第3話 作家と読者は違う

 昔から、マンガ批評レビューやアニメ批評レビューなどをネットで多く見かけたかと思います。

 実際、マンガレビューやアニメレビューを見て購入を検討する方も多いでしょう。


 しかし、毎年たくさんの作品が生まれる中で名作と言われるものは一握りです。

 なろう小説に限って言えば、『クソラノベ』と呼ばれ、それらをネタにしたラノベ考察YouTuberの方も多くいらっしゃいます。


 カクヨムにもラノベを読むのが好きな方はたくさんいらっしゃると思います。

 その好きが高じてラノベを書いてみよう!と思い立った方もたくさんいらっしゃると思います。

 しかし、“ラノベを読むのが好き=名作家”とはならないのです。


 なぜここでズレが発生するのでしょうか?


 大きく分けて以下の要因があると考えています。

 ①専門的な技術を学んでいない

 ②読者を意識していない

 ③マーケティングを知らない


 ■□■□■□■□■□■□■□

 ①専門的な技術を学んでいない

 ■□■□■□■□■□■□■□

 これは根本的な原因かと思います。

 気軽に初心者の方、素人の方が参入できるようになった結果、質が低下してしまった。言い換えると分母が増えた結果、平均が下がってしまった。と考えることができます。(個人や誹謗中傷をする意図は決してなく、あくまで個人の意見です。)


 私は昭和生まれなので、小学校では重い辞書を持っていって辞書を引いたり、交換日記をしたりと活字に触れる機会が今の世代よりは多かったと感じます。

 今はスマホで漢字は一発変換できますし、「ヤバい」という一言で会話が成立したり、「若者言葉」や「ネットスラング」といった言葉がどんどん出てきました。

 文章を書く機会は減り、マンガなどを読む機会が増えた結果、現状に繋がっていると私は考えています。


 学校でライターの専門的なことを学ぼうとすると年間100万円単位の授業料がかかります。

 専門的な知識を勉強し、実際に取材をおこない執筆される作家様と、一方でラノベをたくさん読んだから挑戦してみた作家様。そもそもの力量に違いがあるのは当然でしょう。


 もちろん、悪い面だけではありません。

 芥川賞や直木賞を目指すのであれば、構成や語彙力や表現力など様々な能力が必要になります。

 ですが、カクヨムではそこまで堅苦しいものをあまりユーザー様は重視していない傾向にあるかと思います。

 web小説自体が、『スマホで気軽に読める』に重きを置いているかと思うので、ある程度の文章力さえあれば、読みやすさやテンポ、勢いがあるものが評価される傾向にあるかと思います。

 ただ、それを踏まえても、そのある程度の基準に達していないものも多数存在するのも事実です。


 余談ですが、私はデザイナーを目指し絵を描いていました。毎日授業で絵を描き、筋肉の構造の勉強やデッサンをやっていました。

 マンガ家にも上手い方、下手な方がたくさんいらっしゃいます。なので見ていると絵の違和感には気付きます。しかし、それを自分が修正して正しく描いてみろ、と言われると時間がかかったり資料を見ながらになってしまいます。(今はおそらく描けないでしょう。)

 人物を例にすると、【ただ描かれた人物を見る】のと【頭にあるポーズを骨格や筋肉の構造を理解しながらなぜこの服のシワができるのか?を意識して正しく描く】には絶望的な差があると思っています。


 これは文章にも同じことが言えると思います。

 ただ書かれた文章を読むのと、実際に書いてみることはかなり大きな差があると言えます。

 状況、風景の描写、表現の仕方、言葉を選ぶセンス、実際に書いてみて苦戦する作家様も多いと思います。

 これらを改善するには量を読むしかない。と思っています。自分の中から生み出せない以上、外から吸収(インプット)し、それらを自分流に落とし込んで書く(アウトプット)の繰り返し、練習が必要かと思います。


 ■□■□■□■□■□■

 ②読者を意識していない

 ■□■□■□■□■□■

 これは作家あるあるです。

 書いている時は気分よく書いています。しかし、自分目線での執筆なので、「自分はわかるから読者もわかるだろう」「自分はこう思うから読者もこう思うだろう」といったことが起こります。

 これらが『読みやすさ』『描写不足』『ご都合主義』の原因となります。


 しかしこの読者目線、客観的に見るというのは意外と難しいものです。集中し過ぎて周りが見えなくなる、というのは誰もが経験したことあるかと思います。


 これが第2話で記述した自己満足が目的ならば特に問題はありません。しかし、自己満足ならば自分のブログにでも書けばよいはずです。


 カクヨムという媒体を利用する以上、『誰かに読んでもらいたい』『感想や評価をもらいたい』といった欲求があるはずです。(人間には承認欲求がありますしね。)


 評価されるにはやはり読者にわかりやすく書くことが必要になります。独りよがりでは誰にも伝わりません。設定にこだわり過ぎて分かりづらくなってしまったり、勢いで書いたために矛盾が発生したり・・・などが起こりうるからです。

 これらを防ぐには、時間を置いて読み直してみる。他人に読んでもらい感想をもらう。などが挙げられます。


 ■□■□■□■□■□■□■□

 ③マーケティングを知らない

 ■□■□■□■□■□■□■□

 いかに良い作品でも読者に知られなければ意味がありません。マーケティングという言葉を使いましたが、たくさんの人に見てもらうための戦略とでもいいましょうか。

 ただ書いて投稿するだけではその他大勢の作品の1つとしてあっという間に埋もれてしまいます。(新着小説の欄には時間帯にもよりますが、2分後にはもう表示されていませんでした。)

他の作家様と違う【差別化】や【オリジナリティ】、それらを上手に用いた【戦略】が必要になります。

【戦略】については長くなるので次回にしたいと思います。


第4話は「読者に読んでもらうためのカクヨム戦略~タイトル編~」を予定しています。




 ※※※※※※※※※※※

 あくまで私個人の考察、見解ですのでこれをやれば100%PVが増えると保証できるものではございません。「こんな見方もあるんだ」くらいの参考程度に思っていただき、少しでも読んで面白かった、役に立ったと思っていただければ幸いです。

 

 作家様はご存知かと思いますが、執筆するうえでフォロー、レビュー、応援は非常に励みになります。

 よろしければご意見やコメント、ご指摘、アドバイスなどお待ちしております。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る