第4話 ちゅーとりある

 神様が魔王(ダンジョンマスター)として生まれ変わる前にチュートリアルとして色々教えてくれるという。


「簡単に三点ほど教えていくぞい、能力について、魔法について、ダンジョンについてじゃ」


 本当に基礎的な事を教えてくれるらしい。

 能力についてといわれてもイメージがつかないが、魔法とダンジョンについては異世界に行くんだなと期待が膨らみ興味がそそられる。


「まず能力についてじゃが………」


 神様が能力について説明をしてくれたのだが、その説明がだいぶ長かったので、頭の中で能力についての説明をまとめると以下のようになった。


 生まれ変わる世界の生き物にはレベルというものがあり、それによって成長がしやすくなっている。

 能力は体力、魔力、筋力、耐久、敏捷、知力、器用、運にまとめられる、ステータスとも言う。

 基本的に能力はレベルが上がることによって上昇する。

 トレーニング等でも能力は上昇するが、この世界ではレベルアップでの能力上昇がメジャーである。

 同じ能力でも本人の技量やスキルによって強さが変わる。

 レベルは経験値の蓄積によって上がる。

 経験値は主に戦闘によって手に入り、強い相手を倒すと多く手に入る、敵との強弱関係はレベルに依存する。

 レベル上昇時にスキルポイント(SP)というものが手に入り、それによってスキルの習得、上昇ができる。

 スキルの習得、上昇についてはこの他に、本や授業、等で人に教えてもらったり、そのスキルに関係する動作を行う等の方法がある。


 とゲームのようなレベル制の世界に生まれ変わるようで、面白そうだ。


「なにか質問はあるかの?」


 説明を終えた神様が質問があるかと聞いてくる。


 ゲームのようなと思ってしまったので、いくつかのゲームで共通しそうでしない点で詳しく説明されなかった点について聞いてみた。


「質問は三点ほどあります、まずはレベルが上がる時に一度にいくつもレベルが上がる事があるのかどうか、二点目はレベルアップに必要な経験値は一定なのか、最後は戦闘以外に経験値を入手する方法はあるのかという点です」


 1つめの質問は最初にちょっと強い敵を相手にしてスタートダッシュをしたいなと考えたのだ。

 しかしゲームによってはパワーレベリング防止策でレベルが一つづつしか上がらないものがあるのでそれができないかもしれないから気になった。

 2つめの質問はレベルアップに必要な経験値がレベルが上がるにつれて増えていくとレベリングの難易度が上がるので少し楽をしたいなという甘えた願望のような質問だ。

 最後の質問は戦闘への恐怖心から来た質問で、筋トレなど何かしらの方法でレベルを上げてから戦闘をすることで安全に強くなれたらいいなと思ったのだ、あわよくば引きこもりつつレベルを上げてのんびりまったり過ごしたいなと思ったのだ。


 我ながら思考がふらふら迷走しているが未知の世界に行くとなって浮かれているのかもしれない。


「1つ目の質問の回答はある、極端な話、レベル1の者がレベル100の者を倒すと一度にレベル30になることもある。

 2つ目、3つ目の質問については明言せん、自分で探しなさい」


「わかりました」


 死ぬ前が仕事で忙しかったので悠々自適に引きこもりながら最強を目指そうかなと変な夢をみていたのだが、残念だ。

 明言されなかったのでその夢は断たれていないのだが下手に怠惰な夢を探すよりは真面目に過ごしたほうが自分のためになるだろう。

 それに真面目に過ごしたほうが新しい世界を楽しめそうな気もするしな。


「次に魔法についてじゃ」


 次は興味がある魔法についての説明を神様がしてくれる。







 しかし、またしても説明が長かったので魔法についての説明をまとめると


 魔法とは自身の魔力を何かしらのエネルギーに変換して攻撃をしたり特殊な効果を得たりするもの。

 魔力はそのままでは不安定で別のエネルギーに変換させることで安定して魔法が使える。

 魔法には8属性があり、その属性は火、水、土、風、木の基本5属性と合成、特殊、純粋の亜種の3属性である。

 魔法の元になる魔力には2種類ある。

 素質がないと扱えず、素質が有るものには扱いやすい闇の魔力。

 誰にでも扱えるが、高い効果を得るのはとても難しい光の魔力。

 一般的に闇の魔力を魔力、光の魔力を聖力と呼んでいる。

 純粋属性の魔法はこの魔力をエネルギーに変換せずに使ったもの。

 基本5属性の魔法は魔力を変換させて使ったもので、変換先のエネルギーで区分けされたもの。

 合成属性の魔法は複数のエネルギーを混ぜたもの。

 特殊属性の魔法はエネルギーの分類分けでは説明しにくいもの。

 個人の能力では魔力が自身の保有魔力量、知力が魔法の効果量、器用が魔法の操作技量に関係する。

 また魔法とは別に武道の技術や生産者の技をスキルという形で手軽に使えるようのしたものがある。


 そして、


「魔法の覚え方としてスキルとして覚えるものと、自分で生み出すものがある。スキルの方は簡単で本など形のあるものに記録されているものを読むだけでよい、その魔法に必要な能力が足りていれば使えるようになるぞ、生み出す方は効果に対して原理をイメージできていないといけないんじゃ」

 

 魔法の覚え方はゲーム的なものが多く、自分で魔法の原理などを理解しなくても教わるだけ。書籍に目を通すだけで使えるようになるそうだ。


「魔法の使い方は?」


「一度覚えれば魔力を意識して名前を言うと使えるぞい、闇の魔力は生まれ変わると感じられるようになるはずじゃ、光の魔力はワシの後光をイメージすればよい」


 そう言って神様は後光を強めた。


「わかりました」


 少しまぶしい。


 魔力というものは今まで生きてきた世界には無かった物なので、それを補助無しで操ろうとすると難しいかもしれないが、助けがもらえるようなのでなんとかなるだろう。


「次はダンジョンについてじゃな」

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