第4話 レイア。

 少し身体がしっかりしてきた気がする。


 ご飯もお乳だけじゃなくてお魚の身も鶏肉のささみも食べられるようになった。


 意識もハッキリしてきたし前世のことも思い出してきたけどもうこのまままったりもふもふのんびり過ごしたいな。


 そんな想いの方が強い。




 ねこになりたいな。


 そう思ったこともあったけど、その時はねこになるのも大変だろうなって思って考えるの辞めてたけど、きっと神様が願いを叶えてくれたのかな?


 今、あたし、しあわせだ。




 真っ黒もふもふのおかあさん。クロコ。


 実はその辺に居た黄色い大きなお父さん。コタロ。


 あたしはクリーム色っぽいもふもふ。ミーシャになった。


 ガッシュにいさんは黒。


 マイアねえさんは額にMの文字くっきりサバ。


 オルテは黒の縞、ちょっと黄色も入ってる? サビっぽい縞。



 最初確か同じ仲間のもふもふはいつつだったと思ったけれど、気がついた時にはよっつになってた。

 悲しかったけどそういうことなのだ、と。

 子猫の命の儚さを実感して。


 あたしだっていつ死んじゃうかわかんない。


 人間に比べ、ねこは寿命も短いし、子猫が無事成長出来るかもわかんない。


 この世界にはペット用の獣医はいない。


 日本のあの世界のように予防接種だって確か無かった。




 まあそんなこんなで少しずつ大きくなったあたしは今日はレイアと遊んでいた。


 お庭でお花を摘むレイア。


 天使のようなそんなレイアのお膝であたしは丸くなってうとうとして。


 ときどき撫でてくれるのが心地よかった。



「あっ!」


 春の風が強く吹いたかと思うと、レイアの真白な帽子が飛ばされて。


 庭の木の枝に引っかかった。


 あたしは取ってあげようとレイアのお膝をするんと抜け出し木に登る。


「あ、だめ、ミーシャ、危ないよ」


 レイアはそう心配して声をかけてくれるけど、うん、大丈夫。


 あたし今ねこだもん。


 これくらいどおってことはないもん。



 よちよち登って枝の端に引っかかった帽子のところまで来て。


 うー、どうしよう?


 あたしの前足でうまくこれ外れるかなぁ?


 そんな感じで逡巡してたら、


「ミーシャ、待っててね、わたしそこまで行くからね」


 そうレイアが木に登ってくるのがわかった。



 ああ、だめ。


 レイアこそ危ないよ。



 そう思ってにゃぁって鳴いたその時。



 レイアが足を滑らせて下に落ちた。





 あたしはレイアの帽子を口で掴むと、そのまま一気に飛び降り。


 レイアの元に駆け寄ったのだった。

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