嫉妬と罪悪感と憧れと

嫌なこともめんどくさいことも、憧れあるいは負けたくない誰かがいることが燃えるような動機になったりしますよね。そんな「憎くて大切な誰か」のお話だと思いました。

才能がなければ「???」で。
月白さんが八知さんのおかげで小説を書けていたように、それは才能と釣り合うほどの威力があるのではないでしょうか。

立花ちゃんが持っていて、先輩が持っていないという「才能」を、立花ちゃんが「???」になることで後ろ側から補っていけるのかな。二人が小説家として釣り合う日が来ますように。

小説と恋愛と重ね合わせて、影響を受けあったり執着したり、多元的な人間関係を描いているところがこの小説の魅了だと思います。

なにより先輩の人物像。「先輩」という称号が似合いすぎる優しさと実績、憧れるにふさわしい上辺の天才キャラが、あぁ、こんな人いるよなぁ、という現実味を帯びています。告白シーンでの先輩の応答が最高です。

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