とある旅の物語

何処かのあきぐも

序章

旅の始まり

世界の果てってどこにあるの?

無邪気だった私は童話の物語の場面のことを母に聞く。

母は微笑みながら、


「空よりも遠いけど、歩いて行けるんだよ。」


まさか母はその時は本当に行くとは思っていなかっただろう。


「ほんとに、行くんだね?」


涙を浮かべながら母は問う。父は何も言わない。


「心配しないでお母さん。何のために冒険者になったと思ってるの?自衛する術も完璧なのよ?それにCランクにもなったんだから。」


この世界の冒険者のランク階級はAからでE言わずもがな彼女はかなりの実力者であった。それに親には隠しているが剣聖という神の祝福(ギフト)を持っている。

その中でも剣聖というのは最もまれだと本に載っていた。


「じゃぁ、行ってきます。」


そういって、腰に剣、携帯食料を入れたリュックを背負う。

去っていく娘を母はついに我慢できずに泣き崩れる。

父親は心配そうにこちらを見つめる。


「そんな顔しないでほしいなぁ。こっちまで泣きそうになるじゃん...。」


泣きそうになるのを必死にこらえる。

そして世界の果てを目指して西に向かって歩く。


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