第16話 よくぞ日本人に生まれけり!
「レストア ストレージ」
宿の自分の部屋に戻った俺は、さっそく買ってきたタライをストレージから取り出した。
「結構でかいな」
部屋の広さは15畳くらいあるのだが、それでも直径1mのタライはデカかった。
「これに・・「ウォーター」っと」
・・全然足りないね。
「・・これでやっと半分か」
30Lが4回、120Lの水を生成して、ようやくタライに半分くらいにたまった。
「あんまり多く入れると、あふれちゃうからな。」
で、次は・・。
「ヒート」
「・・・できた」
目の前には、湯気がうっすらと立ち上っているタライがあった。
手を突っ込んでみる。
「ぬるいな」
さすがに人肌の36度では、ちょっとぬるいか・・。
「でも、もう一回火魔法をかけたら熱くなりすぎないか?」
確か、ステータスには「最大」って書いてたから、温度調節はできると思うんだけど、そもそもいま現在その水が何度かがわかんないしな。
『ピコン』
鳴りましたね。
◇◇◇◇◇◇◇◇
名前 マモル
種族 人族
年齢 25
レベル 4
体力 94/104
魔力 330/400
スキル 【温泉】
〈水魔法〉
水を生成し消滅することができる。
レベル4で最大40L
消費MP1(生成・消滅セットでも片方でも消費MP1)
〈火魔法〉
熱を操ることができる。
レベル4で40kgの水を最大36度に熱せられる熱を操れる。
消費MP1
〈土魔法〉
任意の鉱物を生成することができる。
レベル4で4種類最大40kg
消費MP10
〈回復魔法〉
あらゆる症状を癒すことができる。
レベル4で軽中度~中度の傷病の治癒
消費MP10
〈収納魔法〉
時間停止で物を収納できる。
生物不可。
レベル4で宿泊部屋程度の容量
消費MP1
〈解析魔法〉
水に含まれる成分および温度を分析できる。
レベル4で上限4種類
消費MP1
◇◇◇◇◇◇◇◇
・・また追加されたみたいですね。
しかも、レベルが上がっている。
「そういえば、水魔法を詠唱していたときに音が鳴っていたかも」
温度を分析できるのはいいな。
「じゃあ、今の温度は?アナライズ」
・・34.5度。
「結構、すぐに下がっちゃうモンだな」
よし、追加の火魔法だ。
「ヒート」
・・36.5・・37.8・・39.2・・40.4・・41.1・・。
「・・42.0度。こんなもんかな」
ちょっと自分的には熱めだけど、すぐに下がるしな。
「ではでは、さっそく・・・」
俺はいそいそと、服を脱ぐと念願のタライ風呂に足を入れる。
「・・お、いい感じ」
両足を入れ、静かにしゃがんで腰を落としていく。
「・・くぅ~~~!」
久しぶりのこの感じ!
お尻までしか浸かれないけど、たまらん!!
体育すわりの体勢から、少しずつ脚を伸ばしていく。
「・・がぁあああぁ~・・・」
タライの縁に両手をかけて上を向くと、全身から力が抜けていく。
やっぱり、異世界にきてからずっと緊張していたのか、癒され感が半端ない。
俺は、タオルをお湯につけて絞ると、頭にたたんで乗せる。
「いいねえ~」
俺は、しばらく久しぶりの風呂(簡易)を楽しんだ後、水魔法でお湯を消し、夕飯を食べに行った。
そして、部屋に戻ると再び風呂(簡易)を満喫し、ベッドに入ったのだった。
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