第2話 晴天の霹靂

〈バリバリバリードゴーン〉

 〈ピキピキ〉


「召喚は上手くいった様ですわ」


 純白のプリンセス衣装にキラキラ光る金色のティアラ。

 涼やかな目元には叡智が漂う。

 ドレスから垣間見える透き通る様な手足。

 黄金色で流れる様な髪を肩口に乗せる。

 頭の左右にヤギの様なくるまったツノ…。

 うーん、ちょっと違和感があるけど女神だろう…。


 これは!そう女神が勇者召喚を行ったシーンだ。


 大理石の支柱が幾本もある壮大な神殿。

 まさに天上界の神の佇まい。


 大きな祭壇。

 純白の大きなクロスで覆われている。

 壁には古の勇者達の彫刻だろう。

 これも純白の大きなクロスで覆われて形だけが浮き出ている。


 クロスが捲れてドス黒い髑髏が見える。


 エッ、気のせいだろう。


 荘厳な雰囲気の中、魔法陣の中に兎沙戯うさぎは居た。


「わわー爆発〜ーーー」

 と叫びしゃがみ込む。


「ご安心下さいませ勇者様」

「あたしエミリア・アルケオーネが救世主様を召喚し、貴方様が応じて下さった」

「感激チョー感激ですわ」


「召喚!エっあんの召喚って、へええあの有名な召喚なの」

「本当にあるのそんな事」〈オロオロ〉

 僕も内向き趣味に生きるオタク系だから転生ものや召喚ものはそれなりに知っているし好物ではあるけど。

 まさかまさかの自分の身に巡って来るとは…。


「あるんですよ!そんな事が」〈ニコニコ〉

 正に願った通り、素直そうで善人そうで世間知らずだわ。

 しめしめ上手く召喚できた!

「大成功!」

 アッ言葉に出しちゃった。


「あたしは清純無垢の美少女〜!女神エミリアですゥ」


 何だか何の女神か訳分からないネーミングの女神だな〜。

 で何をする為に召喚された。

 いや待て待て、現世の僕はどうなったんだろう。

 うう、召喚か…。

 でどうなる。

 やはりテンプレ展開だろうか…。

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