第15話 少年の狩人ファリ

別の村


ファリアス達の子孫の部族


「ファリ兄ちゃん 気をつけてね これ私が作ったの」

小さな刺繍入りのタオルを手渡す


淡い水色の髪 人魚のエラの耳を持つ少女 

手には少々のウロコ付き


「有難う 俺のリリーシュ」

嬉しそうに笑う少年

瞳だけ空の青 異種の瞳 長めの黒髪を縛ってる かなり美形


「ああ、ファリ 薬草を有難う」

尖った耳 金色の髪 年齢は高いのだが

とても若く見える


「アリアお婆様 いえ、気にしないで ふふ」


「ファリ 先日みたいに砂魚狩りで

しくじるなよ 反省しろ」嫌味を言う中年の男


「はいはい親父殿 あれは敵対する部族の邪魔が入ったせいだ」


「・・言い訳せずに仕事をしろファリ

戦士として認められたのだから」

「はいはい」

ブツブツと文句を言いながらファリという少年はデイアンカに乗り

立ち去る


「・・・ファリも立派になったわ

亡くなった私の夫も母親も黄泉できっと見て喜んでいる」アリア


「・・・母上 水の儀式さえなければ

父上も妻も死なずにすんだ・・」


「ええ・・あの人は天空人の姿をした私

リリーシュを庇って敵の部族に殺されて 

ファリ達の母親も天空人の姿ではないけど

美しい子だったから浚われて・・」


「幼いファリの目の前だったそうですね

天空人だけでなく 見目良い者達も生贄の対象ですから」


「ちょうど 留守にしていた 多くの戦士が出かけてた いまだに悔やまれる」


「身体に触ります 部屋で休んでください

リリーシュもだ」


「はいお父様」

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