異郷幻想史グランシスディア物語

御鏡 鏡

第1話 ウォルドの旅日記

 今いる場所は、『グランシスディア(世界名)』中では最も広いと言われている『中央大陸カルナバン』にある中原辺りに来ている。

中原には世界の名を冠する大国がある『グランシスディア』であるが其の都市の『グランシスディア・フォー』に来ているわけだがここでもやはり中天に『シリウス』が燦々と輝いている。


 都市に入る前のゲートで少し長く待たされたため、茹だる様な暑さの中並んでいたので背中は既に汗だくだった『データパッド』を調子が悪くなっていたところを、日よけ代わりにと雑に扱っていたせいか、読み取りエラーを起こしかけていた。

 ゲートではギルド証を見せたのですんなり顔パスと

「休暇で旅行中だ」という説明のみでは入れたのは良かったのだが。


『データパッド』で気象要報を貰おうとした際にリードエラーを起こし掛けていたので『チップメモリ』で気象要報を貰って行く事にした。

『チップメモリ』はポケットに入っていたので無事ではあったのだが……。

『チップメモリ』に気象要報を読み込ませる。


 都市部や郊外には空気中のダスト除去や、調湿調温を目的として、定期的な降雨を発生させている。

 一般的な降雨のみならず、雷雨や濃霧、雹や雪などもある。

 仕事柄そういった天候を把握しないと、命に関わるので、これだけは欠かさずにいる。

 天候チェック軽視して、死にかけたのは右頬に刻まれた古傷として未だに残る。


 雨は気象要報があり都市に入る際には五週間分程の気象要報がデータで渡される。

 つまりシティー内部でも雨だけでなく様々なモノが降る環境になっているのだ、この町の外周は直径約五十キロメートルと大きい。


 この都市はドーム型大型州都で周辺地域の住人や都市の中では、外よりも幾分か涼しい環境になる。

 規模で言うと高度一キロメートル位のところにドームの内壁中央がある。

 真上から見ると真円に近い形状の都市である事が分かる。

 都市内はドーム都市ではあるが外の景観が表示され魔法表示であるとは思われるが光や熱もちゃんとある。

 ドーム内だというのに風も感じる事が出来るという訳で風のあたりを間隔でつかみながら良い風の通り道を探していた時だった。


 内壁高さが一キロメートルとソコソコある為ドーム都市ながら屋根に当たる構造物もかなり頑丈さが見える。


 屋根は空港としても機能しており、L-FPTが各航空会社の拠点格納庫も含め見える事が分かる。


 私の持っている『データパッド』に風を当てた途端どうだろう。機嫌が良くなったようでそこそこの速さでデータを読み込んでいった。

 この製品は大抵の旅行者の必需品でA4、二つ折り程度のサイズながら表示情報の細かさには事欠かない。


 グランディアは連邦共和制を引いてはいるが国営企業もある。


 私の持っている『データパッド』は其の国営企業『アリシア』社製の28995年製の型落ち品だが十分使えていて頑丈だったんだが、ひょっとしてミスって踏んづけたのが問題になったのだろうか?それ位でどうにかなる様には成っていない筈なんだが……と思いながら時刻を確認した。


 っと現在時間は『29040:08:05:14:20:34』(年:月:日:時:分:秒が『データパッド』の上枠に表示に表示されている)か、それを見ながら自身のアナログで武骨な時計にも目をやる同時刻であった。


 まぁ電波式自動時刻合わせに魔導標準式の時計だ。


 デザインは武骨なのだが其処が気にいって使うようになった物である。

 昼食には少し遅い時間だがカフェでも空いて無いかなと『データパッド』で地図を検索させ、一番近いカフェの位置を出し歩き出した。


 荷物は年代物のアルミ製の年代物で傷だらけの旅行鞄、一つだけだ、仕事じゃァない。

 そう思いながら周囲を一応気に掛けてぶつからないように歩いていく、ゲート近辺にはヒトが多かったがカフェではヒトが少なめの様だった。


 ヒト・ヒト・ヒトと称する者グランディアはレース人族が多いとは聞いていたが確かに人の方が多い様相だった。

 エルフもたまに見かけるくらいだ、後はニューレース新人族だと思う。

 思うというのは並んでも区別がつかないからである。

 新人族の方が若干綺麗かな程度である。


 原種が居れば相当目立つだろうが……。

 原種のNRさんは居なさそうだった。


 とまぁカフェにまで無事辿たどり着き、遅めの昼になるんだと声をかけ昼食メニューを出してもらう。


 中原だけあって魚料理は少なかろうと思ったがそうではなかった、意外と多いなと思ったわけだが。

 生魚、サーモン種のカルパッチョがあるのか、手を軽く上げてウェイターを呼ぶ、直ぐに来てくれた、

「コレとコレとコレとコレを頼む」と言ってさっきのカルパッチョとクロワッサン・ベーグル数種類とヴィンデージものの白ワインをデキャンタで頼んだ。

 チップで、2ブロス硬貨を渡す。

「ウチの白は良い物ですよ」

「じゃあデキャンタは無しで」と言い換えた、

「では直ぐにお持ちします」といってウェイターが下がった。メニューも手渡す。確かに早目だった、『データパッド』でホテルの予約を済ませている間に。

ワインがボトルで来る確かに良さそうな香りがした。こういう旅も悪くない、行きがけの駄賃で色々寄って予定を組まずに旅をするのも。


 いつもは仕事で雁字搦がんじがらめなのに今日はかなり良い感じだった。

 昼食をすます。

 マネークレップ、ID情報の無いカードで支払いを済ませ早々にホテルにしけ込む事にしようかと思ったが、気分が変わったので都市を見て行く事にした……。


 さてこの世界、都市を説明したが少々長かったかもしれないな。

 地上からはFPB都市間を走って居るもので高速バスみたいなノリのモノから田舎を走る路線バスの様なもの等がある。


 今回は地上からHsFPBを使用し『ギルドシティーからグランディア・フォー』まで一週間程掛かり二シルズ十ブロス電子通貨で支払い、移動してきたので地上ゲートから入ったのだ受け入れがスムーズだったのはID(身分証明書)のおかげである。


 私の持つ身分証明書はギルドナイツの身分証明書でゴールドカラーのモノであったためである。


 仕事が急に入ってくることも予測に入れてギルド証を持ち歩いている私はあまり高価でないギルド証を使うのはギルドの信用とある程度の身分保障が取れるゴールドにしてあったりする。


 ギルドの身分保障は下はブロンズから上はオーロラまであるが。

 一番使いやすいとされるのはプラチナ以下の身分証明書だったりする。

 あまり高すぎても狙われてしまっては意味がないからである。

[文末資料]へ(ギルド証:身分保障は年会費によって変わる)


 HsFPBは街間約34ブロスのバスチケットしかかからない為、そこそこの人気がある乗り物なのである。


 まぁ乾季はだが、雨季はL-FPTの方が人気の様だこの辺りの雨季は雨の量が激しい為、地上交通網は寸断されやすく航空機の方が有利だと言われている。


 長距離になると極超音速輸送機ごくちょうおんそくゆそうき、(英語: HyperSonic Transports、以下 HST)の方が有利だと言われてはいるが少々高くつくため客足はまばらになるが。


 まぁ国家間の移動を考えるとベストなのかもしれない。

 グランシスディア・フォーからギルドシティー間が確か十二時間程で幾らだったかはあまり使わないので覚えてはいないが、ソコソコしたはずだった。

 とはいってもファーストクラスで、百シルズは超えなかったはずだが。


 普段の脚が足だけにあまり使わない物の一種ではある。

 仕事上使う事は合っても金額までは覚えちゃいない。

 まさかこの休暇で使う羽目になるとは思わなかったが。


 市街地を足で歩くのはどうにかしてる、と思いながらHSSTの駅を探す。

 少し歩くとサウザンドゲート駅と命名された駅に到着した車両はHSST-二九〇四〇型の新鋭が使われていた。


 新しい物には心躍る習性のある私にとってはちょうどよかったようで、ワクワクしながら昔はよく乗ったものだと昔を思い出しながらチケットを券売機で四ブロスで買い、乗り込むことにした、少々せまめではあるが椅子が一つ空いていたのでそこに座ることにした。


 目的地は上層の空港駅だ。

 空港からならさぞかし眺めは素晴らしいだろうと考えた為だ。

 ふとスピードメーターを見る時速二百キロメートルの表示がなされていたそこそこに早いらしい。


 無人制御交通が当たり前になってしまった世界では珍しくも無いが子供が前席ではしゃいでいた。


 微笑ほほえましく思いながら、外も緊急事態宣言が出されていなければ綺麗きれいに見える事であろうとも思ったからではあるが。


 この世界実は物騒ぶっそうなのだ外の世界は特に、大型のモンスターがそこいらにゴロゴロしている。

 まぁ都市の近くには大型は少なかったはずだが。

 四つの駅を通り過ぎ、都市の喧騒けんそうを離れゴツゴツしたフレームの向きだしている上層に近づくと窓の外に市街地の様子が見えた。


 中央にセントラルタワー、いつもならあのあたりで仕事をしている筈だ。

と思いながら空港駅に近づいていく徐々に減速が始まりコップの水もこぼれない程に鮮やかに止まった。

 流石扶桑ふそうと共同開発しただけの事はあると思った。


 チケットを回収機に入れ外へ出る、空港の周囲が見渡せるセントラルデッキまで上ることにした。


 この世界は我々の視線からモノを見ると改めて広大な世界である事が分かる。

 改めて言おう、平面世界にしか見えないが、電波望遠鏡で測ると若干ながら内向きの傾斜Rが付いているらしい、つまり我々は極端に言うとすり鉢の中にいる事に成るのである。

 反射望遠鏡を真横に向けてもまっすぐにしか見えないし大気層が厚すぎてぼやけてしまうが。


 この世界の中心核は『恒星シリウス』だ、これは学校で習うので誰もが知っていると思われている。

 幼年学校、初等学校で散々というほど習うのである。

『シリウス』にはある一定の周期で夜化する特徴がある。


 夜化すると夜中となり電光灯でんこうとう魔光灯まこうとうの明かりがないと周囲が見えないくらい暗くなる。(夜は地球時間とほぼ同じなのである)


 月明りだけでカバーするには少々心許ない月ではあるが青い月『ファウスト』と白い月『ホワイトムーン』がシリウスに近い所を夜中の間だけ一定の間隔で並ぶのだが『ファウスト』の方が我々には近いが光量がそんなにない為、手元はやはり暗い。


 近い所にあるのが『ホワイトムーン』であればそんなことは発生しなかったであろう位の明るさになっていただろう。『ファウスト』が青い恒星で『ホワイトムーン』が我々からはかなり離れたところにある、白く輝く惑星なのだが自体発光しているのである。

 恒星にも見えるが天文学者の話では惑星なのだという。


 まぁ『シリウス』を中心核にして巧く夜の側に居続けているらしい遷移軌道はクロスしているらしく『ファウスト』と『ホワイトムーン』が重なることがあるという軌道は重なっていないが『ホワイトムーン』の方が大きいようで『ファウスト』と同じくらいに見えるのだそうである。

 電波望遠鏡での話だから光学観測ではないわけでは有るがかなり大きさが違うらしい。


 光学観測つまり我々が持つ程度の望遠鏡では見えないのかというと……五十シルズ突っ込んでもぼやけてしまうそうである、天文学者に言わすと大気の層が飛んでもなく厚い世界なのだという。

 地球換算で大気の層が一万倍はあるそうである。

(呼吸できる部分だけで……)


 つまり天空から輝く燦々と自然に振る光がどれだけすごい光量を持っているかという事であり、その事実に驚かされる。

 そしてこよみもあるが、一月から十二月まであり月の単位は三十日位前後差はあるので何とも言えないが。


 中原(大陸の中央程)に今は居るので季節は乾季(八月なので)だが比較的涼しくて過ごしやすい確かに雨は余り降らないが全くと言っていいほど降らないわけでは無いが少量は降る。


 思った通り都市外周の緑鮮やかな草原や森林、見る者に事欠かない都市とは違い岩場のゴツゴツ感がある崖迄しっかりと見えた。


 目は仕事柄いい方なのである。


 小さな亜竜が窓辺に止まって居た。

 この程度なら手を出さなければ噛まれることは無い。

 窓とは言ってもかなり大きい窓ではめ込み式の開かないやつで緊急時にはシャッターが下りてくるタイプの窓である。

 危険は無かった。


 周囲を見渡すとL-FPTが何機か群れになってやってくるところであった。


 一瞬何かあったかな?と構えたがどうやら補給に降りて来ただけらしかった。

 徽章を探すほぼこれも仕事柄の癖である。

 グランシスディアの準騎士団ブルーアジュールのモノと直ぐにわかった。


 まぁ特に気にする事では無い、自国の騎士団の演習か何かだろうと思っていたからでもあったが。

 何かあってもID提示で切り抜けられる。そう思って眺めに行く事にした。


 この判断が後々の誤考となるとは露知らず暢気のんきに構えていたのであった。

 折り畳み傘に見える様に魔導光剣まどうこうけんを隠し収納していたのも運の付きだったのかもしれないが、騎士団員と分かる服装のモノとその連れか子供連れに見える女性とが何かめている様だった。

(なんてツキが無いんだ、と思いながら割って入ることにした。とその前にホテルにコールを入れてキャンセルする嫌な予感はこういう時には外れない物であるからだ)


「どうしたんだ?」とさりげなく近づいて聞いて見る、別の部隊員が私を制止するように立ちはだかる。

ここまでくると揉めている内容が聞こえてきていた。


「もうあなた方には頼みません!」と女性制止をする隊員にギルド証を見せてこう割り込んだ。

「いいのか報告すんぞ」さすがにギルド証のカラーと階級を見せられた隊員が引き下がったひきつった顔を見せながら。


もう一人の隊員が(先ほど制止しようと私の方へ来た隊員)もう一度割り込もうとして

「!!」と一瞬にして引きつる。


ギルド証のカラーは兎角、階級の方に問題があった、

『准将』そう書かれているのだ。

ギルドで准将の階級持ち、国際問題になる。

「!!」というのが彼らの認識だったカラーはゴールドにわざわざしてあるのだ。


彼らの上官がやってきたが中佐だった。

「申し訳ありません御見苦しい所をお見せしました、そちらの方をこちらへ戻していただけないでしょうか」と言って来た。


女性は既に子供の手を引っ張って私の後ろにいる。

「『君たちには頼まない!』そう聞こえたが?」と目をマジにさせて中佐に詰め寄る。


「そう言われましても、本国からギルドへお送りする途中でして……」と言葉を詰まらせる。

「その役、私が代わりに引き継ごう、不服でもあるかね? 君たちは女性慣れしてないように見受けられる」と強い言葉を吐く。


「……わかりました上司に報告いたします……」中佐の根はまじめなようだった。

そして、後ろにいた隊員に活を入れると、上司と通信のやり取りを始めたようであった。 


 その間に私は女性の方に振り向いて会釈しIDをお見せする。

そして、

「私で宜しければ、旅の案内をお引き受けしますが、いかがでしょうか?」とそこで初めて気が付いた。


 原種NR・H(ホムンクルス)M型と私の眼力ではそう見えたのと女性と小さいと言っても初等学校の中学年程度の子供である事が。


「できましたらお願いいたします」と女性の方からそうお願いされた。

 私は休暇が終わったことを何となく感じていたまぁそんなにある事では無いが美しい女性と子供のエスコートをするのにはそんなに慣れていないわけでは無い。

 我が艦で無くて良かったと少し安心して、

 子供さんの方には記憶にはなかったがID証と先ほどのセリフを再度繰り返す事にした。

……「お願いする」と少し間が経ってからであったが返答は確かに聞いた。


『データパッド』を開き、エスコートの了承書という画面を開き女性にタッチペンを渡し、

「お書き願えますか?」と伝える、すると女性がサインをし始めたのを機に、中佐の方へ向き直った中佐はどうやら叱られている最中であるらしかった。


 中佐に声をかける、

「よければ代わりますよと」そこそこの声で言った。

 上司と話した方が早いそう感じたのだ、その感覚は間違っていなかった。


「ブルーアジュールの支隊の騎士団長アズレ・レンである、貴方が有名な“金の准将閣下”でありますか」

「間違ってはいないね、女性は先ほど私のエスコートサインに了承の意を表明した、彼女の荷があれば引き受けるが?」


「了承いたしました不徳の致すところ申し訳ありませんがお引き受け願えますでしょうか?」

「解った、丁寧に送って差し上げる」


「休暇中の処本当に面目ございませんでした、直ぐ荷物をお持ちするようにいたします、近場のカフェでお待ちください」と言ったので。

 中佐にそっと渡しながら

「彼女と彼の荷物を引き受けよう」中佐は青い顔をしながら通信機を受け取り、上官と会話した。

 そして

「速刻持ってこさせますしばしあちらでお待ちいただけますでしょうか」とカフェの方を提示ていじした。


「分った、速めに頼む」と言って彼女の方に向き直ると、

「荷物を持ってこさせますのでしばらくそちらでゆっくりしましょうか」と切り出した。


 彼女から『タッチパッド』を受け取る序にお二人の名前も読み取って、『タッチパッド』からHSTのファーストクラスを窓側から並びで4席予約した。


 カフェに入ると、ウェイターがやってきた、そこでも

「お好きなモノを頼んで下さいませ」と言うとウェイターに

「抹茶とプディングをお願いします其々ひとつずつで」と頼んだのを確認し、便数に余裕があるものに切り替えておいた。


『タッチパッド』から三食付きのコースも三名分追加する。


「荷物を引き受けてきます」と女性に会釈をして立ち上がると、ウェイターに制止を促して、自身で荷物の確認に向かった。

「これだけかね?」

「ハッそうであります!」と中尉の階級章を付けた先ほどの者と別の者がやってきた。


 荷物そのものは中型のトランクケースとそのトランクケースの上にバンドで止めてあるリュックだけであった。

 荷物データを『タッチパッド』で受け取る、

「確認させてもらう」と言って

 タグと一致するか確認を手早く行った。

 間違いないのを確認して。

「ご苦労」というと中尉は最敬礼してきびすを返し立ち去って行った。


 荷物はキャスター付きでは有ったので簡単に運べた。

 テーブルまで持っていき、

「これで間違いございませんか?」と確認を取る女性は荷物を丹念に調べていたが直ぐに、

「間違いありません」と答えた。


「HSTの一番いい席を取りましたからまだ時間に余裕がありますので」といって着席し、周囲に気配を配った特にこちらに注目されている様では無かった。

 確かに女性は美しいのではあるが、ここは多種族で賑わう空港のカフェである、特段の配慮はなされていた。


 とプディングと抹茶がやってきた。

 プディングを彼(多分だが皇子)が彼女が抹茶を綺麗に飲み始めた。

 私もアフェリカンコーヒー(コーヒーの中でも薄目の物)のみを頼んで、話し始めた。


 他愛たあいのない雑多な会話で少し硬かった彼女の雰囲気を和らげることに成功した

 こうでもしないと旅行の途中でまいってしまうと思われたからでは有ったが効果はあった様だ。


「准将は……」という女性に

「ウォルドで構いませんよ」と言い、周囲に何事かと思わせてもいけないからではあるが。

「その代わり私も名字で呼ぶことをお許しくださいますか?」というと。


「サキで構いません」、

「僕もアヤトで構わない」と言う返答も出たので。

「では参りましょうかサキ、アヤト」と言ってエスコートする事に成った。

 既にチケットは取れていますのでと、カウンターで『データパッド』を提示しチケットを受け取る。

 サキとアヤトにそれぞれチケットを渡した。


 荷物はリュックのみ手荷物として持っていくようであった、

 私も帯びている武器は非金属性、後はIDカードと顔パスで通った。


 サキとアヤトも無事通ると、HSTが外の風景に見えてくるところであったグランシスディアラインのA-ClassHST(国際線最上級)ではあるので旅の安全は保障されていた様な物であったが念のためボーディングラダーをくぐる前にそれと悟られない様に気配を配って置く特に注目する視線や殺気は感じられなかったのでそのままチケットをリード(読み取らせて)させ機内へ案内する。


 左舷窓側からアヤト・サキ・私の順で並ぶ弐列・弐列・弐列のかなり広いファーストクラスである。


 フライングパワートランスポートの広い室内型ファーストクラスの登場もあってか通常の航空機と言ってもエンジンにマップテック(魔法増幅光子変換式外燃機関=Magic amplified photon conversion type external combustion engine[MAPCTECE])は使用している、ファーストクラスは値崩れしいているのではあるが一席五十シルズまで落ちているのかと思わせるものであった。


 それにしては頑張ってはいるなと思わせるサービスで。私は直ぐに武器のチェックを行った勿論もちろん見えないようにである。


 一応非金属性いちおうひきんぞくせいシンプルダガー四本、レイガン非金属性一丁、魔導光剣一本フル装備ではないにせよ。十分な量ではあった。


 これで十二時間後にはギルドシティーです。

「早く着く物にいたしましたので。少々狭いのにはご勘弁ください」とサキとアヤトにはそう言って置いた、

「食事も三食付きます」といっておく。

「何から何まで申し訳ありません」とサキは言ったが、

「いいんですよ」と流した。

「休暇中だったのでは?」と聞かれたので、

「女性の窮地には休暇は関係ありません」と力強く答えるだけにとどめた。


 私の右側にはだれも乗らないように取ってあったので。

 誰も来なかった、誰か来たらチケットはどうしたんですか?と意地悪な質問をするつもりではあったが。



 特に機内では何事もなかった、そのまま夕食、朝食、昼食と過ぎ、ギルドシティーの上空に差し掛かろうと云うときであった、前方のコクピットで火薬式けん銃音が三発鳴ったのを聞き逃さなかった。


 席を立ち頭を低く取ってレイガンを抜くサキとアヤトには毛布をかぶっててもらう様に指示した。


 後方に耳を澄まし殺気のある気配を確認する一人、前に向かって来ようという所であった。

 前方にも三人程いるようであった。


 最悪自動着陸装置があるにはあるのでそれで何とかするとして、先に後ろの一人を始末しまつすることにした、ファーストクラスの扉を開けようとした瞬間に仕掛けた。


 高速戦闘を意識してAT(アタックタイミング【ATが早ければ早い程先手が取りやすくなる】)を絞る〇.〇五秒でCA(キャビンアテンダント以下CA)に銃を突き付けてファーストクラスに入ろうとした瞬間にその男とCAの間に体を割り込ませ銃をそいつ側に向ける軽く火薬音がして薬莢が飛び上がろうとするが、其の瞬間には私はCAさんを私の席に飛び込ませ男に向かってレイガンを上体の中心にめがけて三発撃ち込んだ。


 その男がのけぞって後ろに倒れ込んでいく、その頃には私は前方に滑り込んでいた分身も追加する四分身特殊スキルだ火薬銃を機内で発砲させて機に穴でも空いたら厄介な事になる撃たせるつもりはなかった。


 四分身でそれぞれコクピットドアロックされているのをいいことにコクピットドアロックを破壊するまさか破壊されるとは思っていなかったのだろう、こちらで立っている。


 分身体Bに銃を向ける男が居たが滑り込んでいる私がそいつの上体の中心めがけて三射レイガンをまたもや穿うがつ。


 その状態で漸く(ようやく)後ろ向きに折れて行った男が床と接触する音が聞こえた。

 CAさんの悲鳴も今である。


 ドア前に居た男を分身体Cで倒れないように支え背面から心臓に一突き入れる非金属ダガーである。


 元々レイガンで三発撃たれているので死亡していると思われるがとどめの一撃である。


 分身体Dでドアを開ける、私こと分身体本体が出て来た男の脚を引っ掛けスっ転ばしたところで、側方から分身体Bで男の銃を蹴り飛ばす。


 分身体Cでその銃を取って床に置く。


 当然、覆いかぶってくる男の胸にレイガンを四発叩き込んだ。


 その男がうめく前に私は立ち上ってコクピット内の惨状を確認する、分身は切れているが高速戦闘はまだ切れていない確認自体は直ぐ済んだがパイロット死亡、コ・パイロットに銃を突き付けている男が居たがその男に残像分身を掛けてアタックタイミングを判別できなくしたうえでレイガンによるコクピット内射撃という荒業でそいつの心臓も抜く二発撃った。


 そいつの手から銃も奪うのと同時に。


 コ・パイさんは何が起こったのかわからず瞬間的に頭を抱えていたようでその瞬間を見ずに済んだようであった。


 絶命した男をコクピット内足元に、投げ捨てる。

 ひどいかと思われる諸氏もいるかも知れないが一刻の猶予ゆうよもなかったのである。


 パイロット席から絶命しているパイロットのベルトを外し席からパイロットの亡きがらをそっと下ろす。


 そして、私が着席させてもらう。

 シートべルト着用の指示を出してくれとコ・パイさんに指示を出す。


 レイガンはもう必要ないと思い高速戦闘を解除しレイガンをしまう。

 ここまでが初動から五秒である。


 状況確認のため機材を見るが犯人たちは機材も殺していたようでメーター類の一部しか生きてなかったアナログであったので生きていた計器類があったのであるデジタルメーターの類は死んでいたのだ……まず。


 コ・パイさんに正気に戻ってもらう少々荒っぽいが脚で脚を蹴ったのであるビビったらしいが状況は瞬時に理解したらしい。


「ギルドシティーグランドコントロール聞こえるか?」とパイロットの標準言語で叫ぶ

「トラブルだ、パイロット死亡代わりに軍用機しか飛ばした事の無い奴が主コクピットに座っている!」


「GA237便聞こえるかGA237便!」

 コ・パイさんが状況のひどさを読み上げて行く。

「デジタル計器死亡・アナログ計器も半数がだめだ!マニュアルで着陸させるしかない」


 チーフパーサーがコクピットの状況を見に来る。

「!!!」声も出なかったらしい、そっちの方が助かったが。


 今は自動操縦で飛んでいるのが分かる位に計器類は知っていたのが幸いした。

「GC(グラウンドコントロール以下GC)あとどれくらいで圏外に出る?」


「GA237便あと一分でこっちの管制下から出てしまうターンを!」

 私がチーフパーサを見つけると、チーフパーサーは直ぐに機長でない事が分かった様ではあった、GCが私を知っていることを前提に「こちら金の提督GCそちらから誘導してくれ」


 チーフパーサーだと云うのは襟の印で分かったので、

「全乗客に着陸態勢に入る様に指示を急いで」とだけ叫んだ。


「GCよりお帰り金の提督舵を左にゆっくりと切ってくれ」と言われたのでなるべくゆっくり左に切り始めた、それでも戦闘機とは勝手が違う様で。


「GCより金の提督、速いもう少しゆっくりでないとキャビンが大変な事に成る」と言われ、舵を少し戻した。


「GCより金の提督その調子だそのまま十秒維持」、そのころ客室ではCAさんによる犯人に毛布をを被せる作業が発生していた。そのままにして置く訳には行かないからである。


 そのまま毛布の上から括って固定する。すると機体が大きく揺れたちょっと舵を切り過ぎた辺りである。


 そのまま平常のターンに近いとこまで舵が戻って機体が安定する。乗客がざわつき始めた。


 するとチーフパーサーから、

「気流の乱れが発生しておりますがご安心ください、着陸態勢に入りますので皆様シートベルトの着用をお願します」と案内が入ると乗客のざわつきが元に戻った。


 尋常でない対応を見せつけられたファーストクラスの乗客はパニックしていたが指示には従ったようだった。

 サキとアヤトも同様である。


「GCより金の提督舵をゆっくり戻し始めて垂直に戻してくれ」

「了解したGCそのまま誘導を頼む」

「GCより金の提督、一番長い滑走路に沿わすから」降下開始してくれ……。


 少しして

「GCビーコンは掴んだ」コ・パイさんがGCに報告した。


「GCより金の提督、今日は風が緩いそっと下ろしてやってくれ流されることは無いはずだ……」

「金の提督了解、降下開始する」


「脚出せ」と指示を出す。

「脚のロック確認しました」……


「機種少し上げ……」……

「タッチダウン……エアブレーキ全開リバーサー展開ブレーキに異常なし」


 コ・パイさんが距離を読み上げて行く、

「7000……7500……停止」

「金の提督よりGCカート回してくれエンジン停止した」

「GC了解、おめでとう金の提督」……


 コ・パイさんとチーフパーサーに事情を簡潔に話したIDを見せながら。

 理解致しました報告書の件があるのでメールが回ると思いますがよろしくお願い致します。


 との事だったのでえりを正し上着だけは汚れてしまったので折りたたんで少々草臥しょうしょうくたびれた姿でコクピットの方から歩いて行った「サキ、アヤト無事か?」……


「はい無事です」とサキ

「HSTも操縦できたのですね」とアヤトが目を輝かせながら言った。


「まぁな」と言い『データパッド』を開き指示を転送する。

『GA237便で降りた迎えをよこせ5人乗りの奴だ黒塗りでいい』

 とギルドから早々に迎えが来ていた。エンジン停止したGA237をカートで引っ張ってボーディングラダーのところまで行くと目ざといブンヤが集まりかけていたので早々に退散する事にしたのである。


 荷物はデータと写真を入れておいたので回収されていた。

 サキには、

「荷物は部下が回収したからこっちにある」と言って早々にその場から撤退した。


 黒塗りの7人乗りリムジンが到着していた、確かにその横に荷物も置いてある、

「こちらです」と部下が手を振った。


「セダンでいいと言わなかったっけ」

国賓コクヒンをお迎えするのにセダンて訳にはいかないですよねー」情報はある程度抜けている様だった。


 ドアを部下が明けると、

「アヤト皇子殿下どうぞ」と言う、アヤトが乗り込む、そして続けて、

「サキ・ハルカ様どうぞ、荷物は後ろに載せますか」


「はいお願いします」と言ってサキが乗る、フロント側のドアを開けながら

「提督どうぞ」と言われたので、

「分った急ぎここを離れるぞ」ブンヤが来る。


 と言って乗り込み、部下も手早く

「行きましょう」と言って乗り込んで車をスーッと横に移動させてから前に出す。後三十秒遅れていたらブンヤに囲まれる処であった。


 ギルドシティー側のゲートではすんなりと事が運んだが、エアポート側のゲートでは少々めそうになって部下にたしなめられてしまった。


「仕方ないですねー」と部下。

「そー言うあれか」とウォルド。

「くすくす」とサキとアヤトは笑っていただけでは有ったが。


で別れが近づいているのは分かっているようでもあった。

 ギルドのシティー側のセントラルタワー側入り口で。

「では、また良いご旅行を」と言ってサキとアヤトが荷物をそれぞれに持ってギルドのエントランスに向かって歩いていく。


「また何かあれば呼んでくれ!」と言って手を挙げた。

 処で二人とは別れそのままリムジンに乗る。


 休暇は返上してしまったのでベースに行くしかなかったのだ。

「回してくれ」と部下に言うと、

「解かりました」という返事と共にベースへの道に乗った。


 そして基地ゲートをくぐり、自らの艦船SL-FPTまでやってきてそのままサイドのランディングボードから乗り込む。

「お早いお帰りで」と皆口々に、

「お、今日の英雄様のお帰りだ」好きなことを言い囃し立てた。

「少し早いというか休暇はあと2週間はあるんだぞー」と私が叫ぶ。


 人貨兼用のEV(エレベーター)前で部下が止めた。

「ここからはご自分の脚でどうぞ」と部下がいった

「車はいつも通りの場所に置いておきますので」とつづける。


「おう」と言って降りる私。

 人貨兼用の大きいEV前で少し待ち、貨物と一緒に乗り込むそしてブリッジにいったん上がり。

「皆、元気でやってるか」と声をかける、

「お早いお帰りで」と船長らが軽く敬礼を返す。


「執務室にいる何か合ったら連絡をよこせ」とだけ言って執務室へ歩いていく。

そしていつも通りの執務室に帰る。


第二話に続きます。

[文末資料]--------------------------------

【】:ゲーム内データー等です。

[]:英語名正式名称です、又は注釈や換算内容です。

[]:略式名称です

*:区切り記号の頭出し

とさせて頂きます。


Data pad:『データパッド(社名/年代)』と続く。

 例:『データパッド(アリシア社製二九〇三九)』となるのである。

 この製品は大抵の旅行者の必需品でA4、二つ折り程度のサイズ(開くとA4、収納時はA5)ながら表示情報の細かさにはこと欠かない。又、ギルドが規格統合を図っているだけあり五千年は規格(片面厚み2mm、重量、0.25kg、魔化強度125以上、命令実行速度:99.9QIPS [(Quadrillion Instructions Per Second) 1000兆命令毎秒] FLOPS:99.9Y、最大稼働時間:1MPで5年基本、データ格納99ヨタバイト[99Yotta Byte (99YB)]、外装『チップメモリ』スロット四基以上十六基まで:0.005~1.1mm厚みまで 対応データ対応:エクサバイト[Exa Byte (EB)]~ヨタバイト[Yotta Byte (YB)]に対応、専用有線ペン:0.03kg ワイア長伸縮:5~1500mm ワイア:魔化強度:125以上 重量:0.005kg、防水防塵対衝撃:完全対応、対候性:-250℃~2000℃、属性耐性:雷氷炎水海 属性変換効率:200%、最大耐圧:YPa[ヨタパスカル]、浮力:0.5kg)が確定された規格で5千年は変わらない代物となっている(ここには『データパッド』が四社年代もバラバラで出て来てはいるがギルドに依り規格統一がなされているのと、データ容量もかなり大きく困ることは無い実質的にモーションデーターであってもワンモーションが軽い為数百数千の単位で受けても問題ない位である。ギルドの規格統一は二九〇〇〇年製からの規格統一であるが『データパッド』という名称で登録規格になっている、一規格辺り五千年は動かないので長命種、であっても問題なく不老であっても『データパッド』を受け継いでも問題ない様になっているのである。それだけ余裕のある規格になっている各社とも規格以上のモノを創るということに必死になってはいるが。一重にデザイナーたちの先見の明あっての物種ではあるが、そういう規格物である、二九〇〇〇以降製の値段は一から二シルズ[日本円換算で一万円~二万円]である。詳しくは記載無いが型落ち品と呼ばれる二八九九九年製以前のモノもまだ市場には出回っており、十ブロス[日本円換算で千円]程度の安さで入手できることが知られている)。


特別記載:『データパッド』のデータ単位と『チップメモリ』対応可能年代

:【ここから『チップメモリ』対応規格】

単位:読み方    :乗数   :29000年 :24000年:19000年:14000年

 GB:ギガバイト  :1000^3 :非対応 :非対応 :非対応 :対応

 TB:テラバイト  :1000^4 :非対応 :非対応 :対応 :対応

 PB:ペタバイト  :1000^5 :非対応 :対応  :対応  :対応

 EB:エクサバイト  :1000^6 :対応  :対応  :対応  :非対応

 ZB:ゼタバイト  :1000^7 :対応  :対応  :非対応 :非対応

 YB:ヨタバイト  :1000^8 :対応  :非対応 :非対応 :非対応

        表示画像詳細規格:32K-16K:16K-8K :8K-4K :4K-1K

 となっており→本体に価格を記す:2S~1S :10B :1B   :価格不明


 ※価格は本巻末資料最後尾を見られたし。14000年製は既に骨董品と化している。


Magic standard formula:魔導標準式、自身の【MP(メンタルポイント)】を微量使うが其れに依り駆動するシステムの時計、逆に言えば自身が生き続ける限り動くのを辞めない時計でもある。


Demonization:魔化(デモニゼイション)

 特殊な魔法を掛けその効力で持って永続的に強化する事。

 魔化強度10程度で標準的(9㎜P口径程度)な火薬式拳銃の威力が止まる。

 魔化強度50程度でブラスターエネルギーが止められる。レイガン程度なら20も有れば止まる。この世界では硬貨等にも魔化が付与されており、一般的には知られてないが色々なところに魔化されたものが転がっている。非常に危険な世界であるとも言えるが。


Guild:ギルディアスの事 ギルド国の実情と言うモノ。

 元々はギルドの塊が母体であったが、各地にある危険地帯を管理するうちに主権を得てしまう。冒険者ギルドを筆頭に盗賊ギルド、職工ギルド、商人ギルド、傭兵ギルド等の集合体ではあったが、各地を管理統括するうえで必要になってくる主権を避けられず広大な危険地帯を管理する国として成立してしまう、危険地帯はその名の通り稼動している遺跡もあれば危険な生物の巣であったりする、又はその双方がかみ合った最も危険な地帯となっており国(この場合の国は1国程度)では管理しきれないところを指す。現在ギルドが管理している危険地帯は凡そ300以上となっているそのどれもが国と国の、境界線上になって居たりする。この為ギルドに口出しする者もいればそうで無く管理を依頼する者もいるのが現状で、一概には何とも言えていないのが実情である、傭兵ギルドも中には入っているので国同士の喧嘩やイザコザなどにも顔を出すことがある。そのまま平定してしまう事もあればギルド内紛に近い行為のヤラセ試合のようなこともする。のが傭兵ギルドであり、傭兵を貸し出すことで生業を得ているギルドもあったりする。主に危険地帯の管理は冒険者ギルドの管轄であるが、そこでしか取れない貴重品などを得ようと職工ギルドが絡んでくる場合もある。

 主にギルディアスは評議会制で成り立っており議長は現時点で竜族の長老の一人である、ヴェルーガ・カイマン・ヴィードリーである。各種族からも代表は出ているし各ギルドの長も入っての評議会制となっている。ここで言う評議長とギルドの長は別物である、ギルドの代表たる長は評議会で選ばれた評議長ではなく、評議会で選ばれるが、ギルドの最高権力者と云う意味を持ちを持ち評議会を統率するだけでなく、各国の大使とも話をできる人物が選ばれている現在の最高権力者はヨナ・ヴァシュマール3世で現時点で79歳になるレースの代表である。

 基本的に最高権力者は短命種か標準種から選ばれる事が決まっており、それが変わる度に新しい風をギルドに取り入れられるという価値観の元世代交代が行われる事になっている。

 評議長に関しては逆に長命種から選ばれる事が決まっておりこれもまたギルドの価値観だったりするので従っている方は仕方が無いの一言で済ませている。この仕組みを創ったのは初代冒険者ギルドの長らしく、未だに使われているところを見ると安定した作りなのであろう。ギルディアス自体はギルドに入ってい居れば各ステータスに応じて対応がなされた入りする。そういう決まりになっている。ギルディアスの主都はギルドシティーで現在も変わらずである、都市の大きさを考えれば創建当時よりも大きく超巨大都市となり、大型のシティー10数個分になっている。(創建当時の都市そのものがギルド上層部に成っている)

 因みに種族会議との蜜月関係はかなり前から続いており、今や誰もそのことに付いては口やかましくは言わない、そう云うモノだと理解されているからである。因みにこの関係は2万年前くらいに種族会議で決められたことが正常に通らなかったことからギルドに管理が委託されたと言う所から始まったもので。今日に及ぶまで崩れたことは無い。


Guild証:ギルド証(ギルドID証)

 全ての『職能ギルド』及び『ギルドナイツ』は、『ギルド上層部』が管理しています。現在の最高権力者はヨナ・ヴァシュマール3世で、最高権力者直下の組織の秘書課管轄でギルド証(ギルドID証)が管理発行されています。

ギルド証は国元から発行されているID表を一度ギルドで預かり、其れを基にギルドで国際基準になる様にセキュリティーなども強化しギルド証として発行されます。

ギルドにおけるステータスにも成って居ますが、年会費が有り其れに依りステータスが決まります。

最下から、

□ブロンズステータス[年会費/100B][100ブロス=日本円換算で1万円]、

□シルバーステータス[年会費/500B][500ブロス=日本円換算で5万円]、

□ゴールドステータス[年会費/10S][10シルズ=日本円換算で10万円]、

□エメラルドステータス[年会費/20S][20シルズ=日本円換算で20万円]、

■プラチナステータス[年会費/50S][50シルズ=日本円換算で50万円]、

■ダイアモンドステータス[年会費/100S][100シルズ=日本円換算で100万円]、

■ブラックオニキスステータス[年会費/10G][10ゴルト=日本円換算で1000万円]、

■オーロラビジョンステータス[年会費/100G][100ゴルト=日本円換算で1億円]、最上と成って居ます。プラチナ以上のステータスに入る場合審査が有り其れに通らないと昇格させて貰えません。又、このステータスは各種権利になっており、侵入禁止区分の進入可不可、や有料カードスロットを使用する際などに無料になる場合があります(ブラックオニキスとオーロラビジョンの2種だけですが)。

★ギルド証(ギルドID証)の表面に記載される物。

ID管理番号、所有者名、職能ギルド名、ステータス階位、階級や役職、魔導式四次元バーコード、年齢、性別、等である。基準で載っている物を掲載した。人に依り此れに更に加えられる。又ギルド証は魔化強度[標準規格で50]もあり高強度を誇る。


Hyper Sonic Transport:HST(エイチエスティー)極超音速旅客機

 マッハ6以上の極超音速で飛行し、大陸間の洋上を移動する交通手段で実用化されたが、現在は超音速輸送機よりさらに高い高度30km以上を飛行するため、ソニックブームの地上への影響が小さくなることが分かり、大陸上を飛行するルートが一般的となっている。


High Speed Surface Transport:HSST(エイチエスエスティー)高速地表輸送機関

(高速地表輸送機関がHSSTと呼ばれる、グランディア連邦共和国内で使用されているものは扶桑皇国との共同開発で創られた磁気浮上式鉄道を主に利用している)

(磁気浮上式鉄道[じきふじょうしきてつどう、英名: Maglev]とは、磁力による反発力または吸引力を利用して車体を軌道から浮上させて推進する鉄道のこと。)


ID table:ID表(アイディーヒョウ)

国元から生まれた際に発行される、全世界共通のID表です。これを基に国民を管理社会に引き込み色々な措置を測るモノの基準として扱われます。生まれた際に発行されるのでDNA等の個人情報も入ったカードであり、その個人以外が使用しても意味の無いものとなっています。なりすましや偽造防止の処置も入っている為、他人が持っても意味の無いものでは有ります。魔化もされておりますが15程度とそんなに高くはなく強度不足だとして、新たな国際基準が設けられる予定に成っています。これを無くすと様々な国民サービスなどが受けられなくなるため、基本的に貴重品として扱われます。


Large FPT=L-FPT:(おおがたフライングパワートランスポーター)

 超大型の客船や輸送船等をお空に飛ばしたものだが、形状は船のそれでは無くて空力的にシャトル形状が一番近い[超小型[ES]・小型[S]・標準型[ST]・中型[M]・大型[L]・超大型[SL]・規格外[NS]とサイズはあるが大手航空会社が使っているのは大体において大型[L]]高速飛行もできるがマッハ2.0~3.0位が関の山でHSTの速度には劣る。


NR:ニューレース(新人族)、人族が世代交代を進めている新しき人族の事。

NR(ニューレース)とは滅びの道を走って居た人族に、超龍から与えられた三重螺旋構造を持つDNA型を持つ新たなる強靭な人族として世代交代が今行われている最中の者達の事。NRの強みは一様に寿命が長くレース種のDNAがで九十九歳未満であるのに対し、九百九十九歳と長々寿まで生きるのは保証されていた、そこから先長いのか短いのかは運命で決まっていると言われる。要はレース種の十倍は生きられるという種族なのである。更には美しさ多少も有りレース種では種族限界であった枠を超え成長できる種族制限突破能力も持っていた。この基本特徴は種族のタガを超えて成長できるというモノであった。最初は人から創られし者だった、が次第にニューレース種との交配(交配種というNRが創られている)により増えていった、ニューレース種はレース種との交配で間違いなくニューレース種をはじき出すモノではあるが、その絶対数が少なく増えたといっても全人口の五パーセント止まりでもあった(二八〇四〇年時点)。ニューレース種との交配により人族は新人族へ、滅びの道からは外れてはいた。グランディア暦二九〇四〇年のこの世界での、種族比はレース種三十パーセント以下、ニューレース種十五パーセント以上、エルフ種二十五パーセント未満、龍種一パーセント未満、竜人族種九パーセント未満、シーレース種五パーセント未満他種十五パーセント未満となっている。

レース種⇒ニューレース種になって生まれて来るのに、NRがRより弱い訳ない。

・遺伝子はほぼ良性、自己修復力とも相まって、通常の医者を必要としない。

 DNAは三重螺旋の立体構造である。

・再生能力が上がっている。基本特殊能力に【再生Ⅱ】を持つ。

・能力を強化されているためレース種と比較にならない位能力が上がっている。

・精神的にもタフである。

・よっぽど重篤と思われる時だけ、アルケミー(NR)デザイナー(最高位の医者)の力を借りなければならない。

・外観からではNRなのかRなのかの判断はほとんどできない。

■原種NRとの違い(人族再生計画の肝である、交配種であるが原種NRとは違った終末を迎える事が知られていた。)

交配種であるニューレース種とも違うパターンであった。交配種であるNR・N、NR・K、NR・M達は普通に成長し成人するまではレース(人族)と同様ではあるがそれ以降九百九十歳くらいまでは老いないのである九百九十歳を過ぎると徐々に老いていくのである寿命が尽きるまで老い続ける。九百九十九歳を超えても尚生きる者も居れば、九百九十九歳を迎え臨終する者もいた。九百九十九歳以降は運命の要素が強く噛むことが知られているだけで詳しい解明には未だ至っていない。


MAPCTECE:魔導増幅光子変換式外燃機関=[英語:Magic amplified photon conversion type external combustion engine]略語[MAPCTECE]=以下マップテックがエンジンユニットの正式名称です。正確に書くと上記英文の様になります。システムの内部に強力な魔導エネルギー触媒をもち、システムの外部、コア領域と繋がった外部でエネルギーを生み出す機関のことで搭載されている車輌・船舶・兵器の外部フィールドに魔導で拡張された4次元空間を持ちその内部でエネルギーを発生させるマジック・エクスターナル・コンバスジョン・エネルギー、略語[MECE]マジック・エクスターナル・コンバスジョン・エンジンから発生するエネルギーのことであり魔法で増幅された光子を変換し超々強力なエネルギーによって発生する。エネルギーがもつ圧力そのものによりMMや各機材の機体各部にあるマジックパワーシリンダーを稼動させるほか、マジック・ファンクション・タービンによる再増幅、マジカルエフェクターを介した電荷変換によってMMや他の機材の稼動に必要な魔力や電力を供給する。また、マジカルエフェクターは電気以外にも魔導力・魔法力・精霊力・魔力・呪力・電気の様な様々な形態のエネルギーに変換することが可能であります。

 グランディアに存在するありとあらゆる乗物に搭載されている魔導エンジンであるが、その中でもMMに搭載される魔導エンジンが最も強力で大容量のエネルギーを生み出すことが可能である。少ない光子量の夜などでも安定してエネルギーを供給できるのがMMに搭載されているマップテックだと言われている。


MECE:一と二が存在する為下記に書き分ける。

一:マジック・エクスターナル・コンバスジョン・エンジン[M・E・C・E] 

MMの心臓となる魔法増幅光子変換式外燃機関(マップテック)。主に光もしくは光子を魔法増幅してエネルギー源とし、MMの稼動に必要なマジック・エクスターナル・コンバスジョン・エネルギーを生み出すエンジンである。内側からマジック・エクスターナル・コンバスジョン・コア、コア外郭部内壁、エネルギー放出外壁の3層で構成されており、さらにこれらを包むエンジン外部遮断ジェルとシェルによって大抵(偶に四角だったり真円だったり三角だったりする事もあるが、基本形は)卵形の外観をもつエンジン・ユニットとなる。エンジンで発生したマジック・エクスターナル・コンバスジョン・エネルギーは、ファンクション・タービンへ送られて再増幅と分配が行われる。MMを構成するパーツの中で最も頑丈なパーツであり、たとえ機体が爆発四散したとしてもエンジンだけは再利用が可能とされる。グランディアに存在するありとあらゆる乗物に搭載されている魔導エンジンであるが、その中でもMMに搭載される魔導エンジンが最も強力で大容量のエネルギーを生み出すことが可能である。少ない光子量の夜などでも安定してエネルギーを供給できると言われる。

二:マジック・エクスターナル・コンバスジョン・エネルギー[M・E・C・E] 

マジック・エクスターナル・コンバスジョン・エンジンから発生するエネルギーのこと。魔法で増幅された光子の変換によって発生する。エネルギーがもつ圧力そのものによりMMの機体各部にあるマジックパワーシリンダーを稼動させるほか、マジック・ファンクション・タービンによる再増幅、マジカルエフェクターを介した電荷変換によってMMの稼動に必要な魔力や電力を供給する。また、マジカルエフェクターは電気以外にも魔導力・魔法力・精霊力・魔力・呪力・様々な形態のエネルギーに変換することが可能である。


MM:究極の魔導機械兵器マジックマシンの事である。詳細は此処ではなく、『異郷幻想史グランシスディア戦記 グランシスディア・ゼロ駐屯のギルド支部隊の話』の方に記載する。


Prototype NR・H (homunculus) type:原種NR・H(ホムンクルス)型ニューレース種の原種である、アルケミーデザイナーの創った胚からしか生まれない。

 アルケミー(NR)デザイナーによって創り出されるのが原種ニューレース種である。特に原種NR・H(ニューレース・ホムンクルス)原種NR・Mc(ニューレース・ムーンチャイルド)が有名である。何故有名かというとナイツ、メイジのパートナーとして戦場に赴くからである。国を挙げての戦いに赴くには可憐な容姿が目を引き点けるのである。

 H型とMc型は、創り出され成長を止められた段階で【不老】の特徴を得るのであるが、成長の止め方は5パターンに分けられ予め決められていた。童(SS)型・少(S)型・清(M)型・青(L)型・成(LL)型の五パターンに分けられていた。童(SS)型は一番若く実年齢に換算し直して十二歳か十三歳位であった、一番若く成長に期待が持てる一方で精神の不安定さは一番大きく抱えていた。少(S)型は十四歳十五歳位で童型と近いが若干大人びている分精神はまだ安定していたがそれでも不安は残った。清(M)型は十六歳か十七歳位を前提にされており一番双方ともに安定していた。青(L)型は十八歳か十九歳位を前提にされており安定感は合ったが成長の伸びしろが余りなかった。成(LL)型二十歳から二十四歳位を前提にされており精神安定性は抜群であったが伸びしろが殆どなかった。逆に言えば成型は初めからMAX百パーセント出せるが百パーセント以上は狙えなかったとも言える。婚姻を前提にするならば青型か成型が基本であり。他の型を選ぶと色々世間体にも響いたようだ、特に貴族社会においては其れが致命的な物になり階段を転げ落ちたものが可成り居たと聞く。

 実際に交配する方のNRは原種(交配種)NR・Nと呼ばれるタイプで成人年齢からしか選べないモノが基準となっている。



Race人族:R(レース)

 グランシスディア世界ではレース事、人族は様々な要因から滅びへの道に一直線であった。主に紛争や、熾烈な国境線争いなどの戦争が主であった。と言われている。科学や様々な物の発展に依る寿命減少等もあり、新たな種に生まれ変わる事を持って滅ぶのを防ごうという流れにあったのである。



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