第16話三姉妹

俺はサラリーマンをしていたごく普通の男だった。しかし今はドールのミズハ、レアドールらしい

そして……


「あ~ん、かわいい~」


こいつが俺のドールオーナー里美

どこにでもいそうな大学生だ

ドールに関しては情熱に溢れておりと金遣いが非常~に荒い


「……」


今横でなぜか不機嫌になっているのがドールのマリー、ピンク色のゴスロリが眩しい(笑)


「……なあ」

「……」

「はぁ~」


話せるのに話さない、話してくれない。ちょっとショック


「ねえ、ぽよんちゃん」

「なんです?メルメルさん」

「どうせなら私のリーリー三姉妹と撮りません?」

「いい!それいい!!」

「リーリー三姉妹?」


俺は疑問に思った


「私の姉妹よ、文句ある!?」



マリーがキレぎみで話す


「三姉妹ってお前みたいなのがあと二人もいるのかよ!?」

「お前みたいなのがってどうゆうことよ!」

「えっ、あ~それは……」

「ふん!」


マリーは膨れた、ちょっとかわいいぞ


「さあ~てミリ-とアリーよ、ミズハちゃん~」


メルメルがドールを二つ持ってくる

一つは40センチくらいのドール

もう一つは25センチくらいのドールだった


「この子がミリー」


40センチくらいの黄色のゴスロリを指さす

顔にはそばかすがあった


「この子がアリー」


25センチくらいの水色のゴスロリを指さした

よくみれば三姉妹というだけありサイズこそ違うが顔の形は同じだった


「すごい!色が違うだけで服のデザインが一緒なんだ!」

「そうなの~、頑張って作っちゃった🖤」

「作った?!すごい!」


メルメルの話に感心するぽよんこと里美


「メルメルさんはディーラーの才能もあるのね~」

「これも愛よ!」


俺はその話を聞いていて心底凄いと思った

ゴスロリって作るの大変だろ?フリルやレースたくさんだし、そもそもドール用ってちっちゃいから縫うの難しいだろ、イメージだけど


「ミリーとアリーも入れて……よし!」


メルメルがドールのセッティングを完了させた

すがさす里美がカメラを構える


「撮りまくるわよ~」

「……またか」


俺はぼやいた、すると


「ねえ……あなた……一点物でしょう?」


右横のミリーに話しかけられる


「はぁ?」

「いや……あなたそうでしょ?メイクとか服が……そうだもの。レアっ子って……聞いたけど?」

「アリーも聞いた!聞いた!」


前に座っているアリーからも話しかけられる


「レアレア激レア!感じ悪い!!」

「なんでだよ!?」

「……ふん!ざまあないわね」


左側のマリーも加わり完全にアウェイになる

俺、なんかしたか?


「なんでそんなこというんだよ?レアだとしてもどうでもいいだろ!?」

「よくありません……」


ミリーが口を開く


「私達は……量産品だもの……心の中では見下しているのでしょ……?」

「量産品!?そんなことで見下したりしてないぞ!」

「……そうなの?」


ミリーは驚いたようだ


「あの……その……ごめんなさい……」

「えっ?」

「なんか……その……勘違いしたみたい」


ミリーは申し訳なさそうに謝った


「ならアリーも謝る」

「ごめんなさい!」


勢いよくアリーも謝る、なんなんだ


「なんで二人ともこいつに……」

「あの……マリーは……?」

「謝らない!」

「……そう」

「なんか知らないけどそうペコペコされてもな~」


俺は戸惑った


「じゃあアリーに睨まれる?」

「それも嫌だ」

「おもしろーい!」

「なんで馴染むの!」


アリーが笑ってマリーが怒る、なんか大変だな


「私、アリーよろしくね!」


水色のヘッドドレスが揺れる

小さいのに良くできた服だ


「私はミリー……その……よろしく……お願いします」


そばかす顔を恥ずかしそうに赤く染める、気弱なのかな?でも好感だ


「マリー、呼ばなくていい」


なかなかのツンツンだな


「俺はミズハ、よろしく」

「俺って……はしたない」


今どきはしたないって

「いろいろあるの、俺には」

「ふん!興味ないわ」


どこかのゲームキャラか!冷たい


「わ~、ミズハもマリーちゃんも可愛い~」

「ミリーとアリーも入れて正解ね!」


ドール達の気苦労も知らずにオーナー達はきゃいきゃいいいながら写真を撮っていた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る