お金が欲しいとほざいてみる。

 お金が欲しい。

 季節のお茶を楽しみたいし、ネコにおやつをかってやりたい。

 クリスマスにはまた期間限定のお茶とリースを買いたいし、ハロウィンだって部屋にライトを飾りたいから、お金が必要だ。


 そんなぜいたくを言うな? ぜいたくってなに? ほしいものがあるうちは、お金がほしいの。

 そんなささやかなお金に恵まれないのに、嘆いたりしてはいけないというのなら、この世からお茶もクリスマスもハロウィンもなくなればいい。

 最初に始めたのは私ではない。


 どうだ、いいだろう? ほしいだろう? と誘っているのだ、欲しくないわけがない。

 いい香りのお茶やハーブを飲みたいことのどこが悪いのか。

 ぜいたくな衣服に身を包みたいわけでもなく、知的好奇心を満足させる書籍だって我慢しているのに。


 そういえば、熊本から避難してきた祖母が、着のみぎの他はお茶とお菓子だけ持参してきた旨、書いただろうか? 祖母は避難食や懐中電灯やラジオではなく、星野茶と和菓子を大事に持って家に来た。

 その感覚がわからないが、好きなものをあきらめなくてはならないことほど悲しいものはない。

 その気持ちはわかる。


 災害から免れてくる人がそうなのに、なぜ私がお金を欲しがってはいけないだろうか。

 心の充足のために、豆まめしい実用品ではなく、嗜好品が少しほしい。

 そして、愛猫においしいものを食べさせてやりたい。


 ぜいたくなのかなぁああ!?

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