異形だが異常ではない愛

@APP18

第1話 その先に待っているのは

私の名前は紀見塚健夫、ある大学の名誉教授だ。


 私は今、世紀の発見を目にしようとしている。


 目の前のケージには人の身体を持ちながら狼か犬の顔を持ち、肌がゴム質のような物で形成されている何かがいる。


 この研究所にいる職員の全員がこのような生物を見た事が無いという。


 発見されたのは研究所近くの地下鉄だ。


 詳しくは知らないが何やら線路の上で眠っていたらしい。


 呑気なものだ、ここの職員の発見が遅れていれば今頃肉塊になっていたというのに。


 さて、まず何故私がここに居るのか、それは私は心理学部の教授であり、ある薬を制作したからだ。


 それは動物に人間と殆ど変わらない自我を芽生えさす薬だ。


 そこからその生物を教育していけばその生物が持つ新たな発見に繋がるかもしれない。


 辺りの職員がケージを開け生物を押さえつけ始める。


 そろそろだ、薬が打たれる。


 謎の生物は、注射器の針から逃れようと必死に抵抗しているが、四人がかりで抑え込まれ、ついに注射された。


 意識が朦朧としてきたようで、謎の生物は目を瞑り眠りについた。


 ここからどうなるのか、成功しているのか? 

 百匹以上の生物で実験して来たから効果は確かな筈だ。


 目を覚ますのが楽しみだ。

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