最後まで、Yes。ノヤマノハナ

上之下 皐月

第一部 中学生編 プロローグ 野山乃花はカーリングにBLを期待する。

自分がいわゆる“腐女子”と呼ばれるカテゴリーに属する事を知ったのは中学校三年生の時。

思い出してみればそれは二年生の時に父親にタブレットPCを買ってもらってからか。

最初はゲームアプリを入れ、無課金で楽しむ程度。

それが、ある日見付けたネット広告。

それがきっかけで私はいわゆる“腐女子”となったのだった。

男の子同志が絡み合うボーイズラブ。

中学生の私には衝撃的だった。

女の子よりも美しい男の子達。

いつしか、そんな綺麗な、でも俺様系な男に荒々しく抱かれる…そんな妄想にふけって自分を慰める。

そのまま自慰行為ソレは私の日課となっていた。

保健体育で男の子がそういう事するって習ったけど。

まさか自分がするとは。

…女の子にも性欲はあるのだ。


それはさておき。

私は小学校の頃からカーリングをしている。

なんで始めたのか?

それはよく覚えていない。

ここ軽井沢でのカーリングの知名度はかなりのものだが、周りがやっているからとか、そんな子供特有の理由だったと思う。

まぁ私も若かった訳で。

今の、中学三年生の自分で思い出してみると、小学生は異星人みたいに思えて。

…何と言うか、黒歴史だわ。

ただそんなきっかけで始めたカーリングでは、不思議と美男子が多いのも事実。

今にして思えば、その頃から私には腐女子それらの素養があったのだろう。

初めてスウェーデンの選手を見た時は衝撃的だったわ。

青い瞳に金髪。シュッとした鋭角な四角いあご

そして髭。

そう、髭。

重要だから二回言うわ。

金髪の髭無敵故に最強

私の性癖はこの時に決まっていたかもしれない。

アメリカ選手のゴリゴリな筋肉も良いけど、北欧系の細いマッチョは垂涎もの…じゃなくてやはり見ていてカッコいい。

そんな歪んで腐ってる私の密かな趣味と言えば、身の周りで見付けた素材でBLそういった小説を書く事。

まぁ自慢出来る趣味では無いことは分かってる。

でも、よく『アイツは嫌なヤツ』とか、『変なヤツ』って決めつける子がいる。

それって決めつけてる段階で目の前の人に対して考える事を止めている。

そういうの取っ払って見てみるとそこに理解が生まれると私は思う。

だから、私は腐女子の目私の目を通して目の前の人を観察する。

考えを止めてしまうより余程いい。

例えそれが少し穿った見方だとしても。




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