幼馴染だけど付き合うってどうすればいいの?

二髪ハル

プロローグ 失恋からの告白

「好きだよ。海斗のこと……」

 寒い風が吹く高校1年の12月。 そう言ったのは小さい頃の付き合いの長い幼馴染の三村みむら れいだった。

 ついさっき津田つだ 海斗かいとは好きな人を教室で告白されたが玉砕され怜と帰っていた。

「ドンマイ、ドンマイ」

 玲に慰められ肩をトントンと叩かれる。

 人生で初めて告白したからショックがデカい……。

「良いんだよ俺のこと好きなのは誰もいないんだよ!」

 泣きながら空に叫び出す。

「ちくしょう!」

 一体何がいけなかったんだ! 俺のどこがダメなんだ!

 あれやこれやで一人反省会をする。

「うーん。顔?」

「顔ってなんだよ! イケメンがモテて俺はどうしてだ〜〜!」 

 鼻水が出過ぎて寒さで鼻の奥がヒリヒリとしていたい。

「ウソだって海斗はイケメンだよ。カッコイイよ」

 さっき顔だって言ってたろうが……。

「じゃあどんな風に?」

「え? ……えっと」

 玲に聞くがなぜかモジモジとしている。

「……一緒にいると元気を貰えるところとか?」

 疑問を疑問で返してきた。

「元気を貰えるってな。それは好きって事にならないだろ」

「何言ってるの? それも魅力的な事だよ私、海斗のこと好きだし」

「……え!?」

 好き? 玲が?

 いままで一緒にいたがそんな感情を出したこと無かったから驚きが隠せない。

「そ、それは幼馴染だからだろ?」

 玲は手を左右に振っていた。

「いやいや。普通に好きだよ。幼馴染だからじゃなくて恋愛対象として」

「う、うそだろ……」

「わかった。もう一回言うね」

 玲はため息を吐きながら、俺より数歩進んでくるっとこっちに振り返った。

「好きだよ海斗のこと……」

 玲は頬を赤くしながら言った。

 玲に恋愛対象として見たことはない。ずっと一緒いる幼馴染で妹みたいで姉のような存在だからだ。

「悪い……。俺は玲を恋人とかそんなの見たことない。今は付き合う気はないごめん……」

「……そっか」

 玲は先に帰って行った。

 

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