月夜に浮かぶ美しく気高い白銀の戦士

狼、人間、ドワーフ、エルフ、人魚。
様々な種族が存在する世界。

冒頭はレティリエ視点になって、まるで壮大なファンタジーの世界の中を旅しているようだった。物語を読み進めるほど、引き込まれていく作風。
次の話、次の話はと、まるで自分が冒険の旅に出ているような気分だった。

レティリエという魅力的なキャラクター、誰もが持っている恋心、劣等感、自身の葛藤、人物の性格を的確に捉え表現する作者さんの技量だと感じました。いつの間にかレティリエというキャラクターに感情移入してしまいます。


物語中盤から、冒険ファンタジーだと思っていた展開から一転。
重厚な人間ドラマのような物語に。

物語の中盤、人間の世界に囚われるレティリエ。
人間の持つ様々な欲望。特に所有欲、征服欲などの歪んだ感情、言葉は乱暴にはなりますが人の持つ醜い部分が他種族目線となって描かれています。

物語自体の構成も含め世界観が素晴らしいと感じました。
私個人の意見としましては、物語自体が面白いことはもちろん、登場人物それぞれの持つ特性や性格をとても巧く表現している点、そこに感心致しました。

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