第3話 初めての依頼

人間の住む国は魔族の住む国から贈られた娘は、

王族は容姿を観るなり、煙たがって誰も近づく者はあまりいなかった、一人を除いては。


オリビアは魔族で、茶髪でストレートロングヘアで角は生えておらず、蝙蝠の翼が生えており、肌の色は白に近いグレーでよく見ないと、人間と見間違う容姿をしていた。


城に来た頃オリビアは一人考え込んでいた、白髪でお下げ髪で気品溢れる、女戦士が城の案内してくれたが、週末にしか会えなくて今週は会えてなかった。


「オリビア様ここにいらっしゃいましたか」


魔族のオリビアの世話係のシードがオリビアに声をかける。


シードは肌の色は薄緑色で一本の黒い角が生えており、背中には、蝙蝠の大きな翼が生えていて、

他は人間と同じ姿だった。


「シード、あの御方は見つかりましたか?お下げ髪の気品溢れる白髪の女戦士様は」


「きっと、忙しいのでしょう、王国の誰よりも信頼が厚く、毎日、この国の依頼もそつなくこなしてしまう御方ですので、我々、魔族にも平等に扱ってもらっていますし」


噂をしていると、少し疲れた表情でオルガナが城に来ていた。


「戦士さま!大丈夫ですか?顔色が悪いようですが」


オリビアが心配そうに尋ねる


「ワシは大丈夫じゃ、この城を出るぞ、時期にここも襲われる、魔王と名乗る者が来る、何とか今回は追い返すことができたが、次はないじゃろな」

シードが困ったように反論する

「戦士様ここより、安全な場所はないです」


「それじゃが、ワシが贔屓している、孤児院がある、ひとまずそこで身を隠そう、オリビアお主に合わせたい者がおる、城の外に馬車を用意してあるからワシはそで待つ」


フォウは酒場のマスターから言われたように、自宅に戻り、明日の準備をしていた。


「なぁクロ!初めて明日、依頼を受けるんだばあちゃんの為に傷薬の材料を取りに行くんだぞ」


リュックにタオルや包帯、残り少ない傷薬を入れて、魔狼の狼と楽しく話をしていた。


昔、オルガナに教えてもらった事を思いだしていた。


「いいかい、フォウここで取れる、よもぎ草は浸透性のある、じんわり時間をかけて治す薬草だ、だけどね、魔族が使うよもぎ草には、微弱な魔力が含まれていてね、魔力と活力を癒す薬草なんだよ」


「ねぇ!早くばあちゃん帰って来ないかなクロ、このヘアピンも渡したいしね、このヘアピンは特殊な情報が入れてあるんだ」


記憶石、数秒間、映像と音声を録画できる、石が埋め込んである、フォウのサプライズ

プレゼントだった。


テーブルの上に可愛、袋に、いつもありがとうと言うメッセージカードが置かれ、フォウはオルガナを待っていたが、疲れたのでいつの間にか寝てしまっていた。


オルガナは魔王の妹を孤児院に預け、孤児院を出る前に言伝をしていく。


「すまない、オリビア殿、ワシは一度家に戻らなきゃならない明日また来るので待っていてもらいたい」


オルガナは溺愛する、孫同然のフォウを心配して、オリビアに結界石を渡して説明する。


「この石は床に置いて足で強く踏むと結界ができるようになっておる、何かあったら使いなさい、必ず役に立つのでな」


シードは結界石を受け取ると深々と礼をする。


「戦士さま、ありがとう御座います」


「おぉ!それとワシの名はオルガナじゃ、いつまでも、戦士さまはくすぐたっいからな、では急ぐので失礼する」


慌ただしく、孤児院を出ていくオルガナの後ろ姿は、どこか、嬉しそうだった。


オルガナが家に着く頃は夕方過ぎて夜もふけっていた。


「フォウ帰ったぞ〜とっ寝てるか」


忍び足で家に入りランプに火を灯すとテーブルにメッセージカードが置いてあり、それを見つけた、オルガナは目頭が熱くなって、涙目になっていた。


(いつもありがとう、ばあちゃん)と書かれていた。


「うぉぉ!とまずい、まずい起こしてしまう所だった、天使かお主は‪w」


メッセージカードの隣に可愛袋が置いてあった。

「記憶石付きのヘアピンか、どれどれ」


(明日は初めて依頼を受けに行ってきます、夕方には帰るね)と映像がながれてきた


「依頼か、しかしまだ依頼は受けられる歳ではない、と言うことは、同行者がいるということか、暇だからワシも行くか」


フォウを明日、孤児院に連れて行かなければならないので、オルガナはフォウの寝ている、ベッドの隣にあるソファで寝ることにした。


翌朝、フォウは起きると、井戸から水を汲みに行っていた。


「うん、朝かフォウはもう起きたようじゃな、朝飯作るとするか」


オルガナは台所で、籠に入ったじゃがいもと、チーズを取り出し、じゃがいもを薄く千切りにし、

ボールに水を切り、フライパンに油をひき、水を切ったじゃがいもを中火で焼き、焦げ目がついたら、チーズを投入して、できあがり。


ピザのような、食べ物ができ上がる、安上がりで

美味しく、お腹にたまる。


「おーい、フォウや朝飯ができたぞはよ来い」


じゃがいもとチーズの良い香りが鼻をくすぐる、

お腹が空いていると、余計に美味しく感じさせる匂いだった。


「ばあちゃん、おはよう!メッセージは見た?今日は依頼を受けに行くんだ」


外から家に入って来るなり、フォウはオルガナに直ぐに報告する。


「それじゃが、ワシも行くことにした」


フォウは目をキラつかせて、(ホントに)と訴える


「お前には行ってもらう所があるでな、さっさと終わらせるぞ」

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