君に伝えること

天ノ川鋼2代目

第1話恋愛

「はぁ…」

 ため息を吐く。今日から高校生活。俺、霧島きりしま冬馬とうまは駒國高校こまくにこうこうに通うのだがそこには知り合いはいない。何故なら…ここは神奈川の横浜にある。しかし俺は東京出身だった。中学までは東京での学校ライフを過ごしていた。今は寮生活をしている。だからだ。ため息も出る。

「おっはよう!」

そう元気に挨拶したのは綺麗でモデル体型のショートヘアの女子だった。簡単に言うと美女だ。

「…お、おはようございます。」

「あ、1年生だからため口で大丈夫だよ?」

「は、はい」

 こんな美女に挨拶されるなんて夢見たいだ。

「教室でどこのクラスが見ないとだからまた今度ね。」

「あぁ、は、分かった。」

 女子と話すのは緊張する。

 廊下に出されたクラス名簿を見る。俺は1-4だった。教室は全部で5クラス。一クラス40人だ。俺は教室へと向かう。自分の席に着く。すると…

「あ! 同じクラスだね! 宜しくね!」

 またこいつか…

「あ、私の名前は天陽宇宙あまひそら。君は?」

 笑顔が眩しい。

「俺は霧島冬馬。宜しく。」

 俺みたいな暗い人間に話してくれるのだろうか?

「よし、お前ら席に着け。俺が担任の黒川五郎くろかわごろうだ。宜しく頼む。」

 担任の話の元に始業式をやるために体育館へと場所を移す。

「えぇ…新入生の皆さん。おはようございます。受験を乗り越えて来た皆さんなら私達〜〜〜〜ということです。以上です」

 長い校長先生の話を聞き終わる。校歌や生徒会長挨拶などが終わり教室に戻る。

「宇宙!誰が気になる人いる?」

 早々とラブトーク。早すぎないか?と思う。

「私の好きな人?霧島君かな?」

「「「「えっ!」」」

 場の雰囲気が凍りつく。おい!告白か!ざわついている。俺も言葉が出ない。

「冗談だよ!隣の席だからね!ごめんね!」

 笑いながら言ってきた彼女天陽。それに対して少し苛ついた。だが可愛いとも思った。正直俺は身長は高くもないし低くもない平均的な身長171cmだ。イケメンでもないし髪型も普通だ。俺が好かれる理由はない。

「よし!お前ら静かにしろ。自己紹介を行う」

 自己紹介だ。正直めんどい。最初は男からだ。

「私は天陽宇宙!好きな物はカフェ!スポーツは水泳をやってるから宜しくね!」

「俺は〜宜しくお願いします」

 俺の番だ。

「俺は霧島冬馬です。好きな物は車とゲームです。宜しくお願いします」

 挨拶を済ませる。着々と終わる自己紹介。

 自己紹介が終わり先生の話。

「〜であるから気をつけるように。以上!注目、礼!」

「ありがとうございました」

挨拶を済ませる。もう帰宅だ。

「ねぇ!霧島君!一緒に帰ろう!」

「あ、うん。」

 最初に寮生活とは言ったが少し離れたところにある。最初は学校の敷地内にあったが古くなり危険になったということで今現在は倉庫として使われている。そのため少し離れた寮での生活を強いられている。

「ねぇ、霧島君は寮生活なの?」

「そうだよ」

「そっか!私もだよ!」

 男子と女子の寮生活で一緒になることはないが寮自体は隣同士のため一緒に寝ようなどしようとすれば出来る。バレたら大変だろう。

「んー、でさぁカフェ行かない?」

「なんで俺と?」

 俺みたいな奴と行きたがる彼女はどうにかしてるのでは?と思う。

「いいじゃん!駄目?せっかく仲良く慣れるのに…」

「別に…どこのカフェに行くの?」

 少し悪戯ぽく泣く彼女に呆れる。

「いいの?やった!」





 歩いて30分歩いた場所にカフェは合った。カフェの名前はECという名前だった。読み方はイーシーと読みEarth,cafeの略みたいだ。その店は鮮やかな海の見えるお洒落なカフェだった。ドアを開ける。カランカラン。鈴が鳴る。

「お、宇宙ちゃん。また来たかい。そこの男は彼氏かい?」

「いえいえ、違いますよ。同じクラスメートです。仲良くなったので来ました」

 そう笑顔で答える彼女。

「私の大好きなカフェなんだ。いいでしょ!」

「確かにいいね。海も見えるしね」

「でしょ?叔父さん!この天使のカフェラテと天使と悪魔のマシュマロ下さい!」

「いつものね」

「お洒落なカフェだね。こんなメニューがあるんだ。じゃあ、俺はカフェモカとこの苺蜂蜜パンケーキを2つ。」

「かしこまりました」

 マスターに伝える。

「2つも頼むの?」

「宇宙の分もだよ。いい所を教えてくれた御礼」

「そっか、ありがとう!」

商品が届いた。

「んー、おいしぃ!今日はこれてよかったね!」

「そうだね。俺が金出すから大丈夫だよ」

「あ、ありがとう。ごめんね!」

「大丈夫だよ。前ヒーローに憧れてた時代あったし。黒歴史だけど…」

「そっか」

素っ気なく返す宇宙。会計を済ませる。そして寮へと向かうのだった。






寮にて。

寮は同じ学年3〜5人に分かれて生活する。宇宙はまだ一人もいなかった。

「やっぱり霧島君だ!かっこよかったなぁ〜。最高!こっそり写真も撮ったし!ってあ!連絡先交換するの忘れた!もぉ…夜中も連絡しようと思ったのに…まぁ、いいか。それにしても霧島君。私の事忘れちゃったのかな…」







 

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