第5話 真一と優香 9年ぶり 正式に再会

翌日、真一は一人で高校駅から電車に乗って帰る。すると優香が同じクラスの女友達3人と一緒に同じ電車に乗ってきた。真一は優香が一人になる時を待って、声をかけるつもりだ。

途中の無人駅でもある梅沢駅で女友達3人が下車、優香1人になった。真一は意を決して、緊張しながら優香に近づいた。


真一「あの、ひょっとして優香ちゃんやんなぁ?」


優香は笑顔で首を縦に振る。


真一「オレの事知ってる?」

優香「知ってるよ。堀川くんでしょ」

真一「堀川くんって、何か肩凝るわぁ(笑)」

優香「じゃあ…、しんちゃん❗」

真一「しっくりくるなぁ(笑)」


優香も笑った。


真一「しかし、全然変わらんなぁ。幼稚園の時とそのままやなぁ」

優香「そうかぁ?」

真一「うん。かわいい顔は幼稚園の時と同じ、ますます美人になったなぁ。まぁ、お年頃の女子高生やもんなぁ」

優香「いやいや、同級生やし。そんなオッサンみたいな事言うてたらアカンで❗」

真一「同級生というか、幼なじみやし」

優香「元気やった?」

真一「まぁ、なんとか。メガネかけてオッサンになったくらいかな…。優香ちゃんは?」

優香「オッサンちゃうで❗ 高校生や❗ 私も元気やで」

真一「恥ずかしがり屋さんの優香ちゃんも健在ですか?」

優香「ちょっと~、もう…」


真一は大笑いした。


真一「でも優香ちゃんオレの事、よう覚えてたなぁ」

優香「入学式の日、南駅でしんちゃんを見たんや。『ひょっとして…』って。緊急連絡網配られて帰って確認したら、間違いなかった」

真一「バレバレやったんか…苦笑」

優香「そうやで。私を誰やと思ってんの? この間、高校駅で会ったでしょ? 何も言ってくれへんかったやんか❗」

真一「ゴメン。あの時、記憶がぶっ飛んでて、どっかで見たことある顔やなぁと思ってて、声かけようと思ってても名前が全然思い出せんかったんや。ずーっと思い返してて、ウチの母親は優香ちゃんを覚えてた。それで思い出したんや」

優香「もう、遅いわ」

真一「ホンマにゴメン❗」

優香「でもいいよ。またしんちゃんと再会できて」

真一「そうやな。オレも優香ちゃんとまた会えて。残念ながら同じクラスで隣の席ではないけど。また昔みたいに何でも言うてな。相談とか愚痴とかも聞くから…」

優香「わかった。ありがとう」

真一「いえいえ、こちらこそ器用なことせなアカン時は頼むわ」

優香「まだ不器用なんか?」

真一「オレを誰やと思ってんねん。手先が不器用なしんちゃんやで❗」

優香「そうやな、幼稚園の時からホンマ不器用やったもんな(笑)」

真一「器用なことは優香ちゃんに頼まないと…」

優香「またすぐ頼ってくるなぁ。大人になったらどうするの?」

真一「大人になっても優香ちゃん呼ぶわ(笑)」

優香「アホか❗(笑)」


と9年ぶりに正式に再会し、笑顔が絶えない真一と優香であった。

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