第4話 姫宮さんがピンチ!?

 しばらく経ったある日


「姫宮さん!今日も一緒に帰ろーーー!!」


 僕はいつもように姫宮さんに一緒に帰ろうと誘った。


「何度も言いますが、あなたみたいなゴミムシとどうして近くにいなければならないのですか?死んでください。人類がそう願っています。絶対について来ないでくだいね。」


 あれ?なんか今日はちょっと拒否が強いなぁ〜。どうしたんだろ?なんかあったのかな〜?じゃあまあ、仕方ないか。


「そっか〜、しょうがないけど今日は別々に帰ろっか〜。」


 もちろんの如くその発言は無視されて、僕たちは別々に帰宅した。

 「別々」に帰宅しただけだからね!!僕がこの後、偶然を装ってあわよくば合流しようなんて考えてないんだからね!!そんなストーカーみたいなことしないんだからね!!

 でも今日の姫宮さんのいつもより冷たい態度、なんか気になったなぁ。

 よし!とりあえずついていってみるか!


 すると途中まではいつもどおりだったのだが、姫宮さんは、いきなりいつもとは違う人気のないような道に行き出した。

 どうしてだろうと思っていたら、前からチャラチャラしてるヤンキーっぽい気持ちの悪いやつらがやってきた。


「おうおう、冷姫さんよ。ちゃんと1人で来てるじゃねえか!」


「あなたたちが1人で来いって言ってきたんでしょ!それで、要件はなんなの?」


「俺の部下たちがさぁ〜、お前にこっぴどく悪口言われて振られたって泣きついてきたんだよ。それで俺に相談してきたんだけどさ〜、めちゃくちゃ美人じゃんって思ったから、俺の彼女になってくれたら、この件を許してやろうと思うんだけどどうする?」


「私は誰とも付き合いません。ましてや、あなたのような猿の山の大将で満足しているような社会のゴミクズとは付き合うわけありませんから。」


「あ〜あ。断っちゃった。それもまた悪口言って。今の状況わかってる?バカじゃないんだからさ?」


「私は何をされても屈しません。」


「はい、もうわかったよ、よし、お前ら、あいつを抑えろ!俺らを舐め腐ったこと後悔させてやる!!」


 彼女に向かって、大勢の男たちが捕らえに行った。やばいぞ。やばい。僕は別にケンカ強いみたいなラノベ主人公によくある属性も持ち合わせていないただの凡人なんだ!!どうしようどうしよう!でもとりあえず助けに行かないと!!


「あー、もしもし!警察ですが、今、女の子が男の集団に襲われてまして!場所は、この公園の近くで」


「おい!あいつ警察に電話してるぞ!でもどうせ最近よくある嘘電話だから気にするな!そのままその女を捕まえろ!」


 リーダーのやつが分析したぶってそう言ってくる。まあ、最近はそういうのが多いかもだけど、すみません、普通にもう警察に電話してます!!


「今の聴きました?やばいです。この電話が嘘だと思われてます!早く来てください!」


 そう言いながら、僕は1秒でも時間を稼ぐため、姫宮さんの目の前に行った。


「この女は、僕の彼女だ!1ミリでも手を出すな!ぶちかますぞこの野郎!!!」


 あーあ、ミスった。冷静に解決しようと思ったのに、ヤンキーたちを煽ってしまった。


 もうその後を描こう。


 その後、僕はヤンキーたちにボコボコにされ、その間にパトカーがやってきて、ヤンキーのリーダーとその他の僕をボコボコにしたやつらもみんな捕まっていった。

 それから長い時間、事情聴取を受けて、僕と姫宮さんは開放された。夜も遅く、警察の人に言われたのもあったけど、そこで僕は姫宮さんを家まで送ることになった。


「どうして、ボロボロになってまで、私を助けてくれたの?」


 無言で夜道を歩いていた時に、姫宮さんが僕に聞いてきた。


「いやぁ、そりゃあ、姫宮さんが好きだからでしょ!!」


 チャンスだ!と思った僕はカッコつけてそう言った。


「ふざけないで!あなたはいつも私のことを好きとか言ってくるけど、そんなわけないでしょ!!私はあなたのこと毎日罵倒してるのよ!!そんなので好きになるわけないじゃない!他の男だってみんな離れていったわ!!なんであなたはずっと私に関わるのよ!!」


「正直、恥ずかしいからあんまり言いたくなったんだけど、僕、姫宮さんに一目惚れしたんだ。もちろん外見が整ってるってもあるけど、姫宮さんの目を見た時に、寂しさを隠して強がってるような気がしたんだよね。だからその後、みんなは毒舌とか言ってたけど、姫宮さんが言う言葉、僕は面白くて好きだったのもあるけど、なんか無理してるなとも思って気になっちゃったんだよね。だから、姫宮さんを好きなったんだと思う。」


 すると姫宮さんは無言になってしまっあ。そして僕もめちゃくちゃ語ってしまったという恥ずかしさから無言になってしまった。

 そんなめちゃくちゃ気まずい時間を過ごしていたらいつのまにか姫宮さんの家に着いてしまった。

 やばい!全然道とか覚えるの忘れてた!!終わったーーー!!!ミスったーー!!!


「ここまで送ってくれてありがとうございました。えっと、ま、また明日。」


 姫宮さんはそう言うと、小走りで家に入っていってしまった。


 え?

 ちょっと待てよ?

 僕なんて言われた?

 落ち着け。

 整理しろ。

 姫宮さんへの好きを語ってたら、気まずくなってしまった。

 ここまではわかる。

 問題はその後だ!


 ま、ま、ま、また明日だと????


 やばいてーーーーーー!!!!


 ついに、ついに、ついに、ついに、来たのか??


 どうなんだ??

 どうするんだ!!


 待て貴志、落ち着け、クールダウンだ。落ち着け落ち着け。


 よし、今日はもうこの思い出を胸に寝よう。疲れたよもう僕は。


 そして全ては明日の僕に任せよう。がんばれ!明日の僕!今日の僕は最高の気持ちで夢を見るよ!!バイバイ!!

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