第9話 観覧車から

待ちに待った遊園地。

駅で待ち合わせて、セイヤの車で遊園地へ。


けんた「はじめまして。」

セイヤ「あ、はじめまして。かすみちゃんから色々聞いてます。よろしく!」

けんた「こちらこそっ!」

ゆか「私もはじめまして、でしたっ。」

セイヤ「ゆかちゃんの話も聞いてますよ。よろしくねっ!」

セイヤ「じゃあ、車にどうぞっ!」

ゆか「おじゃましまーす。」

かすみ「どこに乗れば?」

セイヤ「けんたくん助手席でも大丈夫?」

けんた「僕はどこでも。」

セイヤ「かすみちゃん、ゆかちゃんは後ろの席で一緒にどうぞ。」

ゆか「おじゃましまーす!」

けんた「失礼しますっ。」

かすみ「セイヤさんお願いします。」

セイヤ「よしっ、出発!」

ゆか「いざっ、遊園地へー!」


富士山近くまで行くので早朝出発。

役1時間半の道のり。

天気は雲ひとつない青空。

順調に進んでいく。


セイヤ「けんたくんって歳は?」

けんた「29です。」

セイヤ「あっ、じゃあ僕だけ30代のおじさんってわけだー。」

かすみ「3歳しか変わらないじゃない?」

ゆか「でもけんたさん1歳違いで近いね。」

かすみ「29歳って、今年29歳?」

けんた「はい。もう誕生日すぎたので。」

ゆか「じゃー同じ歳じゃん!」

かすみ「そーねっ。同じ。」

セイヤ「それじゃ、三人一緒って事だ。」

けんた「そーなりますね。」

ゆか「な〜んだ。じゃ、おいっ、けんた!」

けんた「はいっ!!」

ゆか「なーんちゃって!」

かすみ「も〜!ゆかちゃんっ!」


『ハハハッ』


セイヤ「あっ、パーキングエリア。」

ゆか「トイレ行きたーい。」

セイヤ「じゃあ、寄りますね。」

かすみ「私も。」

ゆか「行こっ。セイヤさん、けんたくんはトイレ大丈夫?」

セイヤ「僕は大丈夫。けんたくんは?」

けんた「僕も大丈夫です。」

ゆか「じゃー、行ってきますっ!」


セイヤ「明るい子ですね。ゆかちゃん。」

けんた「そーですね。」

セイヤ「けんたくん遊園地好き?」

けんた「乗り物は好きですね。行くの久しぶりですけど。」

セイヤ「普段車は乗るの?」

けんた「はい。一応車持ってるので」

セイヤ「じゃあ、ジェットコースターなんかも全然へっちゃらだ。」

けんた「速いのは、ちょっと苦手かもー。」


ガチャ


ゆか「お待たせしましたっ。」

かすみ「じゃあ、行きましょうか。」


富士山がこんなに近くに。

遊園地も見えてきた。


ゆか「着いたー!」

セイヤ「到着。」

かすみ「運転お疲れ様です。」

けんた「ありがとうございました。」

セイヤ「じゃー、遊びますかっ!」

ゆか「おーーっ!!」

かすみ「私乗り物はー、」

セイヤ「大丈夫!みんな一緒だし。」

ゆか「けんたくんは平気でしょ?」

けんた「速いのはちょっと〜。」

ゆか「もーっ、男の子でしょっ!行くよっ、

ほらっ、けんたっ!」

けんた「あっ、はいっ!」

セイヤ「まずはジェットコースター。」


『キャー!』

『ヤッホー!』

『…』


かすみ「ゆかちゃん楽しそー。」

ゆか「楽しー!」

かすみ「おっかなくないの?」

ゆか「ぜーんぜんっ!」

セイヤ「次はー、あれっ?かすみちゃん?」

かすみ「ちょっと休憩したいかな。」

セイヤ「じゃー休憩しますか。」

ゆか「じゃー休憩がてら、けんたくん観覧車行くよ〜。」

けんた「あっ、はいっ。」

セイヤ「ゆかちゃんホント元気ですね?けんたくんも楽しそうだし。」

かすみ「うん。よかった、けんたさん楽しそうで。ゆかちゃんが無理に誘ったから。」

セイヤ「そんな事ないと思うよ。けんたくん、すごく楽しそうだし。」

かすみ「確かに、あんなに笑ってるの初めて見たかも。」


ゆか「早くー!」

けんた「よしっ、乗りますか。」

ゆか「なんかカップルみたいねっ!」

けんた「そう見えますかね〜。」

ゆか「なーに!?私じゃ不満っ!?」

けんた「いやっ、そーじゃなくてっ。」

ゆか「冗談、冗談!」

けんた「もー、ゆかさんったら。」

ゆか「えへっ。」

けんた「よいしょっと。」

ゆか「おしっ、いざっ、天辺まで!」

けんた「結構ゆっくりだ。」

ゆか「あれ?かすみちゃん!んで、セイヤさんはー、あっ、トイレの横。」

けんた「セイヤさん電話してるねっ。」

けんた「電話…?はっ!?」

ゆか「どうしたの?」

けんた「セイヤさん、あの川沿いの道通る事ある?」

ゆか「よく知ってるねー。かすみちゃんあの川沿いの道でセイヤさんと出会ったの。」

けんた「そっか…。」

ゆか「それがどうかしたの?」

けんた「最初からセイヤさんどっかで見た事あるような気がしてたから。」

ゆか「よくジョギングしてるらしいよ。」

けんた「僕、あの道毎日コタローの散歩してるけど、セイヤさん見たのは一度だけ。」

けんた「でも、人違いかな〜?」

ゆか「セイヤさんじゃない。いつもジョギングしてるらしいし。」

けんた「ゆかさん!!」

ゆか「えーっ!なに〜、恋の告白〜?」

けんた「じゃなくて〜。」

ゆか「冗談だってばー。」

けんた「今から言う事、かすみさんには内緒にしてほしいんだけど。」

ゆか「えっ!?なに…?」

けんた「もし僕が見たのがセイヤさんだったら、他に付き合ってる人いると思う。」

ゆか「えっ!?どういう事!?」

けんた「コタローと散歩中、セイヤさんが電話してるの聞こえて、その時愛してるよって言ってた。」

ゆか「なーんだ。かすみちゃんと電話してたんじゃない?」

けんた「多分違うと思う。たしか、まりこ?ゆうこ?だったかなー?愛してるの後に言った名前。」

けんた「それに、そのちょっと後に散歩中のかすみさんに会ってるし。」

ゆか「それって…、もしかして?」

けんた「見間違いじゃなければ、セイヤさんには他に付き合ってる人がいるっ!」

ゆか「そんな、だって、セイヤさんすっごくいい人なのに。」

けんた「まだ絶対じゃない。」

ゆか「そーねっ。見間違いかもだし。」

けんた「…だといいんだけど。」

ゆか「一応私も気をつけて様子みる。」

けんた「僕も。もし見間違いじゃなければかすみさんが…。」

ゆか「もしかして、けんたくん、かすみちゃんの事?」

けんた「そっ、そんなんじゃっ、ただ仲良くしてたから心配で、かすみさんすごくいい人だからっ、その…。」

ゆか「けんた〜、わかりやすっ!」

けんた「またそーやってー!」

ゆか「これは2人の秘密って事で。私もかすみちゃん大好きだから心配だし。」

けんた「あっ、もう着くからこの事は!」

ゆか「ラジャー!」


楽しい遊園地でまかさのセイヤ浮気疑惑。

今日はまだ始まったばかり。


第10話に続く









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る