ナルシストと素直クール

Natsu

第1話

『ピピ……ピピ……』

「…………ん」


 無機質な機械音とともに俺は目を覚ます。

 体を起こし、うるさい電子音を止める。

 カーテンを開けると、俺の目覚めを祝福するかのように、眩い太陽の光が降り注いだ。

 満足するまで日差しを浴びた後、俺は寝間着のスウェットを脱いで全身鏡の前に立つ。

 時折ポージングをしたり、キメ顔をしたりする。うん、今日もばっちりだ。

 そして俺は鏡面に顔を近づける。

 鏡に映るのは金髪の美少年。

 艶やかでサラサラな髪、白くてすべすべな肌、ぱっちりと開いた二重の目。

 ああ、素晴らしい。

 突然だが、皆さんにはお決まりのモーニングルーティンというものはあるだろうか。

 伸びをしたり、ラジオ体操をしたり、音楽を聴いたり、テレビを見たり。人それぞれ違ったルーティンがあるだろう。

 ちなみに俺にもある。


「はあぁぁ……今日も俺カッコいい…………」


 鏡に映る自分の姿を堪能しながら、自画自賛する。

 これが俺、成田静なりたしずかのモーニングルーティンだ。


 



 

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