第18話 荒神って何?

蘭華蘭菊「みなさん!こんにちはー」


蘭華  「ねぇねぇ、ついに来たわよ!」

蘭菊  「なにが?」

蘭華  「3万PVよ! 3万PV!」」

蘭菊  「えぇ!ついに来ちゃったの? 一時はPV伸びないからやめるとか言っていたのに・・・」

蘭華  「そうよ、これも全部、毎日読んでくださる読者の皆さんのおかげね」

蘭菊  「そうだね。本当に毎日ありがとうございます。」

蘭華  「できれば、フォローと星も欲しい!」

蘭菊  「ちょっと! 蘭華ちゃん、それはねだりすぎよ!」

蘭華  「いいじゃない! 私たちは幼女よ! 幼女! 何を言っても許されるわ!」

蘭菊  「ないない・・・そんなことないから」

蘭華  「え・・・そうなの・・・つまんねぇ!」


蘭菊  「さて、今回は荒神についてよ」

蘭華  「荒神ってなんだっけ?」


蘭菊  「そうね。神様の成れの果てって、言ったら分かりやすいかしら」

蘭華  「成れの果て?」


蘭菊  「そう・・・神は、自分の生命活動を維持するためには生気が必要なの」

蘭華  「それなら人間もそうじゃない」

蘭菊  「そうなんだけど、その消費量が半端ないのよ」

蘭華  「神様って言うくらいだからね」


蘭菊  「それでね、その生気切れを起こした状態が、荒神なの」

蘭華  「ガス欠状態ね・・・それなら、動かなくなって、止まるだけじゃないの」

蘭菊  「それがね・・・止まるどころか、暴走し始めるのよ。困ったことに」

蘭華  「暴走?」


蘭菊  「そう、そのうえ、最悪なことに、暴走の末に、大爆発!!」

蘭華  「爆発って何? 爆弾?」

蘭菊  「爆弾か・・・まぁ、そんな感じかな」

蘭華  「うわぁ・・・動く爆弾だよ・・・神って」


蘭菊  「爆弾って言うと、兵器みたいで、悪い印象しかないんだけど、実際には違うのよ」

蘭華  「どういう事」


蘭菊  「荒神爆発は、生命の営みの基本なの」

蘭華  「うん?」

蘭菊  「荒神が爆発することによって、周囲に命の源である命気が飛び散るの。その命気を生き物たちが吸収して進化したり、子孫を残したりするの」

蘭華  「例えば?」

蘭菊  「簡単にいうと、人間が、その命気を大量に吸い込むと妊娠しやすくなるし、魔物がその命気を取り込むと、人間を食べなくても魔人に進化しやすくなるの」

蘭華  「へぇ・・・・すごいね」


蘭菊  「でも・・・その爆発した神様は消えちゃうの」

蘭華  「死んじゃうってこと?」

蘭菊  「すべての命気を吐き出すから、神としての存在が残らないの。だから、完全に消滅しなくても、カスが残る程度」

蘭華  「神様・・・かわいそう」

蘭菊  「そうね。神様も、さすがにそうはなりたくないから、極力、生気切れを起こさないようにするの」


蘭華  「でも普通に生活していても生気が切れるんでしょ」

蘭菊  「普通に生活するだけなら、命の石や周りの生き物の生気をもらって生きていくことはできるの。それでも、やっぱり、生気の減少の方が多いから、体を徐々に老化させて生気の使用量を補うのよ」

蘭華  「なんか、人間の老化みたいね」

蘭菊  「でもね、逆に大量の生気を取り込むことができれば若返ることもできるの」

蘭華  「えええ!何それ!ちょっと反則じゃない!」

蘭菊  「まぁ、神様だからね」


蘭華  「でも、神の恩恵や絶対防壁の神の盾を使えば一気に生気を使ってしまうんじゃないの?」

蘭菊  「そう、徐々に生気を失えば老化と言うことである程度対応はとれるんだけど、一気に生気を使っちゃうと、あっという間に限界点を超えて荒神化するの」


蘭華  「荒神化し始めるとどうなるの?」

蘭菊  「まず、目の色が赤くなり始めるの。もう、こうなったら荒神化が始まり始めた証拠ね」

蘭華  「たしか、神様の目は金色よね。それが、赤色に変わるの・・・」


蘭菊  「そう、それから、だんだんと自分の意識が混濁し、自分が何者か分からなくなっていくの」

蘭華  「なんかかわいそう・・・」


蘭菊  「自分が分からなくなった神様は、その痛みから、所かまわず、暴れ出し、最後はドカン!」

蘭華  「ドカンって・・・」

蘭菊  「国一つ吹っ飛ぶわよ」

蘭華  「国一つって・・・・核爆弾ですか、いやそれ以上か・・・」

蘭菊  「核爆弾はよく分からないけど、とにかくすごい威力よ」

蘭華  「荒神爆発って、やばいじゃん!」


蘭菊  「だから、荒神になり始めたら、早急に手を打つ必要があるの」

蘭華  「手を打つって、爆発させるだけじゃん」

蘭菊  「だから、爆発させるにしても、安全なところで爆発させるのよ」

蘭華  「例えば」

蘭菊  「小門の中とか」

蘭華  「もしかして、荒神を爆発させるための小門が荒神監獄ってやつ」

蘭菊  「その通り!小門の中と外は世界が違うの。だから、小門内で大爆発しても外の世界には影響がないの」

蘭華  「じゃぁ、荒神見つけたら、小門の中に放り込めばいいのね」

蘭菊  「放り込むだけじゃだめよ。荒神も足があるから門から出ることができるから」

蘭華  「ということは」

蘭菊  「拘束して、深い穴の中に放り込むのよ」

蘭華  「うわぁぁぁ・・・えげつない・・・それが神にすること・・・」


蘭菊  「そう、みんな神様にたいして、こんなことはしたくないのよ」

蘭華  「そうよね・・・・」

蘭菊  「だから、荒神になった神を元の神に戻す方法を、古来から探し続けていたの」

蘭華  「えっ!荒神って戻せるの・・・」

蘭菊  「戻せるわよ」


蘭華  「なんだ、それなら、荒神爆発って関係ないじゃない!」

蘭菊  「そうね、戻すことができなかった時の最終手段ってことね」

蘭華  「ところで、その荒神を戻す方法って何?」

蘭菊  「これは、各国で少しずつ違うの。国ごとによって独自に荒神を救う方法を研究していたためね」


蘭華  「私たちの融合国ではどんな風にするの?」

蘭菊  「融合国では、神祓いの舞によって荒神を払うの」

蘭華  「神祓いの舞?」

蘭菊  「そう、鈴の音に合わせて舞う剣が、荒神の気をそぎ落としていくの」

蘭華  「剣舞なんだ・・・なんか、素敵」


蘭菊  「これに対して、魔の融合国では、魔人が荒神を取り込むの」

蘭華  「何?その気色の悪い方法は!」

蘭菊  「魔人たちも魔人たちなりに荒神を戻す方法を考えていたのよ。取り込むことによって、荒神の気を魔人が吸収するの。それによって荒神化を防ぐの」

蘭華  「それって・・・もしかして、荒神の気を吸った魔人って、死んじゃうとか・・・」

蘭菊  「そうらしいわよ」

蘭華  「なんていう壮絶な方法なの・・・」

蘭菊  「それだけ、神様は大切なのよ」


蘭華  「そもそも、神様って何なのよ!」

蘭菊  「さぁ・・・でも、私たちが持ちえない力を持って、神の恩恵を与えることができるのは唯一神様だけだからね」

蘭華  「うーん、すごいのは分かるんだけど・・・要らなくない?」

蘭菊  「まぁ、それがこの世界の理だから」


蘭華  「でも、荒神から戻った神様は、また普通の神様になるんでしょ。バンバン神の恩恵配ってくれたらいいのに」

蘭菊  「だれが、もとの神様に戻るって言ったのよ」

蘭華  「え・・・荒神じゃなくなるんでしょ」


蘭菊  「そう、荒神じゃなくなるだけで、生気切れの状態は回復していないの」

蘭華  「それじゃ、また、荒神に?」


蘭菊  「うんん。荒神にはならないわ。その代わり、実体が消えるの」

蘭華  「実態が消えるってことは、見えなくなるってこと?」


蘭菊  「そうだけど、存在そのものが少しの間なくなるって感じかな」

蘭華  「存在がなくなるって・・・記憶からもなくなるってこと?」

蘭菊  「そう、この世に生きた証がなくなるの」

蘭華  「ちょっと待ってよ!神様の生き方って酷くない!何もしなくても爆発するし! 救ってもらったら消えてなくなって忘れ去られてしまうって」

蘭菊  「だから、神様もおいそれと神の恩恵なんか使用したくはないのよ!」

蘭華  「そりゃそうでしょ。どっちにしても自分が消えてしまうなら、そこまでして神の恩恵なんて使いたくないわよ!」


蘭菊  「そうよね。でも、人間って言うのは、少しでも自分の力が他人より優れることができると分かれば、神の恩恵を求めてしまうのよ」

蘭華  「大体、人間の欲が諸悪の根源なのよ! もっと無心になりなさいよ!」

蘭菊  「無心ね・・・それができないから、人は悩むのよ」

蘭華  「タカトみたいに頭空っぽにしたらいいじゃない!」

蘭菊  「タカト兄ちゃんは・・・悩みの塊だと思うけど・・・」

蘭華  「えっ! もしかして、おっぱいのこと?」

蘭菊  「いや、蘭華ちゃん・・・違うと思うよ・・・」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る