言葉では言い尽くせないほど、素晴らしい物語でした。紘一の、中学校での日々はあまりにも過酷で、まさに尊厳を潰されるつらさが胸に迫り、目を覆いたくなるほどでした。それでも、ジェレミーが灯してくれた温もりに導かれるように、先へ先へとぐいぐい読み進めて、切実な感情の発露に触れることができて、本当によかった……と、ラストまで拝読した今、仄かなほろ苦さと優しい温もりがないまぜになった充足感に包まれています。
おじさんのように、紘一の窮状を一目で見抜いてくれる存在がいたことにも、紘一が生きる世界はまだまだ捨てたものじゃない、と思わせてくれるような希望を感じました。
ジェレミーの台詞にもあったように、言葉に罪はなくて、使う人次第ですよね。紘一のために両親と衝突したおじさんの姿を見ながら、ジェレミーが残した言葉は、きっと紘一の中に残り続けるのだろうなと想像しました。
心に残る物語を、ありがとうございました。拝読できて、よかったです!
作者からの返信
一初さん、最後までお読みくださり、素敵なコメントをありがとうございます!とても丁寧に読み取って下さったのが伝わります。
辛い話ばかりが続くので重たかったのではないかと申し訳ないですが、ジェレミー先生の灯した温もりやおじさんの存在に救いを見出して下さったことに安堵します。円満解決はしない、決してハッピーエンドとは言えないかも知れませんが、まだ人生が続いていく希望を最後に残したかったです。「仄かなほろ苦さと優しい温もり」がまさにそこを言い表して下さっていて、とても嬉しかったです!
言葉も裏テーマですが、どんな言語も使う人次第というのはいつも感じています。言霊といいますが、そこをいつも意識していたいものです。
心に残る物語、作者として本当に光栄なお言葉です。あたたかい星も頂戴して感謝いっぱいです。こちらこそお礼申し上げます!m(__)m
編集済
柊圭介さん ←よく桂って書き間違えます。
ベルばらは、仏の外交官が「あの漫画で自国の歴史を学びました」と原作者に挨拶にきたとか。
アニメもすごく人気で、主題歌(仏バージョン)を歌えるおばさんがそちらには多いとききます。
あの歌はわたしも大好きです。
虐待される子どもは幽体離脱するようにして、自分と自分を切り離して、遠くから自分を見つめるような視点を得るそうなのですが、いじめを受けている間、背中の家に隠れて、頭を黒い霧でいっぱいにして、殻に身を隠すようにしている紘一くん。そのあたりに、その兆候がうかがえます。
思春期の虐めは男子の方が後遺症が強いのかもしれませんね。
序列意識の強い男社会の中で最下層になるという経験。
女子は、女子としては強カードを持っているからこそ疎まれて虐められるということもありますから。性格がよくて他の子よりも可愛いとか。
当事者は地獄の門の向こうで延々と煮られているだけなんですよね。
虐める側は無罪放免で、虐められている側が変わらないといけないと云われる。
他人は変えられない。
自分が変わるしかない。
それをまだ力のない、他に逃げ場所のない中学生の子に科すのは無理なんです。
わたしならあっさり「そんな学校には行かなくてもいいよ」と云ってしまうのですが、ひと昔の頭の固い保護者は「学校に行かないなんてあり得ない」だったでしょうしね……。
エミールが気になります。
今頃プレイボーイになっているのかしら。
その年頃からそんなだと、ちゃらつきながらアバンチュールを謳歌してそうです。
押し入れではなくて、クローゼットというのですね(笑)
なんか可愛いですね、ああいう狭くて暗い空間に身を潜めてあれなことをしてるって。
世界共通の、男の子の秘密(笑)
性的嗜好を自覚している少年が共通言語をもつ優しい年上の男性に急速に惹かれていくのも雛が親を求めるような気持ちでその時は必死だったのでしょう。
『Z』はわたしも好きです~。
日本だと『かいけつゾロリ』というそのオマージュみたいな作品が幼児さんに人気ですよね。
わたしもたいがいマイノリティ側なのですが、マイノリティでいることの最大の利点は、弱者や少数派を尊重できることではないかと想っています。
以上、感想にもならない、おしゃべりでした。
作者からの返信
朝吹さん、
こちらへお越し下さりありがとうございます! 多少改稿したものの、あまり読んでもらえることはないだろうと思っていたので嬉しい驚きでした。一気に読破して頂き、こちらの詳細なコメントに感激しています。
ベルばら、自国の歴史を他国の人がレベル高く描くって感動するでしょうね。歴史の授業よりもずっと頭に入るのではないでしょうか。
エスカルゴ=かたつむりに紘一自身をなぞらえたかったです。殻の中に身を隠して息をひそめるような日常、幽体離脱とも通じるでしょうね。もろに当たったら心が壊れてしまう、一種の防御本能ですね。ここから本格的に病んでしまう子もいるでしょう。
そして男子のヒエラルキーのほうが後遺症になるのもなるほどと思いました。男は人生において社会的な位置の確保という一択しかないので、子どもの頃の位置づけが大きく左右するのも分かります。
日本のいじめのニュースを見ると、本当に加害者が無罪放免で、相手が自殺しようがなんの罪の意識もないことが恐ろしいです。
フランスでもいじめは大きな問題ですが、加害者は転校させられたり、最悪逮捕されるようになりました。被害者の方が変わらねばならない、学校を変わらなければならないという考え方はやはりおかしいです。親がどんなに子どもを守ろうとしても、学校に行くという当然の権利を犠牲にしていることには違いないので。これは行政で変えられることだと思います。(ただ日本の場合は多勢に無勢という構図になりやすいのが問題ですが)
エミールの箇所は読む方に不愉快かなと心配していました。大丈夫でしたら何よりです。同性愛者であることを明かすのにクローゼットから出るという言い方をしましたね。今はもっと堂々とできるものかも知れませんが。
ジェレミー先生は本人が言ったとおり普段なら紘一が恋に落ちる相手ではないのでしょう。でもすがるような気持ちが恋愛感情に発展するのは、雛と親のようであり医師と患者のような部分もあったかと思います。「ゾロ」って意外と有名なんですね。ちょっとほっとしています。
「キャンディ」はフランス版での通称だったのですが、別作品と思われるよりは日本のタイトルに忠実にした方がいいですね。あと享年のところも勉強になりました。こういうのを指摘して頂けるのは有り難いです!
細かいところまで目を通してくださったのが伝わるご感想、本当にありがとうございます。過分な星も頂戴して励みになります。ありがとうございました!m(__)m
編集済
圧倒的な傑作に出逢ってしまったとき、ひとは泣くことも笑うことも出来はしない、と言う言葉を聞いたことがあります。僕は今、まさにその状態です。一話一話、噛み締めさせて頂きました。そして最終話、とんでもなくでかいものが押し寄せてきました。心は唯、ぶるぶると震えております。ああ、頭より先に心なんだ、そんな発見はできたわけですが。
心のざわめきが収まらないと言葉を紡ぐことは出来そうにないのですが、絋一君には一言、おめでとうとお伝えしたいです。そんな言葉じゃ足りないのは分かっているのですが、今はこれが精一杯で。
僕の中に占める絋一君の存在が大きくなりすぎて、この物語が終わってしまうことに心がざわざわしてます。いや、絋一君は次の物語を、新たな世界を歩んでいるんだよ、と頭で心を諭してみても、心はざわめくばかりです。困ったやつなんです。
今、夕焼けを眺めながらこれを書いております。夕焼けを目にする度に、この感動が蘇ることを願ったりしながら。
素晴らしい物語を、本当にありがとうございました!!
作者からの返信
呪文堂さん、
コメントを何度も読み返してじんとしています。この小説を読んで頂くのが申し訳ないような不安な気持ちが大きかったのですが、一話一話に懇切丁寧なご感想をいただいて、どれほど励みになったか分かりません。何よりも登場人物の心情を深く感じ取ってくださったこと、筆者として本当に幸せです。
過去のことは過去として、次の物語、新しい世界を歩むというのは、自分の書いたものの中に共通しているかも知れないと、今気づかされました。ここでは終わってもまだ人生は続きますね。
夕焼けの景色とともにこの話が幕を閉じられたことがとても印象深いです。再度自分でも見直してみた甲斐がありました。感謝が尽きません。こちらこそ、本当にありがとうございました!!
途中で止められず、コメントも出来ずに最後まで読んでしまいました。
もう終始、切なくて胸が痛くて、涙が滲んできました。
近況ノートを見なければ、気が付かない作品でした。
読めて良かったと心から思います。
たぶんこの気持ちはしばらく消えないでしょう。
ありがとうございました!
作者からの返信
陽咲乃さん、一気にお読みくださりありがとうございます!読んで下さっているのに気づいてとても緊張していましたが、読めてよかったというお言葉に安堵し、とても励まされています。メンテナンスを入れて再度掲載した甲斐がありました。
目立たない作品ですが、こうして目を留めてくださり最後まで読み切って下さったことに感謝がつきません。あたたかい星も含めて、心よりお礼申し上げます。
こちらこそ、本当にありがとうございました!m(__)m
編集済
柊 圭介さま
月森 乙さまのレビューで貴作を知りました。
いままでご訪問できずに申し訳ございません。
一気に書いてほとんど直さなかったとのコメントに、思わず拍手しました。
推敲が過ぎると、剥き出しの、生の人間性が曖昧になるような気がします。
貴作のテーマをひと口で言うと、異質への拒否ということになるでしょうか。
「……やっぱムカつくわ」前半に登場した台詞がすべてを物語っているかと。
大人たち、とくに担任教師はなにやってんの!! 叱りつけたくなりました。
自分の道を探したコーイチ&作者に祝福の花束を贈らせてくださいませ。💐
作者からの返信
上月さん、
コメントをありがとうございます。とんでもない、こちらにもお越し頂けるなんてとても嬉しいです。月森さんにも感謝ですね。
実を言うと改稿するべきかどうか迷っていた矢先でした。文章も荒く拙いんじゃないかって気持ちは大きいので。ですが上月さんのお言葉で、へたに触らずにこのまま置いておこうと思いました。感情剥き出しですが、こんな作品がひとつあってもいいですよね。これでいいよって言ってもらえたように感じて、嬉しくてほっとしました。ありがとうございます。
異質なものへの拒否は、見た目だけのものじゃないですよね。むしろ中身への拒否の方が強いような。引用して下さったセリフ通り、理屈じゃなく感覚なんですね。だから厄介なのでしょう。
この話に出てくる大人ばかりではないと願いたいです。
あたたかいコメントに大きく励まされました。上月さん、本当にありがとうございます!m(__)m
柊圭介さん。
紘一くんの思春期の真っただ中の色々な苦悩が全て詰まった重くて深いテーマのお話しに食い入るように読ませて頂きました。
慣れない日本の学校で、心無い同級生の虐めにはこちらまで心が折れそうでした。
そんな中のジェレミー先生との出逢いは辛い中でのオアシスでしたね。
ジェレミー先生が去ったあとの紘一くんの爆発は、涙なしでは読めませんでした。
こんなにまでも紘一くんの心は壊れていたのに誰も分かってくれなかった……。
助けて欲しかったよね。誰か救って欲しかったよね。
時が流れて、紘一くんは自分に合った仕事も見つけて、心から大切に思える人と出逢えたんですね。
そんな時に、偶然紘一くんを見つけて手紙をくれたジェレミー先生。
嬉しいです。ずっと気にかけてくれていたんですね。
やっぱり、ジェレミー先生は救世主ですね。
紘一くんが、やっと見つけた居場所。
これからは胸を張って生きていけますね。
柊さん、うまく言葉で伝えられないけど本当に感動しました。
ありがとうございます✨
作者からの返信
この美のこさん、
この重たくて苦しいテーマの話に最後までおつきあい頂き、それだけでも感謝なのに、優しいコメントもたくさんくださり、本当に嬉しかったです。
いじめの部分はなるだけ具体的な描写をしないように、紘一が感じることだけを最低限に書くように努めたのですが、やはり生々しくなってしまって、読者の方に申し訳ないなと思っています。
ジェレミー先生は出番は少ないですが、オアシスのような存在に書きたかったです。なのでそう感じて頂けてよかった。
先生が去った後の終盤は紘一に思い切り本音を語らせたいと思いました。
一人称の物語なので目線としては偏っているかも知れません。でも彼の心情を深く感じ取って頂けて、広い心で読んで下さってとても嬉しいです。
モグラの穴は一生残ると思います。でも大切なのはこの先で、ジェレミー先生の手紙がさらにこれからの大きな励みになったのではないでしょうか。
自分が書いた中では粗削りなものだと自覚していますが、こんなに心のこもったご感想をいただき、温かい評価もくださり、すごく励みになりました。こちらこそ心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました!m(__)m
こちらもすごい作品でした。
思春期の壮絶な残酷さ。
ラストで見えた明るい光。
両親との断絶。
どれも見事に書き切っておられました。
すごい作品を読んだな、と感慨深く思っております。
作者からの返信
関川さん、
最後まで読んで下さって、本当にありがとうございます!
最初は紘一に生意気で大人びた口調で喋らせて、それが話が進むにつれ心が削がれて細くなっていくように描きたいと思っていました。あと、こういう話ではどうしても親子関係に触れずには通れませんね。近いからこそ難しい関係だと思います。
ひたすら暗い話でしたが、ラストに光を感じて頂けてよかったです。
なかなか手に取ってもらいにくい小説ですが、最後まで見守ってくださり感謝に尽きません。あたたかい星もとても嬉しいです。心よりお礼申し上げます!
柊圭介様
読み終えてしばらく、どういうコメントをすべきか迷っていました。
カルチャーショックという言葉のなんと軽いことかと。己にとっての、これはエポックメイキング。ただ紘一くんが幸せになって良かったで済ますにはあまりにも重く、自分自身に様々な影響が及んだ作品でありました。
フランスからの帰国子女、耐え難い悪質ないじめ、子どもの残虐さ、無謀さ……同性愛。地獄のような日々の中で出逢ったジェレミー先生。しかし、一縷の希望だった彼はやがて転勤となり……。
いったい、紘一くんが救われる道はどこにあるのだろうかと、長いトンネルを進むような思いで読ませていただきました。
第17話の「処刑の朝」は読むのを躊躇ったほどです。しかし、読まずにはいられずページを捲ると……内容は想像を絶する非道さ残酷さでした。
第20話「崩壊」では、紘一くんと一緒になって家を壊しました(頭の中で)。もっとやれ! と。
紘一くんの振り絞るような訴えには涙が止まりませんでした。
だけど、彼には武司おじさんがいた! どんなに過酷な境遇に置かれようと、救いは必ずあるのだと信じることができました。
いつかきっと、紘一くんが祖国は日本だと心から思える日が来ることを願います。そして、ずっと幸せでいて欲しいと。
ジェレミー先生への手紙も感動的でした。(ジョンストン・マッカレーの快傑ゾロ(角川文庫)…昔読んだことがあります。アラン・ドロンの主演で映画も観たようなおぼろげな記憶があります)
この現実世界に紘一くんが本当にいて、今もフランスで幸せに暮らしているような……そんな妄想を抱きます。
柊圭介様、素敵な素晴らしい小説を読ませていただき、ありがとうございました。
作者からの返信
ブロッコリー食べたいさん、
この物語を読み切ってくださり、誠にありがとうございます。紘一のことを最後まで見届けてもらえただけでも本当に嬉しいですが、こうして真摯なご感想も頂戴して、お礼の言葉がありません。
確かにこの中学二年の半年間のことは、紘一の人生をまったく変えるものですね。そしてこの先もこの経験が色んなことに作用してくるのは間違いないと思います。
リアルタイムではなく、半分回想のような形にはしましたが、やっぱりその時の紘一の状況をなぞる読者の方にはつらいかも知れませんね。気持ちに移入して読んで頂けるのがとても光栄であり、同時に申し訳なくもあります。
本当は直接的な場面を書くのは目的としていなかったんですが、ごまかせない部分もあって、いくつかのエピソードは特に重たいだろうと思います。最後も、今が幸せだからめでたしと割り切れないものを残していることはたしかです。その象徴として「モグラの穴」をタイトルにしました。
ジェレミー先生にしろ、おじさんにしろ、困難なときに手を差し出してくれる人は必ずいるんじゃないかと思います。それは先生のように別れる運命にあったとしても、きっと支えとして残りますよね。そういう意味ではゾロもちょっと象徴的です。
「紘一が今も幸せに暮らしているような」そう思って頂けたらすごく嬉しいですね。
改めて、丁寧なコメントとあたたかい評価をくださり、ありがとうございました!
まずこれだけの内容は、書かれる作者様のほうもしんどかったのではないかと思います。それだけ深く染みるような物語でした。作品にしてくださってありがとうございます。
日本も外国も、それぞれに良いところ悪いところありますが、コーイチくんはフランスで、パートナーの側で居場所を得られて良かったですね。ジェレミー先生に出会っていなければ、彼の人生は全く違うものになっていただろうと思うと、その節目のタイミングで手紙が届いたのは運命的にも感じます。
周りの大人たちは酷いところもありますが、こういう「想像できない」「慮れない」人たちがいるのも事実なんですよね。日本にも、海外にも。
そしてこういったことは、実際に体験した者にしか本当の意味では理解できないと、常々感じるところでもあります。
上手くまとめられなくて、取り留めのない感想になってしまいました。すみません。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございます。
作者からの返信
上田さん、
最後までお付き合い下さり、心よりお礼申し上げます。この話は読む方の側としても重たかったのではないかと思います。それだけに最後まで見届けて頂いたことがとても嬉しいです。
仰るとおり、ジェレミー先生に出会ったことは、それが問題の解決には結びつかなかったとしても、紘一の中学時代に光を差すものだったと思います。そして現在の節目に手紙を受け取ったことは確かに運命的でもありますね。そのように捉えて頂くと、結末により前向きな感触がします。
この中で描いた大人たちは極端なところもあるかも知れませんが、こういう部分は多かれ少なかれ人が持っているものではないかとも思います。
フィクションではありますが、自分の感じることを強めにぶつけるような感じで書きました。粗削りな部分もあるかと思いますが、こうして丁寧なご感想を頂けると本当にありがたいです。
あたたかい評価も賜り、感謝いたします。
本当にありがとうございました!
『モグラの穴』は一年前に読んだ時、刺さり過ぎて、ちゃんと考えるのが怖くて、自分の中で封印していたように思います。先日ジュールの返信コメントを頂いて、もう一度読んでみようと思いました。
単なる小説として読む事が出来ずに、これはフィクションなんだと言い聞かせて読み進めましたが、やっぱり読みながら足跡を残す事が出来ずに完読してしまいました。
でも逃げずに書かれた物に対して、逃げずに少しでも足跡を残そうと思って書いています。
紘一には沢山の拍手とエールを送りたいです。掛ける言葉が見つからず自分の言葉でなくて申し訳ないのですが、ジュールの神父さんが言った「君は強いよ」という言葉が一番ヒットすると思います。
大人になってから、少年時代の話が出来た事。
日本では心も体もあんなに傷つけられたのに、ジェレミー先生に言われたことを大切に日本語を一生懸命に勉強し続けている事。別の地で暮らしながらも祖国を思う気持ちは、日本で生まれ育ってぬくぬくと暮らしている私達よりもずっと強いものだと感じます。
どこまで紘一と重ね合わせて良いか分かりませんが、あの素晴らしい「ジュールの森」を完結された柊さんに心からの拍手を送りたいです。
作者からの返信
ふうこさん、この小説まで再読してくださり、ありがとうございます!
これは短い期間で書いて、ほとんど直さずに出しました。改稿して磨くと丸くなってしまう気がするので、わざとこういう風にしています。だから真剣に読んでくださる人ほど刺さるのかもしれません。
一人称の小説なのでどうしても主人公の気持ちが前面に出ますよね。なので余計尖っているのが強調されてしまっていると、今になって思います。それがいいのかどうかちょっと分からないですが……。
外国には外国の苦労がありますが、日本でずっと暮らすのも甘くないと思います。どこの国でもみんな折り合いをつけて生きてるんでしょうね。紘一には自分の思っている(思っていた)ことを端々で言わせていますが、今は外国にいて日本を遠くから見られるのは悪くないと思っています。
それから、とても励まされるレビューをありがとうございます!人生の先生みたいな人に言われたことってずっと残っているものですよね。あと、神父さんの言葉も思い出して下さって嬉しいです。
本当に、励まされてばかりで、感謝の伝えようがありません。心からお礼申し上げます!m(__)m
よかったぁー。紘一くん、ご結婚おめでとうございます!! 末長くお幸せに!
紘一くんの幸せな姿を見たら、お母様も考えが変わるかもしれません。
実は、例の『鞭とJK』時代、遊び仲間に今でいうLGBTとされる方がちらほらおりました。(当時はそんな分類があることさえ知りませんでしたが)
それを知った時も、「へえ、そうなんだね」ぐらいの感じで。ライブ会場で会えばつるんで一緒に盛り上がる、楽しい仲間でした。
ですからこの作品を読んでいて、もしかして彼ら彼女らも裏ではこんな辛い思いをしていた可能性も?……と思ってしまい、心がすごく痛かった。ずいぶん身勝手な感情移入なんですけどね。
なので、紘一くんが幸せになってくれて私も救われた思いです。ほんとうに身勝手な感情移入なんですけど。
手紙のやり取りで終わるというのも素敵なラストでした!
作者からの返信
霧野さん、最後までおつきあい下さりありがとうございます。こういう話は苦手な人がほとんどだと思うので、見届けて下さったことに感謝しています。
今は便利な言葉が流行っていますね。ひと昔前はもっと個人的なレベルだった気がします。遊び仲間の方もそれぞれ違う背景があったでしょうね。この話も個人の回想っぽいかたちで、社会に何か問いかけたいわけではないです。手紙で終わるのもその延長ですが、素敵といっていただけてよかったです。身勝手ではないです、感情移入してもらえるのは書いた者にとってはものすごく嬉しいです。
過分な星まで頂戴し、恐縮しております。
本当に、ありがとうございました!
最後まで本当に引き込まれ、熱くなってしまいました。
本当にすごいリアリティですね。柊圭介様はフランスを題材にされた作品を何作も書いておいでですが、実体験も含まれているのでしょうか。
紘一くんのこれからの人生が輝かしいものになることを願わずにはいられません。
作者からの返信
最後まで一気に読み切って下さり、ありがとうございます!物語の中にしっかりと入って読んで頂けてものすごく嬉しいです。
小説はフィクションですが、自分の体験や考え方が投影されていると思います。書くことで自分の中が整理されることもありますね。
それから、真摯で丁寧なレビューを頂戴して感激です。このように作品に向き合ってもらえると本当に書いた甲斐があります。たくさんのコメントもとても励みになりました。
心よりお礼申し上げます。ありがとうございました!
ここまで一気読みしてしまいました。
私はフランスのことについては正直疎いのですが、それでも紘一くんの感じている痛みが非常にリアルに伝わってきて苦しく、そして切ない小説であったかと思います。
作者からの返信
中原様、
自主企画への無言参加失礼しました。さっそくお読みくださりありがとうございます。重たい内容にもかかわらず一気に読了して頂けるとはとても嬉しいです。
フランスに限らず、違う文化を持った者が別の文化の国で生きていくのは簡単なことではないですね。紘一の気持ちをリアルに感じて頂けたなら筆者としては何よりです。
過分な評価まで頂戴し、とても光栄に思います。
ありがとうございました!m(__)m
編集済
読了させていただきました。正直なところ私は同性愛者ではないので、この作品にコメントしている時点で偽善者なのかもしれません。しかしいじめ問題、周囲の理解、そして最後に希望のある風景など、特筆するところが多くあり、そしてまた本文自体もとても面白かったので、ここでこうやって書いております。学生のころ、ゲイバーに勤めたことがあるんですよ。時給の高さにつられて。もちろん同性愛者ではないので、最初は戸惑いましたが、みんな優しく、そして暖かい人たちでした。私が慣れないショーで失敗しても怒る人は誰もいなかったです。仕事が終わると食事に誘ってくれたし、悩み相談とかも受けてくれました。当時、私が『いつかプロの小説家になる』と願望を言って、バカにしなかったのはその人たちだけだったかもしれません。そんな経緯もあり、当時お世話になった人たちとは今でもラインで情報交換する間柄にあります。実際のところ、ホモ、ゲイ、などと言われる方たちの本当の気持ちは分かりません。ただ言えるのは、そこは差別対象にしてはいけない、ということです。同性愛者より異性愛者のほうが犯罪率も多く、狂気もあります。糾弾するなら、そういった人間性のある人たちこそ受けるべきですよね。
作者からの返信
悠木さん、
読了して下さりありがとうございます!そして力強いレビューも頂戴して感激です。
この作品では帰国子女や同性愛者をモチーフに使いましたが、誰にでも何かしら背負っているものがあるんじゃないでしょうか。そのせいで差別や偏見を受ける可能性は誰にでもあると思います。人と違うことを尊重する風潮にはなってきたけど、本音の部分でどこまで壁が取り払えるかは個人にかかってくるのでしょうね。
ゲイバーの人たちといい繋がりを持たれたのは貴重ですね。何かに本気で打ち込んでる人って他人の目標もリスペクトできるし、バカにしたりしないのかなと思いました。
勢いで書いた作品なので改善するべき点も多いとは思いますが、こうしてあたたかいご感想を頂けると投稿してよかったと思います。
本当にありがとうございました!
編集済
良かった!こういう終わり方で。
立派な作品だと思いました。
内容は、いじめ、親と子の問題、自分がホモセクシャルであることによる周りとの葛藤、結構色々盛りだくさんですけど、一気に読ませるものがありました。
いじめや国の文化の問題は置いておいて、昔子供が小さい頃のことを思い出しました。
色々妻と話し合ったことのひとつに、もしこの子がホモセクシャルであったとしても、絶対普通に受け入れてやろうというものでした。
作者からの返信
レネさん、最後までお読みくださり、本当にありがとうございます! 今帰ってきたらたくさんコメントを頂いていて。感激しました。
この作品は特に読まれると緊張してしまうので、そのようなご感想を頂けて嬉しい限りです。重たいテーマばかりが詰まった内容ですが、こうして一気に読んでくださって、真摯なコメントも下さって、書いてよかったと思います。
他のコメントの方にもお返事させていただきます。
まずはお礼まで。
ありがとうございました!m(__)m
編集済
家族だからって、本音で話せる関係とは限らない。正直に打ち明けても理解してもらえないこともある。すべてを分かりあえるわけじゃない。家族ってなんだろう?って考えちゃいますね。
紘一くんきつかっただろうけれど、フランスにいたままでも、親と衝突するのは避けられなかったのかもしれないね。
人っていつかは吐き出す必要があって、それを受け止めてくれる人がいてくれたら、幸せなことですね。
そして、いじめ!なんでいじめってこの世にあるんでしょうね。醜い行為だと思うんですけれど、人を困らせて喜ぶ人がいるんですよね。心理状態どうなっているのかと不思議なのですが。
この作品を中学生たちが読んで、討論会をしたら面白そう。思春期の子供たちが抱える苦悩がたくさん詰まっているので、話し合ってみるのもいいんじゃないかな。アイデンティティーや性や、家族や居場所やいじめや学校や、いろんな問題点が浮き彫りになりそうです。学校推薦図書に「モグラの穴」があってもいいですね!
そしてみんな、アイタタタッてなるという(笑)でもそれが現実であり、その現実で苦しんでいる子供がこの世界の至るところにいるというのが、悲しいですね。
*このままじゃ悲しいから、ひいにゃんのレビュー書いちゃえヽ(*>∇<)ノ
え!そっち?みたいな(笑)
作者からの返信
遊井さん、改めてこの作品をお読み下さりありがとうございました。
ノートの方も拝見しました。確かに勇気が要りますよね、読むのに。こういうのやだなって思う人も多いだろうし。
だから読んで下さっただけでとても嬉しいです。
この話の設定は少し極端にしてあります。書き手としては出来事そのものよりも紘一の内面の方を書きたかったし、端々に自分の本音を挟んでいると思います。小説としてそれがいいのかどうかは分かりませんが。(でもジュールもそういう風に書いてますね...)
悲観的かも知れませんがいじめはなくならないと思っています。排他や嘲笑はひとの性ではないかと。ただその犠牲になって自分を終わらせるのは勿体ない。自分が生きられる場所は必ずどこかにあると思います。
今の思春期の人がこれを読んだらどうなんでしょうね。古いかな。それとも今も変わらないかな。
ご感想とても嬉しかったです。重たい話にも関わらず一気に読みきって下さり、本当にありがとうございました!
モグラの穴を肯定できる日が来ると信じながら、それはそれとして今を幸せだと言うことが出来ている紘一さん。強い人だと思いました。
暗い地獄を抜けた先にある希望を見た気がします。絶望の淵を見たからこそ語れる希望があると私は思います。軽い前向きな言葉では軽くすることが出来ない気持ちがあると、思っています。
そして、決して明るい作風ではなくとも最後に希望を見せてくれる物語が、私は大好きです。柊さまの『モグラの穴』はまさにそんな物語でした。
素敵な読書体験をさせて頂きました。ありがとうございました。
作者からの返信
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。
時間を経ることや環境を変えることって馬鹿にできないというか、それが役に立つことは大いにあると思います。トラウマを形として残るものにしたのは、消えることはないという気持ちからですが、いつかそれも含めて過去を認められるようになると信じたいですね。
「軽い前向きな言葉では軽くすることが出来ない気持ち」は誰しもが共存していかなければならないものでしょうね。それを抱えた上でちゃんと先を見ることはできると思います。最後に希望を見出だして頂けて良かったです。
こちらこそ、作品に真摯に向き合って下さり心からお礼申し上げます。
ありがとうございました。
最後の一文を待っていましたよー!
よかったねー(´;ω;`)ブワッ
柊さんのお話はすごくつらくて「もうこれだめじゃん、救いないじゃんどうするの?!」と思わせておいて最後にちゃんと無理ないハッピーエンド持ってくる、それが好きです、ありがとうございます読者への最高のデザートですねご褒美うれしいです(^q^)
多文化共生は、最近児童文学の界隈でも話題によくのぼりますが、やはり見た目からしての外国人、文化がちがうルーツを持つ子にばかりスポットがあたっていると感じます。
そこへきて帰国子女……!
見落としてる人、多いと思います。
もっと考えないといけないことだなと気付かされる言葉がたくさんでした。
これが読めてよかったです。
ありがとうございました!
作者からの返信
みりあむさん、最後までお読み下さりありがとうございます!
最後の一文、色んな意味を込めてここへ持って行きたかったです。確かに途中はハードですよね……でもフィクションだからこそ光が見える終わりが好きです。無理ないハッピーエンドと言って頂けてすごく嬉しいです!
多文化共生って、どうしてもメタファーにすると外側の違いが分かりやすいものになるんでしょうね。
帰国子女も千差万別で、紘一は少し極端な例として書きましたが、内側での葛藤は多かれ少なかれあると思います。
色々感じ取って下さって、とても嬉しく、光栄です。
こちらこそ、本当にありがとうございました!!
紘一君が経験してきた日本での辛い事、いつまでも心の中に傷痕として残っているのだろうけれど、大切なのは今だと、前を向いて生きている最後で、本当に良かった。
読んでいる間、心が痛かったです。きっとその傷痕は掘り返されることもあっただろうし、それでも生きていかねばならないのだから。
この時代設定がいつであっても陰湿な人間がする行動や言葉は今と何も変わらない事が悲しいですね。今の若い子達に是非読んで欲しいと思いました。
素晴らしい作品を読ませて頂きありがとうございました。
作者からの返信
りくさん、
すごい勢いで読破して下さり本当に嬉しいです。ありがとうございました。
記憶もそうでしょうし、目に見える形としてトラウマが残っているのは悲しいですね。でも生き続ける限りは今が一番大切ですよね。引っかかりは残ってもバッドエンドにはしたくなかったです。
今の思春期の人が読んだらどう思うでしょうね。知りたいです。
この重たい話を再度読み切ってくださったこと、本当に感謝でいっぱいです。こちらこそ、心からお礼を言わせてください。ありがとうございました!
編集済
ハッピーエンドというには引っかかりがある展開ですね……結局、家族とは離れて東京で暮らし、クラスからはまるでなにもなかったかのように寄せ書きだけ届き、お父さんはとうとう最後まで理解してはくれなかったようで。触れられてはいないですが、せめてお母さんとだけでも少しはいい関係になってくれていればと願わずにはいられません。でも、無理なら諦めることも必要ですよね。
そして、最後の一行にびっくり……! よかった、よかったねーとまた泣きそうになりました。もともとパックスがあって、同性婚の法制化も早かったフランスで、人生を共にする相手に巡り逢えたのなら本当によかった!
結局、日本ではいろいろとあかんかったんやーというだけな感じでもやもやが少し残ってはいますが、リアリティのある、色々考えさせられる物語でした。とても読み応えがあった所為か、まだ余韻に浸っています……。
作者からの返信
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
仰る通り、ハッピーエンドとは言い切れないですね。すでに日本をあきらめたところから紘一は語っていますので。ただもう一つ生きて行く国の選択があっただけでも幸せだと思います。
結婚をハッピーエンドの象徴にするのではなく、日本では叶わないことが叶えられるという意味でこの終わり方にしました。
フィクションだからもう少し優しいお話にしてもよかったですね(笑)でも逆にリアリティがある、と言って頂けてよかったです。
コメントと、あたたかい評価も頂戴し、改めてお礼申し上げます。励みになりました。本当にありがとうございました!
こんにちは。
紘一くんは日本で居場所を見つけることはできませんでしたが、代わりにフランスで居場所も伴侶も見つけることができたんですね。
あれだけの逆境のなかでも自分を貫いた紘一くんはえらいと思います。
最後のジェレミー先生との手紙が泣かせますね。
紘一くんに幸せな日々がつづきますように。
作者からの返信
久里様、
読了くださり、本当にありがとうございました。
愉快な話ではありませんが、最後までお付き合い頂いたこと、とても感謝しています。
逆境を生きるのはたやすいことではないですね。ひとつの場所で生きられなくても、別の場所で生きられる、それだけでも紘一は幸せなのだと思います。
ジェレミー先生はずっと心の支えになるでしょうね。
あたたかいお言葉、ありがとうございました。光栄な評価も頂き、重ねてお礼申し上げます!
良かった……本当に良かった……(滂沱
紘一くんの痛みを我が事のように感じる、痛みが生のまま心に抉り込んでくる物語でした。
壮絶なほど酷い、辛いことがたくさんありましたが、ジェレミーやおじさんなど数少ない救いの手が希望の糸を繋いだように思います。
大人になった紘一くんが幸せな道を選べたこと、本当に嬉しいです。
この作品を書き上げるのにも、もの凄い精神の揺れを伴ったのではないかな、と勝手ながら想像しました。筆力はもちろんのこと、そうした点にも感服します。
拝読できて良かったです!
ちょっとまた情緒を回復させてから、感想をまとめてレビューいたしますね。
素晴らしい作品を、ありがとうございました!
作者からの返信
陽澄様、
最後までしっかりとお付き合い下さっただけでなく、物凄い熱量のレビューを頂戴し、本当にありがとうございます。震えました。
この話は数日で勢いで書いたもので、ほとんど修正も加えていないので、粗削りなところもあると思います。でも下手に考え過ぎて行儀のいい作品になるよりは、このままにしておきたいと思いました。書き手の気持ちまで汲んでくださり、嬉しい限りです。
心よりお礼を申し上げます。
ありがとうございました!!
良かった、ハッピーエンドですね(涙)壮絶なストーリーでした・・・
メンタルが弱いのでいじめ描写にやられましたが、(初めは正直、避けてもいましたが・・・)とても引き込まれる物語で、読み進まずにはいられませんでした。
心をえぐられるような痛ましさもありましたが、すごくきちんとまとめられていて最終話にも救われました。紘一君が愛されている実感もあり、幸せな結婚ができたなら何よりです。
紘一君が末永く幸せに過ごせることを願っています。
作者からの返信
神原様、
避けられていた話をあえてお読みいただきましたこと、心から嬉しく、有難く思っています。正直、いいのかなと恐縮していたのです。でも『ジュール』もたいがいですしね…。小説よりエッセイなどの方がお好きなのも存じてますので、それも含めてお読みくださったことが本当に嬉しいです。
ハードな内容ですが、最後まで見届けてくださったことに感謝しています。
改めて、沢山の星にもお礼申し上げます。
ありがとうございました!
いちばんヒリヒリする年代の、ヒリヒリした光景を写し出す、ヒリヒリとしたドラマであったと思いました。再読させていただき、ありがとうございます。
きっと痛みに迫って痛みに耳を傾けないと書けない類の小説で、柊さんが連載途中に『モーパッサン』を執筆したかった状況、分かるような気がしました。
「話し合おう」というのは、話し合う余地がある時に使われるべき言葉……精神に余地が無いと話し合えませんものね。紘一くんの人生に、おじさんがいて良かったです。「フランスに帰りたい」という言葉を受け止めてくれる人でしたね。
結末は至上のカタルシスでした。Jérémie Lambert……その綴りを見たときから号泣でした。紘一くんの人生に、いなければならなかった人でしたね。
「どうしていきなり少年時代の話をしようと思ったか、それを説明してもいい?」と問い掛けるくだりから、鳥肌が立っておりました。何故か鎮痛剤のような作用を感じる小説です。カタルシス効果でしょうか。二度三度と拝読しておりますが魅力が褪せません。
完結おめでとうございます。お疲れ様でした。
作者からの返信
宵澤様、
再読にも関わらずお付き合い下さり、最終回まで見届けて頂きましたこと、心からお礼申し上げます。
ヒリヒリという言葉ぴったりですね。これは書いてからほとんど修正してません。手を加えることで作品を良い子にしたくなかったので。ヒリヒリが変に賢く和らいでしまうのが嫌だったのかも知れませんね。
カタルシス、痛みを味わって癒しを知る、という感じでしょうか。以前も鎮痛剤と仰っていましたね。僕にとっては嬉しいお言葉ですし、ひいなさんのお作品でも僕はそれを感じます。
改めて、丁寧なコメントの数々や、素晴らしいレビューに感謝いたします。再連載の強い支えでした。
ありがとうございました!
とっても良い作品でした。
紘一くんには「よく頑張ったね。フランスに帰れて良かったね」と言いたいです。
ジェレミーと別れてから味方がいない状態になってしまった紘一くんが心配でした。紘一くん、ちゃんとブチ切れることが出来て良かった。色紙も切り刻めて良かった。武司おじさんに引き取られて良かった。終業式まで学校に行かなかったのは本当に良い行動です。
「良い子」でいる必要はない。本当に辛い時は逃げることが一番大事!
誰か良識ある大人が側にいればいいのだけど、それが叶わない時は市役所とか専門機関とか心療内科とかに相談するのも手ですよね。
「24時間子供SOSダイヤル」0120-0-78310
執筆お疲れ様でした(^-^)
作者からの返信
シェリー様、
読了下さり、ありがとうございます!
この話に最後までお付き合い頂けただけでも感謝なのに、ドラマ化したい、なんて素敵なレビューまで賜り、感激しました。心からお礼を申し上げます。
ずっとこらえて良い子でいる必要はないのですよね。確かに。
これは社会派小説ではないですけど、いじめってますます巧妙に陰湿化しているのではないかと思います。一人でもその闇から解放されて欲しいですね。
お読み下さったこと、重ねてお礼申し上げます。
ありがとうございました!
やっぱりこのラストが最高に素晴らしいです。初めて読んだ時も感動しました。二回目は、もう余計に。
先生が「コーイチ」を見つけてくれた奇跡。思えば先生との出会いこそが奇跡だったのでは、と感じます。
書かれなかった部分ですが。先生の存在があったからこそ、ありのままの自分を大切に、幸せを求めることができたんじゃないかと思います。先生と伯父さん、この二人が打ちのめされた紘一くんを肯定し、支えてくれた。どんなに大きな力になったことでしょう。
私も再びこの物語に出会えたことに、大きな感謝を。
再掲載お疲れ様でした。ありがとうございましたm(_ _)m
作者からの返信
黒須様、
読了頂き、まことにありがとうございます!!
ご自身の執筆や他の作品もたくさん読んでおられるでしょうに、その中でこの作品を再読頂いたこと、感謝しきれません。二回目は余計に感動、すごく嬉しいお言葉です。
先生との出会い、再会、確かに奇跡だったかも知れません。そして自分を肯定し支えてくれた存在をちゃんと力にできたのでしょうね。
それから、素晴らしいレビューをありがとうございます!こうして作品をちゃんと汲み取って文章にして頂けること、本当に幸せです。
心からお礼申し上げます。
ありがとうございました!
なんかみんなに申し訳ないと思いながら、一番目に拝読してしまいました。
両親にいじめの事実を告白した時、食器棚を割った時、僕のせいだと言った時、
おじさんに本心を言って泣いた時……何度も涙が出てしまいました。
ラストで救われました。良かった、本当に良かった。紘一君は根が優しく、誰からも愛される子だったんです。帰国子女でなければ、傷を負う事もなかった人生だったかもしれません。フランスで癒されて、自分を少しずつ取り戻して、愛する人と出会って、結婚……よく頑張りましたね。
クラスメートの「死ね」という言葉、尊厳を傷つける行為は許せるものではありません。だからいつまでも穴は埋まらないんですもの。あの時、東京に行って良かったと思います。逃げたのではないんです。
心に開いた穴は、ジェレミーと愛する人によってふさがれていきますね。
紘一君はもう、一人じゃない。過去に怯える事なく、堂々と胸を張って幸せになって欲しいと思います。
柊さん、この作品と出会えた事、感謝しています。(^^)
感動をありがとうございます。星都ハナス
作者からの返信
星都様、
再読して頂き、こちらこそお礼を申し上げます。
最後まで物語に入り込んで読んで下さり、とても、とても感謝しています。紘一を思って下さるコメントのひとつひとつに、大きな愛情を感じました。星都さんみたいなお母さんがいれば子どもは幸せでしょうね。
頭に開いた穴は塞がらなくても、心の穴はすこしずつ埋まっていく。そう思います。最後のコメントまで力強く、そのままレビューを頂いたような気持ちです。
再連載を支えて下さいましたこと、重ねて、お礼を申し上げます。
ありがとうございました…!!
紘一くんが大人になるところまできちんと書いてくださって、ありがとうございます。
彼の過ごした日本での暗い年月、辛い日々は、二つのモグラの穴と共に一生消えることはないのでしょう。
そうした目をそむけたくなる過去ごと、彼を受け入れてくれる存在が今はいるということ。れっきとした外国人として堂々と過ごせる、フランスという場所にいること。
彼にとって何よりの結末が、この真摯な物語の最後に用意されていたとわかって、本当に嬉しいです。
言葉を濁すことなく、最後まで真っ直ぐに書くべきところを書ききっている筆致が、胸に刺さりました。
もしかしたら私小説的な物語なのかもしれないと感じましたが、違ったらごめんなさい。
紘一くんがされてきた仕打ちは、いじめという軽い言葉で纏めるわけにはいかない、魂の殺人そのものです。
こういうことが起きると、被害者をどうするのかに視点が行きがちですが、作中でも紘一くんが「僕のせいかよ」と訴えていたように、まず加害者を生まないようにすること、問題が起きたら加害者の側の環境を変えることが当たり前の世の中になってほしいです。
被害者の側に多くの負荷がかかる状況は、どう考えたっておかしいですよね。
今回はたまたま帰国子女でしたが、異質なものとして排除される要因はどこにでもあって、多数派の側がなぜか正義面をして少数派の側を虐げる例は、キリがないほど存在します。
それがいかに不健全で馬鹿げた状況かということを、生々しい傷痕と共に提示してくださる、必要な物語だと感じました。
書いてくださって、ありがとうございました。
作者からの返信
鐘古さん、読了下さりありがとうございます。この重たい話を最後まで読んで下さっただけでも嬉しいです。その上このような真摯なご感想もいただいて感謝に尽きません。
この結末をモヤモヤしたものに感じる方もいらっしゃいます。でもこれはすっきりと仲直りをしてハッピーエンドになるという類の話ではないと思っています。紘一なりに答えを出して、自分が堂々と生きられる場所を得たことだけで充分で。なのでこの結末をとても前向きに捉えてくださったことに感謝しています。
私小説というのが自分の経験をそのままなぞったものだとしたら当てはまらないんですけど、これとジュールの森は自分の要素が多分に入っています。最初からまったくの創作を書かれる方とは違って、僕も例にもれず自分の中のものを吐き出すところから書き始めたので。(ありがちなきっかけですが笑)
日本のいじめのニュースは時々目にしますが、このいじめという言葉自体がオブラートに包まれていますね。その言葉でさえ隠蔽しようとする学校の体質や、被害者だけが苦しみ続ける構造は、そのまま社会の縮図にも見えます。それは異質なものを排除して表面だけをきれいに取り繕おうとする思考回路にも通じると思います。いつか自分に跳ね返った時に苦しんでも、誰も助けてくれない社会になってしまうのでは悲しすぎますね
。
あくまでも個人の回想録という形で書きましたが、必要な物語というお言葉に勇気づけられました。あたたかい星にも励まされました。こちらこそ心よりお礼申し上げます。m(__)m