クロ

私は全世界共通の神竜神カルローナが治めるエーリャン大陸の北にある山脈で家族と暮らしていた。もちろん狼人族だから狩りをして生計を立てていた。その中で私は特別であったのだろう。なにせ一族はみな真っ白な毛が生えているのに私だけ真っ黒なのだから。

その容姿のせいで奴隷商に目を付けられ強引に連れていかれた。何人目の前で死んだか....思い出したくもない。

そして捕まってまだ半年...そこであまり年齢が変わらない人間の女の子に買われるとは....


「とにかく、そんなぼろっちぃ布なんか着ないで、可愛いんだからさ、

御洒落しよ?」


(何を言いてるんだこのご主人様は....でも御洒落はしてみたい....)

クロの中では買われた身としての自重心と欲望との間で葛藤していた。


「しかし、私のような奴隷が御洒落なんか....」


私は奴隷、贅沢なんてできない....。


「え~~~~、ダメね、さすがにその恰好じゃあね?これ命令だから。」


............こんなご主人で大丈夫なのかな?






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