第17話 神槍ゲイ・ボルグ2

「ところで、神槍と言うくらいだから、何か凄い機能があったりするの?」


ハルトが床に座ってキュウを膝の上に乗せて、撫で撫でしながらゲイ・ボルグに尋ねた。


『ほほう、我に興味を持ち始めたか、良い傾向だ』


(良いから早く教えろよぉ)と思うハルト。


『一言断っておくが、我と契約者は魂で繋がってるから、考えている事は分かるぞ!』


「え? ヤバ……」

(勝手に心の中を読まれるの? ちょっと不快だぞ)と思うハルト。


『ん? うっ……、まあ、許そう、我は心が広いからな、そうそう、機能であったな』


一瞬ゲイ・ボルグがドキッとした感情を感じたハルトは、(ゲイ・ボルグの事も分かるのね。まあ、それならいいか)と思うのだった。


『我の機能は、人族がステータスと呼んでいる形式で、確認可能なのだ』


ハルトの頭の中にゲイ・ボルグの情報が表示された。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 ゲイ・ボルグ

種類 神槍

レベル 1

穂 アダマンタイト製

柄 海龍の骨

石突き アダマンタイト製

柄巻き 神紐


基本機能

 不壊、召喚、会話、加重

追加機能

 収納


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「レベル1なんかーい!」

とハルトは軽くツッコんでみた。


『我は成長するのだ』


「成長?」


『戦う毎に経験値を取得し、経験値が一定数になると次のレベルに上がる仕組みだ。そしてレベルが上がると機能が増える』


「おお! 良いね、RPGみたいだ。それと『不壊』は壊れ無いって事でしょ。『会話』は話してるから良いとして、『収納』はアイテムボックス?」


『そうだな、何でも収納出来る機能だ』


「ほうほう、『召喚』は何かを召喚するの?」


『我が召喚されるのだよ。ハルトが我の名を呼び我を召喚するのだ』


「ふぅん、『加重』は重くなるの?」


『そうだ、基本的には契約者以外が持つと重くなり、持ち上げられなくなるのだ』


「成る程ねぇ。流石、神槍だ! 凄い機能だよ。ところで、こんなに凄い機能の武器と契約させて、俺に何をさせる気? 俺は槍術のスキルしか無いただの槍兵だよ。魔王なんかを倒せる気がしない。」


『ん? 特にないぞ。魔王は勇者が倒すのだ。』


「じゃあ、何で俺が契約者に選ばれた?」


『ここは『聖獣の祠』と言ってな、聖獣に導かれた者が来れる場所なのだ。と言う事で、何でだ? 窮奇!』


(ん? 僕かにゃ、助けてくれたお礼だにゃ、ここに来ると、ハルトに良い事が起きる気がして、ゲイ・ボルグの誘いに乗ったにゃ)


「そうか、キュウ、有難うね。良し、特に責務が無いなら、有り難く受け入れるよ。宜しくね、ゲイ・ボルグ」


『おう、ハルト殿、良しなに頼む』


と言う事で神槍ゲイ・ボルグと契約する事になったハルトであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る