第10話着せ替えは大変

「どうしようかな~」


里美はご機嫌だった


「……」

「夏場に向けて服変えたいし……

でもなんかいいのないのよね~」

「……」

「う~んメルメルさんに聞こうかな?」

「……」


俺はどうしたらいい?実のところさっきから下着姿で放置なのだ

ブラジャーとパンツ、ちゃんとドール用もある凄いよな……

自分(ドール姿)の下着姿にちょっとどぎまぎしたのは言わないお約束だが


「う~ん……う~ん……」


里美は楽しそうだった、実際楽しい……?らしい……


(まぁへこんでいたのがなくなっただけでもいいのかな)


俺は少し微笑む

里美が元気ないと調子が出ない


「やっぱりこの前のイベントで買った洋服だよね!よし!」


俺はやっと服を着れた

半袖のパフリースブラウスにフレアスカートという定番?のコーデネイト


「きゃ~!!可愛い!写真写真……」


俺は何回かのフラッシュを浴びた


「次はこのパンツコーデね!」


俺はTシャツにデニムのズボンをはかされた


「可愛い!もっと男の子ぽいかっこもいいかも……」


俺はTシャツの裾を整えてもらいながら聞いていた

そしてフラッシュの嵐、パターン化している


「次はサマーワンピースね!この黄色可愛いのよね~」


また着替えさせるのか?なんやかんやで二時間は過ぎてるのに?


「ビタミンカラーのワンピース可愛いな~」


どうせ着たら写真撮るんだろ?

そう思いなからなすがままになる

黄色が眩しいワンピースの着用だ


「はい、可愛い!知ってた!」


そう言って写真を撮る、……なんかしんどいぞ俺


「次は~」

「まだあるのかよ!」


俺はつっこんだ


「夏だし水着?」


里美は無視した、そもそも聞こえてないか


「はい、セーラー水着」


俺は真っ裸になって水着を着せられた

ドール用の水着もあるのか


「可愛い~写真!」


はぁ……


「次はこっちの水着ね!」

「もう好きにしてくれ……」


俺はぐったりしながら長い間着せ替えをさせられていた



「お疲れ、ミズハ」

「おう、マリン……」


着せ替えから解放されたのは夕方だった

朝からしていたはずなのに……恐ろしい……


「かわいい服たくさん着れてよかったやん」

「俺はもう当分いいよ……」


本気でそう思った。それくらい疲れた


「なぁ、マリン」

「なんや?」

「里美は体力あるんだな」

「ははは!なんやそれ!!」


笑われた、でも本気でそう思った


「里美、あなどれない……」


俺は棚の中で寝た

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