第6話 対峙する守護者(守護する者 あいま見えしは・・3)

紙一枚の所で音もさせずに 相手の剣は止まった。


カチリ!

相手の剣は動きを変え今度は 紅玉姫の胸に向けて

突き刺そうとする!


紅玉姫は笑みを崩さぬまま


実際の所、相手も本当は殺す気持がないらしく

またしても寸前で剣を止めていた


相手はくるりと回って踊るように身をひる返す

青い瞳の娘の黒い髪が風に その動きに揺れた・・。


彼女もまた 何処か愉しげな笑みを浮かべていた


「久しぶり・・紅玉姫・生きていたのね!」のんびりとした口調


しかし!剣は再び彼女に向けられ 横に振られ、彼女に切りかかる


寸前で紅玉姫は 身体を上半身を後ろにそり返して

剣を避ける!


「碧姫! 私達は敵同士になってしまったの?」

淡麗な顔を少し歪め 問いかけた


紅玉姫の問いかけに

碧姫と呼ばれた 黒髪 青い瞳の娘も 表情を硬くして答える

「そのようね・・」青い瞳 哀し気な目


その間も手先を休ませる事なく 剣を振り続ける


「本当に殺しあいたい?」ため息と哀しい表情

「いわば姉妹なのに・・」


「私は、ここで貴方達を足止めするように命じられているの」

両手の剣を今度は 目標の自分自身の胸元にクロスさせて

相手の剣先を防ぐ!剣が触れ合う小さい音


「あの方達は 関羽様の敵に味方するの?」

呟くように 問いかける紅玉姫


「華陀さま 何故?」


「どうするの? 私達はあの方々を守る為に造られた者 守護すべき者

長い月日・・はぐれて 行方知れずになっていた紅玉姫


貴方はこのまま 敵側につき 私達と離れてしまう気?」


「紅玉姫」優しく呼ぶ 低い男の声・・。

ジッと問うように静かな表情で見つめている。


「関羽様・・」

「私は関羽様のもとにおります ずっと」

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