相合傘

雨はひととき世は花盛り、

跳ねるしずくとつやめく榊。

洒落た朱色の相合傘に、

焦る心もついから騒ぎ。

ませたえくぼと罪なまばたき、

かげる小道はまた七曲り。

思わせぶりな言葉を交わし、

そぞろな足で進む暗がり。

横顔伏せて辺り見回し、

おぼろな念はふいに高まり。

揺れる黒髪触れてみたさに、

暮れる道行く二人儚し。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る