算数その三 「問う」

 王位を継いだ若き者、神に対して敬虔なる者、偉大なる太陽神アメンの如き王、神の子孫、太陽が勝利を与えし者、太陽の息子、ツタンカーメン――永遠に生きよ、アメンに愛されし者――の治世第三年。

 この年、アエトスの息子アエナスはアレキサンドロスの神官であった。


 エジプト暦にして、ベレトの第一月第三日。

 ツタンカーメン――永遠に生きよ、アメンに愛されし者――がアエナスに問う。

「アエナスよ、今宵はちんが問う」

「ツタンカーメン――永遠に生きよ、アメンに愛されし者――よ。誠に光栄なことに存じます」

「アエナスよ。


 ここに冥界の神アヌビスが三柱ある。

 しかる後にナイルの豊穣なる流れに依りて三柱とも流され溺れたるに、


 ここに生まれ出ることわりは、如何なるものに相成るのか」


( 続く )

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