第3章 レジスタンスそしてダンジョン都市オラトリオ

1部 レジスタンス編

ダンジョン脱出、そしてイーストウッド国へ

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 あらすじ:ダンジョンに入って


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 光が見えてきた。どうやら出口のようだ。


 「今回は無事戻ってこれました、ああ、ここまで来るのに長かった」


 クレスは外の景色を見ながらそうつぶやく。


 「そうね。やっと戻って来たわね………」


 気がつくとエリナもクレスと同じようにたたずんでいた。


 「そうだな。アジトに着くまでは油断大敵だがな!」


 アズラックは注意を促していた。


 「大丈夫だよっ!  くうとくんが生きている限り間違いなく成就するよ。あたしも命をかけて守るからねっ!」


 え! 何その死亡フラグ! とういか、俺そんなに重要なの?


 「アリーシャ、俺が重要なのはわかるが、自分の命は大事にしてくれ」


 ほんとそう思う。人を好きになるというのはこんな気持ちだったんだな。アリーシャには死んで欲しくない。ずっと俺のそばに居て欲しいと思う。


 アリーシャはこっち見て何故か照れている。この子、俺の思考読めるんだよな。


 ――というか、アリーシャは何歳だ? 見た目は凄く若そうなんだが。女性に年齢を聞くもんじゃないな。うん、今は忘れよう。


 「ええ、ここまでくればレジスタンスのアジトまですぐですよ。先を急ぎましょう」


 クレスが崖下の森林を指をさし、歩き始めた。


 俺はいまだにアリーシャに手をつながれたままだ。


 ――あれからダンジョンの魔獣の強さも大したことが無く、俺とアリーシャはついて行くだけになっていた。長い暗闇の中歩き続けていたら光が見えたので皆でそこまで歩いて行ったわけだ。


 クレスはダンジョンと言っていたが、どうみても洞穴みたいな洞窟だった。

この世界のダンジョンはみんなこうなのか??


 ………そう言えば、そろそろ肌寒いから季節的に秋なのかな? この世界に来てからあの唸るような暑さは無かった。どちらかと言えば寒いほうだった。


 ある時に見つけた温泉は、そこそこの寒さもあり、とても気持ちよかったっけ。………違う意味でも、だけど、そこは詮索してはいけない。




 そうだ。




 アジトやらに着くまでに、ここまで来た目的を振り返ってみるか。





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 まず、俺は大学の友人たちと無人島に行ったんだったな。

そもそもの発起人は姫奈らしいが、俺を誘ったのは幼なじみでもある皇帝しいざあだ。


 姫奈ぴいなは学校でもかなり目立つから俺も知っていた。………しかし悠斗ゆうとはあんまり見たことが無かった。同じ学校らしいが、たまたま縁がなかっただけだろう。


 無人島について張り切る3人をよそに、俺は冷めていたんだったっけかな。そこで一人の女の子を見かけて意識を失って、なんかチートをくれるとかで、ふと気が付けば、この世界に転移していた。


 道端のど真ん中で放置されていたが、たまたま話しかけてきた露天商と服を交換して冒険者ギルドの情報を得る。

 というか、あの露天商、アズラックだろ?


 ――しかし疑問なのは、どうしてアズラックは俺のような異端の服装の人に声をかけたんだ? だけど、結果的にそこから、このメンバーとの縁がつながったと思える。


 そう言ったやり取りを交わすうちに冒険者ギルドに到着するんだったかな。そうしたら冒険者ギルドに皇帝しいざあが居たっけ? 王宮にいるから助けに来るよう誘われたんだけど、あの時はうまく行く確信が無かったから断ったっけな? カウンターに行き冒険者登録をする。その後エリナに声をかけられたわけだ。アズラックの情報収集力を見ると、アズラックからの差し金だろう。


 エリナ、アズラック、クレス、アリーシャの4人。

この時点で知り合いになるわけだ。


 そこエリナの説明によって、この王国の闇について知ることになったわけだ。

その後、俺はこのメンバーのパーティに入る。


 冒険者活動をしながら、基本的な戦い方、この世界の事、そしてこの世界の常識を知るんだよな。闇を知った以上、王宮に行っていいように働かされる事は無かったが、悠斗ゆうととトラブルになるんだよなぁ。


 しかも、狙ったかのようなタイミングでの王宮騎兵の追手。十中八九じっちゅうはっく俺が目当てだろうな。そして俺は、流されるままにエリナたちと行動を共にすることになる。


 ――しかし、クレスたちからの俺を利用していたことへ突然の告白。

 しかし、俺が皇帝しいざあ悠斗ゆうと姫奈ぴいなたちについて行けば、間違いなく都合のいいように使われていただろう。どうせ利用されるなら、今の状況のほうが都合は良かった。


 その後に色々話を聞いていて分かったことは、クレスがイーストウッド国の元王子ということ。 またアズラックはその国の貴族であったこと。


 エリナが持ってる神器アーティファクトと、俺の持ってる神器アーティファクトがカギになり、神器アーティファクトを入手できるダンジョンへ入れること。


 また、神器アーティファクト一騎当千いっきとうせんの力があり、クレスはイーストウッド国を取り戻すために奮起ふんきしていること。


 なぜだか知らないが、エリナとアリーシャの女性組はそれに手を貸している。この辺の理由は聞き忘れたな。また機会あれば聞いてみようと思う。



 次の目的は大きく分けて3つ


 ・レジスタンスへの合流

 ・神器入手ダンジョンのカギを開ける事

 ・ダンジョン攻略


 と言ったところか。


 ――そして最終目標は、クレスの目的でもあるイーストウッドを奪還だな。俺はそれに手を貸すためにレジスタンスへ歩き出す。

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