位見ているわけではないし。さっきと大きく位置を変えたわけではない。

 でもこっちよりも後ろの警戒をしていたようだ。


 ガッ ズサッー


さらに前進しようと犬を抱え上げた。


 その瞬間に……


 「突撃ぃぃ」


 ダッ ダッダッ グサッ バサッ バコン ゴロゴロ


 『グギャギャ?!!』


 木陰から飛び出て、一気に胴を突き刺し、手放し奥にいたやつを巻き込む形で転ばした。


 カシャン ダッ ヒュン ザシュ


 そして、すぐさま短剣に切り替え、首をめがけて攻撃する。

間合いの感覚が少し近いような気がするも、それが功を奏したため外す事なく、当てた。


 「これでも食らえ。」


 バッ、ザァー ガコン ゴソゴソ


 『グギョーガーーーー』


 初めに倒れ込んだ子ブンが戦闘態勢を整えてる最中のやつに対し、砂を掛けたら、こん棒?木の棒ぽい何か落とし、目を擦りまくっていた。

 

 グサッ バサァン


 胴のあたりを突き刺し、殲滅完了…っと、あれ???

 槍だけだけしか残ってない?…お母さんからもらったマジックバックだけが残る…どういう事?子ブンの死体は?どこ、そういえば血も飛んでいないような。………ポルナレフ状態になりかけたが、狼を見てまずやらないといけない事がある。


 「おーしー、大丈夫だからな~」


 狼は出血が酷い、黒い犬が赤黒くなっており止血だけしたい所だ。手持ちで出血塞ぐ方法がほしい所だ、マジックバック中からお母さんに渡されたものを出した。

 布と薬草をすり潰した粉である。ちなみに収納に入っていた。

 全く気付かなかった上、あの夢を見て入ってるのに漸く気が付くレベルだ。

 

 シュン ヌリヌリ スッ シュルシュルシュルシュル クルット キュッキュ


 「こんなもんか…。力尽きて寝てるな。元気になれよ。あれそういえば、さっきの子ブン血が飛んでないし。よぉ、わからん世界だな。お腹ナデナデいいなぁ。」ナデナデ



『グギャーーーア』『グギャアアァー!』『アァァァガー!!』


 その瞬間、不意打ちで子ブンが出て来た。



 ズサン



 だが、後ろを振り向くと白く綺麗な狼が3匹の子ブンを一撃ですべて倒してた。

そして、子ブンが消滅した。モアモアって感じで消えるのか。

 こいつの家族には見えないんだけど、白と黒ってさすがに違うと思うが…というか俺よりも大きいから普通に戦ったら負けるレベルだけど、武器を構えたままだ。

 狼はこっちにゆっくり近づいてきた


 ノッソ ノッソ ペタン


 狼が前足出した。攻撃されると思い目をつぶると…


 ナデナデ


『ククゥーン』


 敵対の意志がないので、ゆっくり後ろに下がって黒い犬から離れていく、周りからグギャーなどの音が聞こえた。


 『ガォォォーーーーーーーン!!!!!』バッ

「うおっ」ダッダッダッ


 ボロボロの狼を咥えて、逃げたようだ。


 咄嗟に気迫で逃げた。それは俺も、命を危機を感じたのか、びっくりするような走るスピードだった。

 もしかしたら、行動だけ見ると賢いから、助け合いって動物でもあるんやなぁと思いながら、自分の帰る場所へと向かう。





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