居酒屋わかめ お通し キムチ

【居酒屋わかめ】


「とりあえず、ビール2つください」


 席に着くなり、いや席に着く前に勝則さんは翔太郎くんの分のビールを一緒に頼んだ。夏の暑い日、翔太郎くんと勝則さんは涼という名のビールを求めて仕事終わりにやってきたのだ。


「ビールと、今日のお通しのキムチだよ。」


 店主はそう言ってカウンターに座った二人にビールと小鉢に入った白菜のキムチを出した。


 居酒屋わかめは翔太郎くんと勝則さんが良く行く居酒屋だ。ここの店主は大柄で馴染みの客からは裏では巨人と言われている。また料理にもかなり凝っていて自家製のものが多い。この出してきたキムチも店主が漬け込んだものらしい。


「暑い日に辛いものっていいよね。」


乾杯を済ませた勝則さんはそう言って早速キムチに口に放り込んだ。

白菜の芯のシャキシャキした食感、辛さの中に漬けこまれた良質な白菜の甘さまで感じられる。そしてキムチで辛くなってる口の中にビールを流し込む。ビールの冷たさ、喉越しが際立つ。


「キムチとビール、いいねぇ~」


「本当、お酒が進む組み合わせですね」


 二人のビールとキムチが進む。辛いものが苦手な翔太郎くんだがここのキムチはパクパクと進む。わかめの店主は、二種類作っていて翔太郎くんキムチはあまり辛くキムチが出されているからだ。馴染むの客だから好みを把握している。


 口にキムチを運び、食す。辛くなった口にビールで流し込む。二人はずっと続けられそうだ。


「おっと、まだビールしか頼んでなかったね」


「本日のおすすめメニューにキムチチャーハンがあります。」


「それだ。あ、あとお通しのおかわりもお願いします。」


二人はそうやって今日も居酒屋わかめで美味しいものを食べて心と体を労うのだった。

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