第6話

「ねえ、あなたあのまりこって子に、本当はいいように使われているんじゃないの?普通はお邪魔する側が菓子折りを用意してくるものよ。なのにどうしてあなたが普段食べないようなお菓子までたくさん買わされてくるのよ? 」


「そんなんじゃないってば、うるさいな」


「気をつけなさいよ。高校生で一人暮らしなんて、普通はありえないんだから。彼女、実家が裕福なのかもしれないけれど、それにしても贅沢よ。うちとは金銭感覚が違っているようだから、あなたがいくら奢ってあげてもね、彼女だってさほどありがたがっていないはずよ」


「だからなんなの? 奢るとかありがたがるとか、そんな関係じゃないんだから」


「わからないの? あなたはあの子に利用されてる。見下しているのよ、あなたのこと。さっきのあの態度だって──」


「私とまりこはそんな関係じゃないってば! もういちいち干渉してこないでよ。お母さんが外に出るの許してくれないから家に読んだのに。……今度の土曜に泊まりの約束してるの。まりこの家に。もうね、うんざりなの! まりこのアパートだってうちから目と鼻の先なんだから、それくらい許してくれたっていいのにさ! 」


「だめ。あの子の家に泊まるなんて、何があるかわかったもんじゃないわ」


「いい加減にしてってば! 私、もう決めたんだからね! 」

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